近年、いろんなロッドメーカーから「硬めのソリッドティップ」を搭載したベイトタックルが登場している。その機能と役割、モデルごとの個性を深堀りしてみよう。今回は青木大介さんにブルートレックシリーズについて触れてもらった。
●文:ルアーマガジン編集部
青木大介さんのプロフィール
― 青木大介(あおき・だいすけ)
1982年神奈川県出身。DSTYLE代表。JBトップ50で3度の年間優勝を獲得したのち2019年から米国バスマスターに参戦。OPEN戦での優勝とバスマスタークラシック出場を果たした。今シーズンからは再びJBトーナメントに復帰している。
必要性の有無は使い手のスキルしだい
たとえばウイニングクローを5~7gのテキサスリグにしてカバーを撃つとき、僕はチューブラーを使います。「パパパパパッ!」と、キレのあるシェイクをするのが自分のやり方だから、ティップに張りがあるほうがいいんです。
ソリッドティップでも似たことはできますが、「パパパッ、モワッ……パパパッ」みたいになりがち。フッキングに関しても「乗せる」ではなく「掛けていく」スタイルなので、やっぱりチューブラーのほうが合う。
だからこそ、これまで作ってきたDEEZのカバーロッドは「チューブラーの70H」というスペックだったんです。
じゃあなぜブルートレックの「70H」はソリッドティップなのか? というと、そもそもコンセプトが違うから。どんなレベルのアングラーにも使いやすい、そんなロッドを目指して作っています。
カバー撃ちでラインに障害物が干渉してバイトが取りにくいとき。「あれ? 食ってるかな?」と、不用意にラインを張ってしまっても、ソリッドティップならバスに違和感を与えにくい。
これがチューブラーだと、アタリを聞くあいだも適度なラインスラックを出したまま、バスに吐かれないように注意して操作する必要があるわけです。
要するに、ソリッドティップならではの「軟らかさ、感度の鈍さ」はメリットにもデメリットにもなる。それを理解したうえで使い分けてもらいたいです。
僕自身もまったく使わないわけではなくて、アメリカでもブルートレック70H-Sの出番はありました。SVSBビッグのバックスライドとか、テキサスリグでも3.5g以下のシンカーを使うとき。軽いリグを扱うシチュエーションですね。
かつてはベイトフィネス用にフルソリッドモデルを作ったりもしましたが、最終的にはやっぱりチューブラーに帰ってきた。スピニングも同じです。スモールマウス用のごく軽いリグ以外は、チューブラーだけでいいと思ってます。
ブルートレック DBTC-70H-S(ディスタイル)
青木大介個人の好みに振り切っていたDEEZ時代とは異なり、「ブルートレック」シリーズは誰でも快適に扱えるスペックを追求。カバー撃ちに限らず、オープンウォーターでのワーム系全般にも使える汎用性の高いモデルだ。
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