前夜5日にヤクルトと延長戦の末、2連敗を喫した横浜DeNA。パスボールで決勝点を許した入江大生投手は試合後、悔しさの残るピッチングを冷静に振り返った。
同点の延長十一回、入江が7番手で登板すると、2奪三振を含む三者凡退の好投を見せた。次のイニングもマウンドへ。四球と安打で2死一、三塁、抜けたフォークボールを伊藤光捕手が後逸。白球が転々とする間に三走が生還し、4時間半超に及ぶゲームは終止符を打った。
日付けが変わろうかという午後11時50分ごろ。入江は球場駐車場に姿を現した。開口一番、「遅くまで待たせてしまってすみません!」。記者を気遣い、頭を下げた。
誰よりも悔しさにまみれたであろう右腕は、しかし丁寧に応じてくれた。雨でマウンドはぬかるみ、下半身の力も入れづらい。その上でのイニングまたぎ。それでも言い訳はなかった。「割り切って投げないと。見に来てくれたお客さんの中には、きょうが最後の試合の人もいるかもしれない。(シーズンの)143分の1だと思ってはいけない」
もちろん、同じミスを繰り返さないという誓いも立てた。「切り替えるとかではなく、しっかり反省してあすを迎えたい。切り替えると口で言うのは簡単だから。次同じようなシチュエーションが来たら、やり返したい」
表情にも悲観的な様子はない。次のマウンドできっとやり返してくれる。そう感じさせる後ろ姿は頼もしかった。