6月1日夜に発生した上越市大貫4の中村礼治さん(当時62)殺人事件は11日、長野県上田市の無職、小倉一夫容疑者(70)の逮捕で一つの区切りを迎えた。
12日朝、住民からは安堵(あんど)の声が聞かれた。地元町内会の村田敏昭町内会長(75)は「関係者のおかげで解決につながり、喜ばしい。この間、警察から1日も欠かさず町内をパトロールしてもらった。元の安全・安心な町に戻ると確信している」と述べ、警察をはじめ関係者に感謝した。事件現場近くに住む男性(77)は「昨夜のニュースを見てほっとした。ずっと心配していた」と話した。
殺害された中村さんの自宅周辺には今も規制線が張られ、警察官が立つ。近くに住む女性(82)は「警察官がいる光景が日常になっていた。ざわつくこともあったが、守ってもらっている」と話していた。
金品強奪の有無 コメント避ける 上越署捜査本部
上越署捜査本部は11日夜の記者会見で、視野に入れていた強盗殺人を立件するのに必要な、金品の強奪の有無についてコメントを避けた。
殺害された中村さんは複数の無尽講(複数の人が金品を『講』に払い込み、競りや抽選で給付を受ける互助形態)に参加し、金銭トラブルに遭った可能性があることが、関係者の証言で分かっている。小倉容疑者と中村さんとのトラブルの有無について、大澤宜夫本部長(県警刑事部長)は「(小倉容疑者の)供述、記録などを精査していく」とした。