近年、人気が高まるハードロックフィッシュゲーム。幅広い釣種のロッドをラインナップするTENRYUにも専用モデルの『ロックアイヴォルテックス』があり、同シリーズが2023年秋にフルモデルチェンジ。最先端の根魚ゲームシーンをリードするべく生まれ変わったが、どのような進化を遂げたのか? 自ら開発にも携わるTENRYUのスポークスマン、舟木雄一さんに解説いただいた。
>>NEWロックアイヴォルテックスのスペックと価格
●文:ルアマガプラス編集部
天龍ロッド開発・広報担当
― 舟木 雄一(ふなき・ゆういち)
国内自社工場による高品質・高性能ロッドをリリースするメーカー、テンリュウで開発や広報を担当。テストやプロモーションで全国のフィールドを飛び回り、深山幽谷のトラウトから大海原のビッグゲームまでこなすマルチアングラーとしても活躍している。
8年ぶりのフルモデルチェンジ! 根魚ゲームに死角なしのラインナップ
ロックアイヴォルテックスはソイやアイナメ、ハタ類など大型の根魚をキャスティングゲームで狙うために開発されたロッドだ。今回のフルモデルチェンジで初代のロックアイから数えて4代目になる。その詳細を、天龍のロッド開発担当である舟木さんにうかがった。
舟木「前作が2015年のリリースで何機種か追加モデルも出しました。ただ、当時から現在に至るまでの間にハードロックフィッシュゲームも変わってきています」
ハードロックフィッシュゲームにどのような変化が?
舟木「岩礁帯や消波ブロック帯をよりタイトに狙いパワーファイトで挑むスタイルもあれば、より繊細に喰わせるフィネスな戦略も生まれています。トーナメントシーンに対応できるロッドの要望も多い」
舟木「現在のハードロックフィッシュゲームは細分化されて、ロッド選びも以前に比べてバスロッドの感覚に近くなってきています。限定的なシチュエーションや特殊なリグに対応する個性的な機種をラインナップするのも新しいロックアイヴォルテックスの大きな特徴です」
パワーが命の根魚ロッド。粘り強さと軽さを両立し、操作性と感度も大幅に向上
フィネスな戦略で喰わせても、かけた魚を障害物から一気に引き剥がす必要がある。根魚ロッドはパワーも必要だ。
舟木「新しいロックアイヴォルテックスはバットにC・N・T(カーボンナノチューブ)を採用しています。前作より軽量でありながらネバリ強さが向上しています」
根魚のトルクフルな引きに負けないパワーはしっかり担保されているということだ。しかも軽量化されているところがすごい。
舟木「ブランク自体も軽いし、スピニングモデルのバットガイドにチタンフレームを搭載したり、ブランクの大半が無塗装のアンサンド仕様など、細部まで軽量化を図りました。軽くすることで操作性と感度が大幅に向上しています」
舟木「操作性が上がれば喰わせやすくなるし、感度が良ければより遠くのバイトをアタリとしてとらえることができます。それをしっかりかけて強引に寄せるファイトをC・N・Tが入ったバットが担う。北海道や東北など地域によっては、いつ50cmオーバーの根魚が喰うかわからない。それがしっかり獲れるロッドに仕上げられています」
戦略や釣り場のシチュエーションに応じて高度な釣りが実現できる
NEWロックアイヴォルテックスはベイト3機種、スピニング4機種を用意。個性的なラインナップを具体的に紹介いただいた。
舟木「シリーズ全体では、スピニングモデルの方がより特化型というか、前作より大きく手を加えています。例えばロックアイヴォルテックス RV9112S-X、これは10ftに迫るレングスで100m先のピンスポットを狙うような超遠投モデルです。トーナメントではほかの人が届かないところを撃たないと勝てない。でもロッドは10ft未満というレギュレーションの大会もあるので9ft11inに収めました」
舟木「ロックアイヴォルテックス RV912S-MLMもロングロッドですけど、こちらはフィネス系です。PE0.4、0.6号といった細いラインが使えるので、軽いリグを遠投して喰いシブる魚を攻略するようなシチュエーションに最高のパフォーマンスを発揮します。どちらも、トーナメントという過酷な状況でもしっかり使えるスペックに仕上がっています」
超遠投や遠投フィネス系はトーナメントシーン以外でも当然武器になる。ではベイトモデルの特徴は?
舟木「フィネスとは真逆のパワー重視で仕上げられています。ロックエリア、消波ブロック帯、濃密な海藻帯で強引な釣りをしないといけないときに、長さ、硬さが使い分けできる3機種です」
この個性的なラインナップがNEWロックアイヴォルテックスの進化の証しだ。
― [NEWロックアイヴォルテックス7機種紹介]
ベイトモデル
スピニングモデル
― [NEWロックアイヴォルテックス スペック表]
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