自転車ヘルメット、神奈川で着用進まず 努力義務化で売れ行きは好調

ヘルメットは品薄状態が続いていると話す店主の馬場貴晴さん=横浜市南区

 自転車利用者のヘルメット着用は、まだあまり定着していない。神奈川県内で7月に実施された調査では着用率が8.4%にとどまった。2月の3.6%から上昇傾向を見せているが、県警はさらに着用を促すとしてキャンペーンを展開したり、販売店に協力を依頼したりして、利用者の意識向上を呼びかけている。

 県警によると、県内で発生した自転車に乗った人の交通事故における死傷者数は今年1月1日から10月19日までで4052人。そのうち死者は10人を数えた。

 死傷者のヘルメット着用率は14%で、世代別では小学生26%、中学生15%。高校生になると5%に下がり、65歳以上は9%だった。死亡した10人のうち、着用していたのは1人。9人は未着用で、7人が頭部に致命傷を負っていた。県警の担当者は「啓発はしているが、まだまだかぶっていない人が多い」と指摘する。

 一方、横浜市内の自転車店では春先からヘルメットの品薄状態が続いているという。1926年創業の馬場自転車店(同市南区)の店主馬場貴晴さん(49)は「4月に努力義務となったことから、幅広い世代のお客さんが買い求めてくれている」と実感を口にする。

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