奈良県内の茶生産者らでつくる「奈良手もみ茶振興会」(久保田清徳会長)は28日、奈良市月ケ瀬桃香野の茶畑や製茶工場で、機械を使わず、人の手でもんで乾燥させた「手もみ茶」を製造した。
普段、飲んでいる茶は機械で製造したものがほとんどだが、製茶の原点である手もみ製法の技術を継承していこうと同会が実施した。コロナ禍などで中止していたが6年ぶりに再開した。
この日は同会会員や日本茶インストラクターら約10人が参加し、茶の新芽を手摘みした。このあと製茶工場に移動し、収穫した新芽約3キロを蒸し、下からガスバーナーで加熱した「焙炉(ほいろ)」と呼ばれる台の上に乗せ、葉をもちあげて振り落とすなど段階ごとにもみ方を変え、5時間ほどかけて乾燥させた。今回、製造した手もみ茶は全国手もみ茶品評会に出品する。
久保田会長(50)は「手もみ製法はその人の感性や技術が出る。製茶の基本を学び、これからの新茶のシーズンを迎えたい」と意欲を話した。