大学や専門学校の入学金が足りない場合は、教育ローンを利用して資金を賄うことができます。
教育ローンの利用を考えている人の中には、「教育ローンの審査はどこまで調べる?」「審査ではどのような点をチェックされる?」「教育ローンはいつ申し込めばいい?」と疑問に思う人もいるでしょう。
教育ローンを利用するためには、審査に通らなければなりません。
この記事では、教育ローンの審査で重視される項目や、審査に通るためのポイントについて解説します。
この記事でわかること
- 教育ローンの審査基準
- 教育ローンに通りやすくするためのポイント
- 教育ローンに通らなかった場合の対処法
教育ローンの審査は合格前からできる?
教育ローンを利用するためには、申し込んでからまず仮審査に通る必要があります。仮審査に通ったら必要書類を提出したうえで本審査に移行し、本審査に通ったら契約という流れです。
仮審査の時点では複数の金融機関に申し込むこともできます。そのうえで、仮審査に通った中から本審査に申し込む金融機関を選びます。
本審査の結果が出るまでの期間は金融機関によって異なりますが、2~3週間程度と考えておきましょう。ただし、入学前など申し込みが多くなる時期は、審査にかかる時間も長くなるため、1ヵ月程度を要する可能性もあります。
審査に時間がかかって借入が間に合わず、入学金など必要な費用が支払えない事態を招かないように、費用が必要な時期から逆算して2ヵ月前には申し込んでおくと安心です。例えば3月中に入学金や前期の授業料を支払う必要があるなら、できれば1月の初めには申し込みを済ませておきましょう。
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教育ローンの審査基準
教育ローンには国の教育ローンと民間の教育ローンがあります。ここでは銀行や消費者金融など、民間の教育ローンについて紹介します。
民間の教育ローンで審査される項目は、以下の通りです。
- 属性
- 金融事故の履歴
- 他社の借入額
属性の審査
属性とは、年齢や年収などの情報のことで、申し込みの際に申告された内容をもとに審査されます。属性審査でチェックされる内容には、以下のものがあります。
- 年齢
- 職業
- 年収
- 勤務先情報
- 勤続年数
- 家族構成
- 持ち家の有無
- 現在の保有資産
中でも特に重要なのが、年収と勤続年数です。申し込み条件に明記している金融期間もあり、一般的には前年度の年収が200万円以上、勤続年数が1年以上としている金融機関が多く見られます。
金融事故の履歴
金融事故とは、過去の金銭の貸し借りにおいて契約通りに借入金を返済できず、債務不履行に陥った状態のことです。金融事故を起こした事実は、個人信用情報(=ブラックリスト)に登録され、ローンやクレジットカードなどの申し込みに大きく影響します。
信用履歴には厳しい審査が行われ、債務不履行などの記録があると審査が通らないことがあります。
金融事故の情報は信用情報機関(KSC、JICC、CIC)にて保管され、最短でも5年、最長で10年間履歴が残ります。教育ローンをはじめ、あらゆるローンを申し込む際には、必ず信用情報がチェックされます。
記録が残る期間は概ね5年、場合によっては10年です。
自分自身の信用情報は手数料を払って開示請求すれば閲覧できるため、金融事故の記録が残っていないか心配な場合は事前に確認しましょう。
なお、数日程度の遅延であっても記録に残ります。
このような短期遅延でも短期間(1年間など)に何度も繰り返していると、審査が通らないことがあるので、注意が必要です。
自分の信用情報は開示請求ができます。不安がある場合は、事前に確認するようにしましょう。
他社での借入額
審査では他社からの借入額もチェックされます。現在他社へ返済している場合、新しく教育ローンを借入することで返済額が多くなり、家計の負担にならないかを調べるためです。他社からの借入額を踏まえて審査を行う際には、「返済負担率」という指標を用いて判断します。
返済負担率とは、年収に占める年間のローン返済額合計の割合です。基準は金融機関によって異なりますが、30%を目安としているところが多いです。30%を超えると返済不能になる可能性が高くなるため、審査に通らない、もしくは希望する額までの借入ができないといったケースが予想されます。
無理なく返済するためにも、できれば返済負担率は25%以下を目安にしましょう。
教育ローンの審査に落ちないためのポイント
教育ローンの審査に落ちないためのポイントとしては、以下のものが挙げられます。
- 勤続年数は長いほど有利になる
- 他社で借入がある場合はできるだけ完済する
- 信用情報に傷がないか確認する
- 申告内容は正確に提出する
- 妥当な希望借入額で申し込む
勤続年数は長いほど有利になる
教育ローンの審査では、勤続年数が重要視されます。例えば、年収1000万円で勤続年数1年の人と、年収250万円で勤続年数10年の人なら、後者の方が審査に通りやすいといわれています。
一般的に、勤続年数の最低ラインは1年ですが、長ければ長いほど収入が安定しており、返済能力があるとみなされます。
年収を上げようと思って転職したとしても、勤続年数が短くなるため審査に不利に働きます。これから教育ローンを申し込もうと思っているなら、転職前に借入することをおすすめします。
他社で借入がある場合はできるだけ完済する
審査の際に他社からの借入があることがわかった場合、新たに借入して返済できるのかを金融機関は審査します。そのため、他社からの借入については、できるだけ完済しておくことをおすすめします。
全額完済することが難しい場合は、できるだけ残債を減らすことや、借入先が複数あるなら1社でも完済して借入先を減らすことを心がけましょう。
信用情報に傷がないか確認する
信用情報に傷がつくとは、信用情報機関に信用事故情報が登録されることを意味します。「ブラックリストに載る」と表現されることもあります。
前述の通り、金融機関はローンの申し込みがあった際には必ず信用情報機関に照会をかけます。信用事故情報が登録されていることがわかったら審査に通ることは難しくなります。信用事故情報は5年~7年登録されるので、その間は教育ローンの申し込みを控えるようにしましょう。
申告内容は正確に提出する
申告内容に誤りがあると、簡単な間違いでも修正作業が必要になり、その分審査に時間がかかります。また、審査に通るために虚偽の申告をしたことがわかった場合は、最悪の場合詐欺とみなされ刑事罰の対象にもなりかねません。
申告内容に間違いがないことを確認してから提出するようにしましょう。
妥当な希望借入額で申し込む
消費者金融から借りる場合は、他社からの借入も含んだ借入額の合計が年収の3分の1以下でなければなりません。銀行ではそのような規制はないものの、多重債務者の増加を抑える目的で、返済能力を超えた貸し付けは行わないようにしています。
教育ローンの審査に通りやすくするためには、年収の3分の1の額よりも少なくなるような金額を設定し、申し込むことをおすすめします。
教育ローンの審査の基本的な流れ
教育ローンの申し込みから審査までの流れは、以下の通りです。
- 申し込み
- 仮審査
- 本審査(仮審査に通過した場合)
- 契約
本審査通過後、契約手続きが完了したら借入金額が振り込まれます。教育ローンによっては、進学する学校に直接振り込むケースもあるので、事前に流れを確認しておきましょう。
必要な書類一式
審査には以下の書類が必要です。
- 申込先の金融機関指定の借入申込書
- 本人確認書類(運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど)
- 収入証明書類(確定申告書の控え、源泉徴収票、納税証明書など)
- 借入金額を振り込んでもらう口座の内容がわかるもの(通帳、印鑑など)
また、借入内容によっては、追加で以下の資料を求められる可能性があります。
- 合格を確認できる書類(合格通知書、入学金や学費の納付書など)
- 在学していることを確認できる書類(学生証、学費の納付書など)
- 自宅外通学の場合はそれを証明できる書類(不動産賃貸契約書、子どもの住民票の写しなど)
審査にかかる期間はどれくらい?
審査にかかる期間は、仮審査と本審査で異なります。
仮審査の場合は、申し込みから3日~1週間程度で審査結果がわかります。本審査は仮審査よりも長く、1~2週間程度かかると考えておきましょう。
また、提出した書類に不備があった場合は提出し直す必要があり、余計に時間がかかってしまうことも考えられます。そのため、必要書類には不備がないことを事前に確認したうえで提出するようにしましょう。
さらに、進学先が決まり始める10~3月の時期は申し込みが多く、その分審査に時間がかかることが予想されるので、余裕を持って申し込むことを心がけましょう。
教育ローン選びで迷ったらクラウドローン
クラウドローンとは、複数の金融機関からプランの提案を受けることができるサービスです。基本情報や希望条件を登録することで、条件に合った提案を受け取れます。
クラウドローンを利用することで、比較検討の時間を大幅に削減でき、自分に合ったローンを利用できる可能性が高くなります。教育ローン選びで迷ったら、クラウドローンで借入可能額を無料診断するのがおすすめです。
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教育ローンの審査に落ちた場合の対策
教育ローンの審査に通らなかった場合は、別の手段で資金を調達しなければなりません。具体的な手段としては、以下が挙げられます。
- 奨学金
- 入学金・授業料免除制度
- 社会福祉協議会の教育支援金
- 親(祖父母)からの援助
奨学金
民間の教育ローンを利用できなかった場合、奨学金の利用を検討することも1つの対処法です。
日本学生支援機構(JASSO)の奨学金には、返済不要の給付型奨学金、無利子で借入られる第一種奨学金、有利子で借りられる第二種奨学金があります。申し込み基準は給付型奨学金が一番厳しく、第一種奨学金そして第二種奨学金になるにつれ緩やかになっていきます。
ただし、奨学金は教育ローンと異なり、学生本人が借入し、卒業後に学生本人が返済しなければなりません。また、給付や貸与が始まるのが入学してからになるため、入学前に必な費用には利用できない点に注意しておきましょう。
入学金・授業料免除制度
文部科学省が実施する「高等教育の修学支援新制度」を利用することで、入学金や授業料の免除が受けられます。
要件を満たせば、私立大学で入学金が約26万円まで、授業料が約70万円(年間)まで免除されます。国立大学の場合の免除額は、入学金が約28万円、授業料が年間約54万円までです。
世帯収入によって支援金額が異なります。また、進学先の学校によっては成績優秀者などに向けた入学金および授業料免除の制度を用意していることがあるので、事前に確認しましょう。
社会福祉協議会の教育支援金
社会福祉協議会では、低所得世帯に向けた教育支援金を用意しています。大学に進学する際には、月6万5000円まで無利子で借りられます。
また、入学に必要な費用として別途50万円以内まで無利子で借りられるため、低所得世帯に該当する場合は利用してみましょう。
受付は、自治体の社会福祉協議会で行っており、民生委員が相談や支援を行ってくれます。借入する際の連帯保証人は原則不要ですが、世帯内で連帯借受人を用意する必要がある点に注意しておきましょう。
親(祖父母)からの援助
通常、親や祖父母からお金を受け取った場合、基礎控除額である110万円を超えた金額については贈与税の対象になります。しかし、教育資金の一括贈与の特例を利用することにより、合計1500万円までを非課税で受け取れます。
この制度は、2026年3月31日までの限定特例で、利用するためには資金を受け取る人が30歳未満であることや、金融機関に対して「教育資金非課税申告書」の提出が必要です。
また、専用の口座を開設しなければならない点や、領収書などの提出が必要なことにも注意してください。
まとめ
教育ローンの審査では、借りる人の属性や信用情報、他社からの借入を重視されます。また、勤続年数なども審査されるので、申し込み直前の転職は避けるようにしましょう。
時期によっては審査に時間がかかることも予想されるので、余裕を持って早めに申し込むようにしてください。
教育ローンの書類や審査の内容、さらに審査に通らなかった場合の対策については、以下の記事でも詳しく紹介しているので参考にしてください。
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