中国海洋産業の総生産、1~3月は2兆4千億元 5.7%増

中国海洋産業の総生産、1~3月は2兆4千億元 5・7%増

中国最大の海上石油・天然ガス田、渤海油田。(資料写真、天津=新華社配信)

 【新華社北京5月27日】中国自然資源部がこのほど発表した2024年第1四半期(1~3月)の海洋産業の総生産額(暫定値)は、前年同期比5.7%増の2兆4千億元(1元=約22円)だった。伸び率は同期の国内総生産(GDP)を0.4ポイント上回った。

 海洋新興産業の発展が全体的に上向いた。海水淡水化事業は着実に進み、山東省浜州市無棣(むてい)では1日当たり生産量が5万トンのプロジェクトが、浙江省舟山市六横では500トンのプロジェクトがそれぞれ稼働した。洋上風力発電事業も勢いづき、着工規模が約1300万キロワットとなり、発電量は34.0%増加した。海洋生物由来の医薬品の研究開発は進展し、山東省青島を中心に進む海洋医薬品の開発プログラム「藍色薬庫」では、B型肝炎ウィルス治療新薬「LY102」が臨床試験の実施許可を得た。

 既存の海洋産業が着実に発展した。海洋石油・天然ガスの生産量は5.5%、10.0%それぞれ増加。海面養殖業生産量は5%以上伸びた。大型スマート深海・遠海養殖用ケージ「深藍2号」も完成した。世界新造船市場は引き続き堅調で、新造船受注量は20%以上伸びた。貨物輸送トンキロは8.9%、海上輸送量は7.7%それぞれ増加し、海上観光業も急速に回復、旅客輸送量は19年同期の2.1倍に拡大した。

 海洋関連企業の経営改善が進んだ。アンケート調査の結果、増収した企業は6割に迫り、雇用を増やしたか維持した企業は8割を超えた。8割近い企業が第2四半期(4~6月)は増収すると予想。企業のイノベーションも進展し、1~3月に研究開発費と研究開発者数が増えた企業は7割を上回った。3社は新規株式公開(IPO)で28億元を調達し、IPOによる資金調達額全体の12.0%を占め、前年末より2.4ポイント高まった。

 貿易は安定的に回復した。外需の持ち直しと前年同期の実績が低かった影響を受け、沿岸部港湾のコンテナ取扱量は10%超増となり、海運による輸出額は2.4%増加した。船舶、風力発電ユニット・同部品など海洋関連製品の輸出は好調で、輸出額は2.1倍、20.1%増となった。

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