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住宅を購入する際、多くの人が住宅ローンを利用しますが、その銀行審査で重要とされるのが年収。一般的に高収入であるほど審査に通りやすく、また融資額も多くなります。しかし不動産業界のトップセールスマンだった齊藤郁織氏は、高収入であっても銀行審査に落ちる人を何度も見たといいます。なぜ高収入でも銀行は「貸したがらない」のか。みていきましょう。
近いうちに高額な住宅ローンを組む人は「不動産投資」に向かない
周りの人がやっているから、広告をよく見るから、営業マンがおすすめしてくれたから……「なんとなく不動産投資しよう」と始めると失敗します。不動産投資を始めたい人は、そもそも向いているのか、一度考えてみてもいいかもしれません。なかなか不動産の営業マンが教えてくれない「不動産投資に向かないと思われる人」に関して解説していきます。
著者は営業マン時代、とある上場企業に勤務する31歳のサラリーマンに出会いました。年収は1,200万円を超えるという、誰もが認めるエリート。年齢的にはそろそろマイホーム購入を検討するタイミングでしたが、そんな彼が思わぬ事態に直面します。住宅ローン審査に落ちたのです。いわゆる『ハイスペ』と言われる人たちが、まさかの住宅ローン審査落ちをするという事象。実はこれ、ザラにあることなのです。
実は彼は、マイホーム購入を検討する前に不動産投資を始めていました。不動産投資のためにローンを組むと、どれだけ当人の属性が良くても、住宅ローン審査で銀行から落とされる可能性があります。
もちろんローンを組んだ分、同額の資産を保有しているので資産の状況が大きく変わっている訳ではないのですが、銀行からは保守的に資産状況を評価した結果、厳しい見方になる場合があります。組む予定の住宅ローン金額や金融機関との話し合い次第でふつうに住宅ローンを組める場合も十分あるのですが、「そういうリスクもある」ということは認識しておくとよいでしょう。
すぐに現金化したいタイミングが来る人も「不動産投資」に向かない
不動産投資に向かない人は他にもいます。
不動産の弱点は、株などと違って売りたいと思っても必ずしもすぐに売れない(=流動性が低い)点です。たとえば近いうちにお子さんの教育資金が必要だと分かっている方で、株式や投資信託で資金を運用している方は、それらを売ってしまえば簡単に現金化できます。
一方で不動産は売ろうと思ってからすぐには買い手が現れない状況もあり得るため、現金化までに時間がかかるのです。特に物件を買って間もない方は、まだローンの残高が物件の売却価格より高く、売るに売れない状況になる可能性があります。
区分マンションは長く保有することでより資金を多く回収できますが、逆に短期間で十分な資金を回収する目的には向かないというところも認識しておくべきポイントです。
不動産投資に向いているタイプ、3つ
では逆に、不動産投資に向いている人はどんな人についても解説していきます。
ローンを活かして時間を味方にできる人
不動産投資は株式のようにすぐ換金ができません。何よりの強みは、「レバレッジ効果」にあります。これは、自分の資本ではなく「ローン」を活用することで、時間経過により大きいリターンが得られるということです。フルローンでマンションを買った場合、諸費用はほぼかかりません。
もし良い立地で物件を買っていれば、数年後売る際に数百万円~数千万円ほどのリターンを得る可能性があります (ただし立地は吟味してください)。仮に売却しなくてもローン完済後は家賃収入がほぼまるまる手元に残りますので、これも多くのリターンが得られます。特に、サラリーマンの方は銀行からの信頼が厚く、より低い金利でローンを借りられる可能性がありますので、フルにメリットを得れます。
生命保険に加入している/しようと考えている方
不動産投資でローンを組むと、「団体信用生命保険(=団信)」に加入することになります。これは、契約者が死亡したり大きな障害を抱えたりした際に、ローンが清算されて返済する必要がなくなる優れものです。
そのため、ご家族にはローンのない不動産とその家賃収入を残すことできます。つまり、不動産投資には生命保険の効果もあるのです。
相続税対策をしたい方
相続を現金でする場合、現金の全額に対して相続税が発生します。一方で、不動産の場合は現金より大幅に低い金額で評価されるので、現金を不動産に変えることで相続税を減らすことができます。
資金を多く持ち、相続対策を検討している方は、不動産投資を選択肢に入れると良いかもしれません。
Propally株式会社 代表取締役