祖父の水田引き継ぎ米作り 釜石で東京の大井祥紀さん

苗の状況を確認しながら「祖父の田んぼを守りつつ、交流の場としたい」と話す大井祥紀さん

 祖父の水田を守りたい―。東京都江東区の自営業大井祥紀(よしき)さん(29)は、昨年10月に亡くなった祖父藤井保則さんの水田(岩手県釜石市甲子(かっし)町)を引き継ぎ、米作りに挑戦している。今春は仲間を募って田植えイベントを開催。大切な水田での稲作を通じ、地方と首都圏の住民の交流促進を図る。今夏をめどに市内に宿泊可能なシェアハウス兼ゲストハウスを設け、農業体験希望者の受け入れにも取り組む。

 昨年9月に祖父の容体が悪化し、大井さんはすぐに病院に駆け付けた。涙ながらに何かを訴えようとしている手を握り、祖父に自身の決意を伝えた。「田んぼは俺が守るから」

 農業の経験はなかったが、以前から1次産業に興味があった。知人や友人からも協力が得られることになり、挑戦を決意した。

 水田管理や体験、交流希望者を募集中。問い合わせは大井さん(080.4155.8001)へ。

© 株式会社岩手日報社