「チッ!」電車内でぐずった息子に舌打ちする男性 初めてのことに困惑する父親に、周りにいた女性からの言葉で心境に変化が

子育ては、誰でも最初は未経験でわからないことが多いものです。経験を積んでこそできるようになることはたくさんありますよね。

今回は、お父さんが初めて子どもと2人で電車に乗ったときのエピソードを紹介します。

イラスト:23ca

初めて子どもと2人きりで乗る電車

タツヤ(仮名)さんが4歳の息子のコウタ(仮名)くんと初めて2人きりで電車に乗ったときのことです。

そのとき奥さんが妊娠中だったため、ゆっくり休んでもらおうと思ったタツヤさんは、初めてコウタくんと2人きりで出かけることに。電車に興味をもっていたコウタくんのために、電車に乗って動物園に行く計画を立てました。
駅までは歩いて15分ほど。コウタくんは電車と動物園でテンションが上がっています。動物園へは急行列車で30分くらいだったので、ちょうどよい行程だと思っていました。

しかし、電車に乗って10分くらい経つと、急に眠気がきたコウタくんはぐずり始めてしまいました。抱っこしてあやしてみたものの「ママがいい。ママがいい」と泣き始めてしまったコウタくん。

すると、隣に座って寝ていた男性が目を覚ましてしまい、大きな舌打ちをされてしまいました。タツヤさんは「すいません」と言い、コウタくんを抱っこして席を立つことに。
急行だったためにすぐに降車できず、コウタくんと荷物を抱えて車内をウロウロしなければなりませんでした。最後尾の車両へ移動しても、コウタくんは泣き止みません。その度にタツヤさんは何度も「すいません」と謝り続けました。

すると、そこへ50代くらいの夫婦の奥さんが「お父さん、子どもは泣くのも仕事だからそんなに謝らなくてもいいのよ」と笑って話しかけてくれました。周りにいたほかの女性も「そうよ」「大丈夫よ」と続けて言ってくれ、皆に話しかけられたからか、コウタくんもキョトンとした顔をして泣き止んだのでした。

『お父さんが初めて子どもと2人で電車に乗ったとき②』イラスト:23ca

経験することが大事

このときの出来事について、タツヤさんに話を聞きました。

ー助けてもらったとき、相手に対してどう思いましたか?また、なんと伝えましたか?
話しかけられたときは私もすごく動揺していたので、笑顔で話しかけられてとても嬉しく、落ち着いた記憶があります。早く駅に着いてほしくて、ウロウロしていた私の動揺が息子にも伝わって余計に泣いていたのかもしれません。その夫婦には「ご迷惑をかけてしまいすいません」と伝えました。あのような状況を経験するのは初めてだったので、育児というのは大変だなぁと感じさせられる出来事でした。奥様は、未熟な私を思って優しく話しかけてくれたのだと思います。

ー相手の方とはその後何か会話をしましたか?その際、どのような会話をしたのか教えてください。
駅に着くまで時間があったので、子どもも泣き止み、そのご夫婦と会話をしました。その奥様に動物園に行く経緯を話すと「あなたは偉いわよ。これからはあなたみたいな人が増えれば奥さんもきっと助かるから頑張ってね。今一緒に頑張れば将来絶対良い家族になれると思うよ」と言われました。

ー今回のような状況において、子育てならではの大変さを感じることを教えてください。
このような経験をすることにより、対処法を学んでいくと思います。ぐずり出したらおもちゃを出す、絵本を渡す、動画を見せるなど子どもの機嫌をよくする方法はいくつもあります。また、電車に乗るときは人の多い時間を避けるといったこともできるでしょう。何かが起きても大丈夫なように対処法を身につけ、周りにできるだけ迷惑をかけないように行動したいと思いました。子どもが泣く理由は色々あるので、対応もワンパターンにならないように、奥さんに相談することも重要だと思います。

ーこの体験を通して、何か意識していることや気持ちの変化などはありましたか?
奥さんがいなくても行動できるように、積極的に幼稚園の送り迎えや子どもを連れてスーパーに行くようになりました。子どもとコミュニケーションをとり、信頼関係を築けるように意識して行動するようになりました。

ーこの経験を誰かに話したことはありますか?
奥さんや友人、会社の同僚、自分の母や義母と色々な人に話しました。具体的なアドバイスをくれる人や笑う人などさまざまな反応がありました。

ー子どもと一緒にいて困ったとき、周りにどういった対応をしてもらえると嬉しいと思いますか?
緊急の場合以外はすぐには助けを出さず、自分で解決できるよう見守りをしてもらい、あとでアドバイスなどもらえたら嬉しいです。

ーこの経験を通して、同じような状況で悩む方にどのようなことを伝えたいですか?
経験を積んでいくことが必要だと感じます。友人に話したとき「俺はどうしたらいいかわからないから、もうちょっと大きくならないと子どもだけと一緒には出かけないよ」と言われました。たしかにあの経験は大変でしたが、そこで行くのをやめてしまうと奥さんに負担が増えたり、子どもとの信頼関係の構築や楽しい経験ができなくなってしまったりする可能性があるので、周りの人に相談するなどして経験を積んでいくことが大事だと思いました。

たしかにやってみないとわからないことは多いですよね。そこを大変だから避けるのではなく、やってみることで学んでいくという姿勢は素晴らしいですね。

※こちらは実際にユーザーから募集したエピソードをもとに記事化しています。

ほ・とせなNEWS編集部

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