朝比奈切通し&ハイキングコース|先人の息吹を感じる鎌倉の主要道

鎌倉と六浦(横浜市金沢区)をむすぶ「朝比奈切通し」。

鎌倉幕府によって建設され、物資の集散地、また、交通や戦略の拠点という役割を担ってきました。

朝比奈ハイキングコースは十二所神社から始まり熊野神社、三郎の滝、太刀洗水など、周辺道路の開発後も閉鎖されなかったことなどから、雄大な自然やかつての歴史や趣を感じられる貴重な場所です。

そんな過去の人々の息吹を感じられる「朝比奈切通し」ハイキングコースをご紹介します!

切通しとは

切通しとは山や丘などを切り開いて作る道のことで、三方を山に囲まれた鎌倉には「鎌倉七切通し(鎌倉七口)」と呼ばれる切通しがあります。

朝比奈切通しもその一つ。現在は国の指定史跡として親しまれています。

朝比奈切通ハイキングコースを解説!

約2㎞、所要時間1時間ほどのコンパクトなコース

「朝比奈バス停」-登山口「朝比奈峠」-朝比奈切通し-「十二所神社バス停」

コースの拠点となる朝比奈バス停から、十二所神社バス停まで約2㎞。

途中、熊野神社や三郎の滝などをポイントに、およそ1時間ほどで歩けるコースとなっています。

JR鎌倉駅か京浜急行金沢八景駅から、バスでアクセスできます

朝比奈ハイキングコースへは、JR鎌倉駅と京浜急行の金沢八景駅を結ぶ京浜急行バスを利用します。

鎌倉駅から約15~20分で、「朝比奈バス停」もしくは「十二所神社バス停」がハイキングコース最寄りのバス停です。

京浜急行金沢八景駅からは、神奈川中央交通バスで金沢八景行きで約11分で到着します。

所要時間は約1時間。自然と歴史を楽しむ気軽なハイキング

所要時間も約1時間と気軽に挑戦できるコースです。ほとんどがゆるやかな坂道で、途中、水が染み出す場所も。

自然が作る道々を楽しむのも醍醐味の一つですが、滑りやすくなっているので歩きやすい靴がおすすめです。

ランチ・朝ごはん情報

ハイキングコースのスタート地点となるバス停では、軽食や飲み物の調達が難しいです。

JR鎌倉駅で食事や買い物を済ませておくと安心ですよ♪

見どころをご紹介!朝比奈切通しハイキングコースをレポート

JR鎌倉駅からスタート地点「朝比奈バス停」へ

JR鎌倉駅から出発しましょう!トイレや、軽食の買い物など準備を整えてから、金沢八景駅行のバスに乗車。「朝比奈バス停」に向かいます。

約20分ほどでバス停に到着です。下車したら、来た道を少し戻り、横断歩道を渡ります。

渡ったら看板があるので、表示に従って左手の路地に向かって進んでいきます。

shin車通りの多い道なので、気を付けて渡りましょう!

鉄工所や建設会社が並ぶ路地を、まっすぐ進んでいきます。

登山口「朝比奈峠」まで迫力の切通しを進む

朝比奈切通しへの道が見えてきました。

石像に見守られながら、切通しハイキングコースを進みます。

横浜横須賀道路の高架橋が見えてきました。

朝比奈切通しに到着

横浜市側の小切通です。高さは約16m。

鎌倉幕府の歴史書『吾妻鏡』によると、仁治2年(1241年)に開削工事が始まり、時の執権・北条泰時が自ら足を運び工事を指揮したとも伝わります。

当時の六浦には天然の良港があり、切通しの開通によって幕府は鎌倉の外港として利用することができました。

その後も、朝比奈切通しは、昭和31年(1956年)に迂回する金沢鎌倉線が開通するまで県道として重要な交通路でした。迂回路開発後も破壊まで至らなかったため、当時の姿をとどめている貴重な場所といえます。

すぐ近くに大きな道路があり、車行き交う現代の雰囲気を感じながらも、静寂に包まれた朝比奈切通しを進んでいきます。

中世の納骨施設であるやぐらも多く残っています。

登山口・朝比奈峠です。Y字の分岐を右に進めば、ハイキングコースの「かまくら道」。左に進むと、鎌倉の守護神とされる「熊野神社」があります。

少し寄り道して、熊野神社へ

本来のハイキングコースから少し外れて、「熊野神社」に向かってみましょう。

鎌倉の鬼門に当たる場所で、北東に位置しています。当時は、鬼の出入りする忌むべき方角とされていました。

源頼朝は、この場所に熊野三山大明神を勧請(かんじょう)し、北条泰時が社殿を建立したと伝えられています。

森の奥深く、木々に囲まれた熊野神社はとても厳かで、体も心も浄化できるような場所でした。

水が染み出す美しい道を進む

熊野神社から先ほどの分岐点・朝比奈峠まで戻り、先へ進みます。

切通しの壁に囲まれる迫力のある道を進みます。

大切通に到着

鎌倉市との境にある大切通(高さ約18m)では、難工事となった切通しの開通を遂げた当時の人々に思いを馳せます。

岩壁の仏像や供養塔なども所々に残っていて、この道を利用した人々の思いや暮らしに触れることができますね。

太刀洗川

少しずつゆるやかな下り坂になります。この辺りは太刀洗川の源流になっているため、道々に水が流れ出ていてとても神秘的です。

太刀洗川は梶原景時が御家人の上総広常を誅殺し、その帰りにこの水で太刀に付いた血糊を洗ったと伝説が残る川です。

shin滑りやすくなっているので、ゆっくり下っていきましょう

前半の風景とは異なり、道や岩壁から水が染み出し、静かな空間に響くせせらぎや水滴が落ちる音が心地いい空間です。

水の筋が少しずつ大きくなっていきます。

三郎の滝

「三郎の滝」に到着です。鎌倉時代の御家人・朝比奈三郎義秀にちなんだ名です。

shin視界が開けて、陽の光を浴びれば、タイムスリップから戻ってきたような気分です!

ハイキングコースはここまで。帰り道に向けて十二所神社バス停に向かいます。

十二所神社バス停を目指して帰路に

足元は砂利道になり、少しずつアスファルトの舗装された道へ。

太刀洗川沿いを進みます。

十二所神社のほうへ、看板に従って進みます。

車の走る音が近づいてきます。県道・金沢鎌倉線に出れば、十二所神社バス停は目の前です。鎌倉駅まで約15分です。

まとめ

車通りの多い道からすぐのハイキングコースですが、進み始めると静寂に包まれ、せり立つ岩壁や、川のせせらぎ、染み出す水音など、豊かな自然を味わえます。

かつて政治や交通のために切り開いた道「朝比奈切通し」。時代を超えて人々を引きつける魅力満載のハイキングコースです。

気軽な散歩コースとしてもおすすめです。ぜひ出かけてみてくださいね。

https://kamakura-life.net/gionn/

https://kamakura-life.net/hiking/

© Life Pleasure