![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1169810990445691352/origin_1.jpg)
結婚と同時にスタートする、義親との関係。本物の親子のような関係を築ける場合もあれば、どんなに時がたってもぎこちなさが残る場合も。ときには、いがみ合う関係になることも珍しくはありません。そんな関係にあるとき、配偶者が亡くなったらどうなるのでしょうか。みていきましょう。
ひとり息子を激愛する義母にキレる寸前
親子でさえ良好な関係を続けるには、色々と気遣いや苦労があるものですが、それが義親であればなおさらのこと。その関係に悩んだり、時に傷ついたりすることもしばしば。
ARINA株式会社/「おうち教材の森」がアンケート調査で『義親に言われて1番傷ついた一言は?』と尋ねたところ、トップは「息子/娘がかわいそう」で19.3%。「給料が少ない」「常識がない」「結婚相手を間違えた」と続きます。どれも想像するだけで胃が痛くなりそうです。
このような関係は、離婚の動機になることも。同社が行った別のアンケート調査で「離婚したいと思う1番の理由は?」と尋ねたところ、トップは「性格の不一致」で27%。「金銭問題」「異性関係」などと続き、「義実家とのあつれき」は6.5%。数としては少ないですが、「もう耐えられない!」と離婚を意識することは珍しいことではないようです。
義母との関係をたびたび投稿していた40代女性もそのひとり。事あるごとに嫌味をいう70代の義母に、はらわたが煮えくり返る思いをすることはしばしば。
――可哀そうに、OOちゃん(=女性の娘)はあなた似なのね
と言われたときは、キレる寸前だったといいます。義父は夫が子供のころに亡くなったこともあり、義母がひとり息子である夫を激愛するのは当然といえば当然。だからといって、嫁である女性にきつく当たるのは別次元の問題です。
そんなとき、同い年の夫が脳卒中で急逝。突然のことに呆然とするなか、義母はまさに半狂乱。そして悲しみは女性への怒りへと変わったのか「息子が死んだのはお前のせいだ」と言い出す始末。夫を突然亡くした悲しみはすっと消え、「できるだけ義母から離れよう」と、息子と共に海外留学を決意したといいます。
もちろん、義母は女性の決断に猛反対。「息子が亡くなったばかりなのに、何を考えているのか」「嫁としての自覚はないのか」などと罵声を浴びせます。しかし女性は冷静に「あなたとは、もう他人なので」とひと言を残して、日本を後にしたといいます。
ひとり日本に残された義母。「もう他人……」。嫁(女性)が言った言葉の意味とは……。
義母との姻族関係を終わらせる「姻族関係終了届出」
女性は「姻族関係終了届出」を提出してから海外へ旅立っていました。
そもそも女性と義母は、姻族の関係にあります。これは配偶者の両親や配偶者の兄弟姉妹などの親族のことで、配偶者の生前に離婚したら、姻族関係は終了します。一方で、配偶者と離婚せずに配偶者が死亡した場合は、姻族関係は継続となります。
姻族関係のある女性と義母。たとえば義母に介護が必要になったとき、女性は義母を扶養する義務が生じます。きっと「介護をするなんて、もってのほか」と思うでしょう。
そこで「姻族関係終了届出」をもって姻族関係終了の意思を市区町村の窓口に示せば、義母との姻族関係は終了。扶養義務も消滅します。
また姻族関係が終了しても死亡配偶者との婚姻関係がなくなることはなく、遺族年金の受給権に影響はなし。また相続においても、配偶者は相続人のままです。これらは子どもにおいても同様で、仮に義母が亡くなった場合、相続人になるはずだった夫(息子)はすでに他界しているので、代わってその子ども(孫)が相続人になります。
姻族関係終了届を提出しても、役所から親族に通知がいくことはありません。戸籍謄本の身分事項欄に「姻族関係終了」と記載されるため、義母がその戸籍を取得したら、「もう他人……」の女性の言葉に隠された衝撃的な事実を知ることになります。
[参考資料]
ARINA株式会社/「おうち教材の森」アンケート調査『義親に言われて1番傷ついた一言は?』