中国浙江省でパリ五輪関連商品の輸出大詰め

中国浙江省でパリ五輪関連商品の輸出大詰め

義烏国際商貿城に展示された、フランスを象徴する「ガリアのおんどり」のグッズのサンプル。(杭州=新華社配信)

 【新華社杭州6月7日】フランス・パリで行われる夏季五輪大会の開幕が近づく中、中国浙江省ではスポーツウエアや応援用品など五輪関連商品の輸出が大詰めを迎えている。

 省北部・桐郷市の家庭用繊維品メーカー、瑞麗家紡(嘉興)からはこのほど、リラックスソファ3千個がパリ五輪選手村に到着し、大会組織委員会に引き渡された。詰め物の素材にはリサイクル可能なスポンジの端材を採用し、布地には特殊加工を施した。一定の防水機能と世界最高クラスの難燃性を持たせ、水にも火にも強い製品を実現しているという。

中国浙江省でパリ五輪関連商品の輸出大詰め

義烏国際商貿城の輸出業者、過恵萍(か・けいへい)さんが扱う応援用の光るスティック。大会関連商品の中で特に人気があるという。(杭州=新華社配信)

 同市に隣接する海寧市の繊維品メーカー、浙江得偉科技は2008年以降、北京夏季五輪、北京冬季五輪、杭州アジア大会などの大型国際スポーツ大会向けに衣料用生地を提供してきた。機能性生地の研究開発を手がけ、今回のパリ五輪では国内外の著名スポーツブランドと提携し、吸湿速乾や蓄熱保温などの機能を持ち環境にも優しい生地を一部の国の選手向けに開発した。「わが社の50%以上の製品はリサイクル可能な紡績糸で布地を作っている」と同社の担当者は指摘する。

 「世界のスーパーマーケットの町」と呼ばれる省中部の義烏市でも、業者らがパリ五輪の注文への対応に追われている。多くの外国人が買い付けに訪れる卸売市場の義烏国際商貿城でスポーツ大会関連製品を扱う輸出業者の過恵萍(か・けいへい)さんは、店にやって来る新旧の顧客がこのところ増えていると感じている。

 特に人気を集めているのが応援スティックだ。過さんは青、白、赤の3色に光るスティックを手に「フランスからの受注が多い。フランス国旗の色に合わせて生産できる」と語る。数日前には顧客1人で100箱の注文があった。10時間連続で使用でき、スポーツ観戦のニーズを十分に満たせると太鼓判を押す。

中国浙江省でパリ五輪関連商品の輸出大詰め

海寧市の繊維品メーカー、浙江得偉科技が生産するスポーツウエアのサンプル。(杭州=新華社配信)

 義烏国際商貿城ではこのほか、エッフェル塔やガリアのおんどりなどフランスに関連する商品がそろっている。パリ五輪をきっかけとしたニーズの増大を見越し、メーカーや業者がしっかりと下準備をしてきたことがはっきり見て取れる。

 「私たちがデザインしたこの帽子はガリアのおんどりがモチーフで、伝統的なフランス国旗の色を配した。ほかにも国旗スカーフ、ユニフォーム、ウィッグなどの大会関連商品もある」と同市場で事業を営む周婷婷(しゅう・ていてい)さんは語る。フランス向け輸出の注文量は現在、昨年同期の1.5倍以上に増えているという。(記者/夏亮)

中国浙江省でパリ五輪関連商品の輸出大詰め

浙江省桐郷市の家庭用繊維品メーカー、瑞麗家紡(嘉興)が生産するリラックスソファ。(杭州=新華社配信)

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