無形文化遺産に新たな活力 中国内モンゴル自治区

無形文化遺産に新たな活力 中国内モンゴル自治区

内モンゴル自治区ヒンガン盟ホルチン右翼中旗にあるモンゴル族刺繍の作業場で刺繍スタッフを指導する白晶瑩さん(前左から2人目)。モンゴル族刺繍は国家級無形文化遺産に登録されている。(2021年3月3日撮影、フフホト=新華社配信/白俊華)

 【新華社フフホト6月10日】中国内モンゴル自治区ではここ数年、伝統的無形文化遺産が「無形文化遺産+(プラス)」という方法を通じて多くの家庭に浸透し、保護を受けながら伝承され、伝承される中で発展している。

無形文化遺産に新たな活力 中国内モンゴル自治区

内モンゴル自治区ヒンガン盟ホルチン右翼中旗の農牧民が刺繍した蝶。モンゴル族刺繍は国家級無形文化遺産に登録されている。(2019年9月18日撮影、フフホト=新華社記者/王靖)

 モンゴル族刺繍(ししゅう)はモンゴル族の長い生産生活の中で形成されてきた手工芸の一種で、国家級無形文化遺産に指定されている。同自治区ヒンガン盟ホルチン右翼中旗に住む白晶瑩(はく・しょうえい)さんは、子どもの頃からモンゴル族刺繍を学び、2016年に地方政府の支援を受け、研修や材料の配布、製品の集荷、販売を統一的に行う方式で、農村の女性たちを導いて起業した。白さんはこの3年間で、3千世帯に及ぶ刺繍工の柔軟な就業を実現させ、1人当たりの純収入は2千元(1元=約22円)以上となり、10万元を超える世帯も登場した。

無形文化遺産に新たな活力 中国内モンゴル自治区

内モンゴル自治区の無形文化遺産リストに登録された豊鎮市の「豊鎮月餅」を製造する様子。(フフホト=新華社配信)

 同自治区フフホト市の幹線道路沿いにある「海鵬月餅店」には、ひっきりなしに客が訪れる。店の主力商品「豊鎮月餅」は、豊鎮市(ウランチャブ市管轄下の県級市)発祥の月餅で、09年に内モンゴル自治区の無形文化遺産リストに登録された。同市は14年に豊鎮食品産業園を建設し、20社以上の月餅生産・関連企業を誘致。産業の集積により「豊鎮月餅」の生産額は5倍に増え、年間5億6千万元に達した。同市はさらに、「月餅美食文化節」などのイベントを通じて、ブランドプロモーションを強化し、国内外で市場を開拓している。

無形文化遺産に新たな活力 中国内モンゴル自治区

内モンゴル自治区の無形文化遺産リストに登録された豊鎮市の「豊鎮月餅」を製造する様子。(フフホト=新華社配信/張弘進)

 無形文化遺産と文化観光は現在、密接に結び付き、同自治区の文化観光事業に勢いをもたらしている。フフホト市は、より多くの人々に無形文化遺産の魅力を感じてもらうため、同自治区の無形文化遺産「トクト面塑(しん粉細工)」事業を市内にある黄河麦野谷生態レジャー観光区で展開してきた。

無形文化遺産に新たな活力 中国内モンゴル自治区

内モンゴル自治区の無形文化遺産でフフホト市に伝わる「トクト面塑(しん粉細工)」を製造する様子。(フフホト=新華社配信)

 同観光区運営管理部の王娜(おう・な)マネジャーは「面塑を研究学習と体験に取り入れ、子どもや親たちから喜ばれている。ツアー内容を豊かにするだけでなく、文化体験も増え、無形文化遺産を鑑賞、体験して、無形文化遺産を愛し、保護と継承のために、より大きな場を提供している」と語った。

無形文化遺産に新たな活力 中国内モンゴル自治区

内モンゴル自治区の無形文化遺産でフフホト市に伝わる「トクト面塑(しん粉細工)」。(フフホト=新華社配信)

 同自治区は長年にわたり、積極的に「無形文化遺産+」について模索を続け、伝統的な無形文化遺産のプロモーション、展示、販売の道筋を広げ、伝統的無形文化遺産がますます多くの人に愛されるよう取り組んでいる。(記者/王靖)

© 新華社