本当に“望み薄”? 反転術式や降霊術はどう…?『呪術廻戦』ナナミン復活の可能性を探る

アニメ『呪術廻戦』公式Xより七海建人 (C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

芥見下々氏による『呪術廻戦』の本誌連載が、ここに来て再び大きな反響を呼んでいる。……というのも、2024年5月27日発売『週刊少年ジャンプ』26号で掲載された第261話にて、まさかの方法で復活(これを“復活”と捉えていいかは別として)を遂げたキャラがいたからだ。

同作では、昨年アニメ放送された「渋谷事変」でも多くの人気キャラが失われた。なかでも衝撃的だったのが「ナナミン」の愛称で親しまれた、七海建人の死だろう。いまだナナミンロスから立ち直れないファンとしては、「あのキャラが復活するならナナミンだって……!」と、どうしても期待せずにはいられない。

はたして七海が復活する可能性はわずかでも残されているのだろうか? いろんな視点から可能性を探ってみたい。

■「反転術式」を用いてみたら?

まず可能性の一つとして真っ先に思い浮かぶのが、「反転術式」による復活だ。

反転術式とは、本来マイナスの力を持つ呪力同士を掛け合わせることで、プラスの力を生じさせるもの。作中では怪我の回復や修復にも応用されており、渋谷事変においても現場入りした家入硝子が反転術式を用いて術師や補助監督の治療にあたっていた。

しかし知ってのとおり七海は上半身ごと消し飛んでおり、即死の状態だろう。単なる呪力操作の一環に過ぎない反転術式では、魔法とは違い死者を生き返らせることはできない。

また、第220話では、家入が「すまないね 私の反転術式ではこれが限界だった」と、あるキャラの欠損した腕を修復できずに謝る場面がある。もし奇跡的にあの状態の七海に息があったと仮定しても、半身まるごと修復しての復活はまず不可能と見ていいだろう。

■「実は生きている可能性」はあるのか?

逆に、実は生きているという見方はできるだろうか。

たとえば1級術師の冥冥は、羂索に殺されかけてマレーシアに逃亡した。「憂憂の術式だ」と言っていることから、弟の憂憂には空間移動系の術式があることがうかがえる。

これを受け、「七海も憂憂の術式でマレーシアにいるのではないか」という説がささやかれた時期があった。おそらく、七海の希望の移住先もマレーシアであることから、何らかの伏線を期待してのことだろう。

たしかに伏線が多い本作で立て続けに「マレーシア」というキーワードが登場するからには、この先意外な展開が見られる可能性も否定できない。しかし七海は死のその瞬間まではっきりと描かれており、生き延びている可能性は残念ながら低そうだ。

■最後の望みは「降霊術」?

死が確定しているとするならば、「降霊術」で復活する可能性はどうか。

第222話にて、七海を慕っていた猪野琢真が何やら思惑ありそうな様子を仄めかしている。彼の術式「来訪瑞獣」は、降霊術で四種の瑞獣の能力を降ろして使用するもの。瑞獣以外の能力も降ろせるのかは不明だが、もしかすると猪野の能力を介して七海が一時的に復活……なんてことはありうるかもしれない。

ただ一点気になるのは、七海が死の間際、特級呪霊の真人に触れられていることだ。ということは、肉体だけでなく魂の形状も変わっている可能性が高い。元の形を留めていない魂で降霊をしても、本来の七海はもう戻ってこないのではないか。

あるいは、猪野が降ろすのはあくまで能力に限った話で、魂は関係ないのか。そうなると、それは単なる“十劃呪法を使う猪野”だ。心温まる展開ではあるが、七海復活とは言えない。

■「降霊術の可能性」をもう少し探ってみる

降霊術で蘇ったキャラというと、伏黒甚爾が思い浮かぶ。呪詛師のオガミ婆が、孫の身体を依代に憑依させたものだ。

オガミ婆は「肉体の情報」と「魂の情報」とを分け、暴走などを防ぐためにも肉体の情報しか降ろさないと決めていた。しかし甚爾の特殊な肉体は孫の魂をも凌駕し、その肉体を乗っ取って完全に顕現することとなった。

それならば、もし七海の魂が無事な場合、そのへんの適当な呪詛師でも依代にして魂・肉体両方の情報を降ろせば復活もアリなのではないか……いや、最悪魂が無理でもザコ相手なら肉体の情報だけで何とかならないものか……と、つい期待してしまう。

ただ、これは甚爾が特殊な天与呪縛だからこそ起こった極めて稀なケースだろう。実際のところ、実現の可能性は薄そうだ。

総じて、やはり七海復活の可能性は薄いのではないかというのが、今回の結論だ。

もしも、第236話「南へ」(アニメ未出のため詳細は控える)が妄想でなく事実であれば、こうして復活の可能性を探ること自体、野暮というものだろう……。悔いのないまま南へ旅立ってくれたら、ファンとしてはそれはそれで幸せなのかもしれない。

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