なぜ赤字にならない?大阪・九条の激安ベーカリー『ピンポンパン』

クロワッサン83円、メロンパン88円、食パン1斤200円…。物価高のご時世に、どの値札にも二度見するほど安い価格が掲げられた『ピンポンパン』。

安い上に深夜営業。規格外なパン屋

夕方セール時の行列はもはや町では見慣れた光景

創業は20年前。ザ・町のパン屋といったレトロなロゴが掲げられた外観からは、もっと古そうな印象を受ける。

菓子パン、調理パン、食事パンなど50種ほどの品揃え

安い上に朝6時半から深夜0時までと、驚異の長時間営業店である。しかも無休。店主の皆川裕さんはショートスリーパーなのかと察するが、「15時くらいからは仮眠を取ります」とのこと、それにしても寝なさすぎ。「働き者のヨメはんがいてくれるから」とニコニコしている横で、奥さんが苦い顔をしていた。

皆川さんは調理師学校で日本料理を学んだそうだ

安くても利益が出る〝カラクリ〟とは…

安いだけでなく味も抜群。バターは「よつ葉」、生クリームや牛乳も吟味して一番美味しかったものを厳選。材料に妥協しないのに、利益が出るのかと心配になるが「毎日売り切るから何とかやっていけます」。廃棄にならないよう夕方にはセールを行い完売するのでロスが出ず、歩留まりが良いのだという。

利益が出ると言っても、ウハウハ儲かるわけではないので誤解のないように

ただでさえ安いのに18時頃からはパンの詰め合わせが半額になる。だいたい500円分ほど入って250円。これを目当てに行列ができるほどだ。主婦もサラリーマンも女子高生も、堂々とした顔で並んでいる。九条って住みやすい街だなと羨ましくなる。

あまりの人気に早い時間に売り切れることもあるので注意

「儲かるとエエ車買う人もおるけど、ベンツもBMWも要らん。材料運べる車があればいいんです」と控えめな皆川さん、実は売上からせっせと毎月、ユニセフや赤十字に毎月寄付している。もう10年続けているという。

じゅわっとバターが染み出すクロワッサンも、自家製カスタードがたぷたぷに入ったクリームパンも、フランス人が「本場より旨い」と認めたバゲットも、価格の安さについつい買い込んでしまう。

4台の大型オーブンや巨大冷蔵・冷凍庫を駆使して1人で作っているからスゴい

近くにミニシアター「シネ・ヌーヴォ」があるので映画を観た帰りに寄るのだが、最近では『ピンポンパン』目的で行くようになってしまった。ちゃんと映画も観よう。

『ピンポンパン』

住所/大阪府大阪市西区千代崎2-7-11

※こちらの記事は、関西の食のwebマガジン「あまから手帖Online」がお届けしています。

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