「ひろみちおにいさん」を襲った脊髄梗塞とは 根本治療法なし

「ひろみちおにいさん」の愛称で知られるタレントの佐藤弘道さんが自身のSNSを更新し、「脊髄梗塞」で下半身麻痺となったためタレント活動を一時休止すると発表した。あまり聞かれることのない「脊髄梗塞」という病について解説する。

根本治療法なし、自然回復かリハビリでの回復を目指す

「脊髄梗塞」とは、背骨の中を通っている脊髄に血液を供給する血管が詰まる病気とされる。血液が巡らなくなることで脊髄神経に障害が起こり、麻痺などの症状を引き起こす。発症時は背中に大きな痛みが起こり、数分内に神経に影響が及んで感覚消失や麻痺が起こるという。佐藤さんもSNSで、機内で体調を崩し下半身麻痺となったことを報告している。おそらく、発症して苦しんでいる間にあっというまに麻痺になってしまったと考えられる。それだけに、発症時の苦しみと、動かなくなったときのショックは計り知れなかったと思われる。

脳梗塞、心筋梗塞などの場合、血管のつまりを取り除いたり、溶解させる治療法があるが、脊髄内の血管は極めて細いためそのような治療はできず、根本的な治療法はない。まずは安静に過ごしたうえで投薬で悪化を防ぎ、自然回復を待つことになる。回復が見られない場合、リハビリでの機能回復を目指すことになる。

佐藤さんもSNSのなかで「『脊髄梗塞』は残念ながら有効的な治療法が無いことは知っています。今は全く歩けません。リハビリでどこまで回復するか分かりませんが、現実と向き合い、今出来ることを一生懸命に行い、また皆様にお会い出来る日を楽しみにしております」とコメントしている。自然回復となるのか、リハビリの長い闘いとなるのかは未知数だが、いずれにしろ快癒を祈りたい。

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