【別府】別府市観海寺の住民有志でつくる「観海寺をきれいにする会」(高野義史代表、9人)が、地区内の竹林や公園の整備を進めている。約4年をかけて雑木や草を伐採し、市内を一望できる景観を取り戻した。ベンチも設置し、住民の憩いの場になっている。
観海寺地域は海抜150~200メートルの高台に位置する。別府八湯の一つ観海寺温泉郷が広がり、宿泊施設も集まる人気のエリアだ。
一方で、市道沿いの木々の枝が伸びて眺望を損ない、朝見川に架かる橋下にも竹や草が生い茂っていた。
「きれいにする会」の発起人、中塚茂さん(91)=観海寺、三洋産業会長=によると、以前から地区内の景観に課題を感じていたという。知人らに声をかけ、2020年から活動を始めた。
会員や地域のボランティアが参加し、足場の悪い急斜面に茂った竹や木、草を伐採。レンタルした重機やゴンドラなども活用した。
土地所有者の許可を得ながら、これまでに地区内の約千平方メートルとみゆき坂公園(820平方メートル)周辺を整備。1年ほど前から景観の良さがうわさで広がり、市民や観光客が訪れるようになったという。
「雑木林の隙間から清らかな川の流れが見えたとき、あまりの美しさに目を奪われた。後世に残したいと思った」と中塚さん。有志や周辺の宿泊施設関係者と現在も活動を続けている。
今後はヒマワリなどの花を植え、四季折々の景色が楽しめるようにする予定。
高野代表(51)は「観海寺を別府観光の名所にしたい。若い世代を巻き込んだ活動に発展させたい」と話している。