家族の幸せを願う父・源太郎(吉田鋼太郎)と、マイペースな母・千鶴(MEGUMI)、恋や人生に迷う3人の娘たちからなる伊藤家の日々を描いて人気を得たドラマ『おいハンサム!!』(東海テレビ・フジテレビ系)。今年4月からはシーズン2が放送されこちらも好評。続けて映画『おいハンサム!!』が公開される。
スクリーンでも相変わらず迷い続ける長女・由香、次女・里香、三女・美香を演じる木南晴夏、佐久間由衣、武田玲奈が集結。画面そのままのお喋りで、「お互いに思うハンサムな部分」や、自分の人生における「軸」について語った。
■続編再集結は、「実家に帰ってきた感じ」
――『おいハンサム!!2』&映画版と、伊藤家が戻ってきて嬉しかったですが、そもそも続編があると思っていましたか?
木南:シーズン1の撮影中から、シーズン2をやりたいというお話は山口(雅俊)監督がおっしゃってたんです。だから「もしかしたらあるのかな」ぐらいには思っていました。実際に集まってみたら、ビックリするくらいみんな変わらなくて、シーズン1から時間が空いた感じが全然しなかったです。
佐久間:実家に帰ってきた感じですよね。
武田:ほんとに。
木南:髪が伸びてるとか切ったとか、変わったのは髪形くらいでした(笑)。
佐久間:カメラが回ってないときも、本当にみんなマイペースで。話したいときに話して、食べたいときに何か食べていました。
武田:みんなそれぞれのペースで過ごしてましたよね。
木南:誰かが仕切るわけでもないし、思いついたら喋る感じ。喋んなかったらずっと喋らない。本当の家族みたいに、そこに無理がないんです。最初からそうでした。
――「食べたいときに食べて」とお話がありましたが、続編&映画では“エクレア”の存在感が効いてました。
武田:映画でお姉ちゃんだけじゃなくて、ほかの人も食べてる! と思ってビックリしました。
木南:役柄的に里香が一番食べるキャラだと思ってたのに。
佐久間:そう、シーズン2も私がいっぱい食べるんだろうなと思っていたんですけど、ここに来て由香お姉ちゃんが一番食べるキャラになってました(笑)。
武田:由香お姉ちゃんの、あのエクレアシーンは衝撃でした。
佐久間:めっちゃホラーでしたよね。心配になるくらいでした。
木南:台本にないことが現場で起こるんですよ。
――エクレアも、もともと台本にはなかったんですか?
木南:ドラマのときに、たしかその場で監督が言い出したんです。奪って一気に食べるって(笑)。それが映画にまで出てきて。監督のお気に入りになったんですかね(笑)。
武田:これ無理だろうレベルの食べっぷりで。妖怪みたいでした(笑)。
佐久間:うん、すごかった、かっこよかったです。
■木南は長ゼリフの変更もすぐに覚える。互いに感じるハンサムなところは?
――本作では吉田鋼太郎さん演じるお父さんが「ハンサム」な言動でみんなを引っ張っていきますが、3人が互いに「かっこいい」「ハンサムだな」と感じた瞬間はありますか?
木南:それこそ里香のカレーを食べるシーンがすごかったよね。映画の本編では編集して繋げてたけど、実際にはとんでもない量を食べて、長回しで撮影してたんです。しかも爆速で食べてたんですけど、監督が「もう1回」って平気で言うんですよ。見てるだけで「うっ」てなる量を食べてるのに。でも何の文句も言わずに淡々と頑張って食べていて、「ハンサムだな」「かっこいいな」と思ってました。
佐久間:もともと大食いではあるのですが、この作品の撮影のときはお腹を空かせて現場に行って、フードファイターみたいな気持ちになってました。
武田:あはは。
佐久間:でも差し入れでアイスとか出てくると、それはそれでみんなと食べたり、里香の役はずっと食とともにありましたね。木南さんは、セリフ覚えが早くてハンサムでした。この作品はセリフの変更が結構あって、直前に長いセリフが送られてきたりするんです。私は書いたりブツブツ言ったりしてセリフを入れていくのですが、木南さんは「いつ覚えたの?」って感じで長いセリフをさらっと言っちゃうんです。
木南:たぶん暗記は速いほうです。でも忘れるのもすっごく速いんです。言い終わった瞬間「終わり!」って忘れてる。だから再撮があったりすると、もう何も覚えてないです(苦笑)。
武田:でも、本当にすごかったです。
佐久間:玲奈ちゃんもすごいんですよ。木南さんも玲奈ちゃんも胆力がすごい。シーズン1のとき、セリフが変わったり、台本にないことがあったりで、私としては結構衝撃だったんです。でも2人とも「はい、分かりました」って全然動じなくて。
木南:山口監督の現場には、玲奈ちゃんが一番慣れてる感じがしたよね。この組の試練をなんなくさらっと。
武田:いやいや、必死にやってたんですよ。でもハンサムタイプに思われるように頑張りました。
木南:あの「エーデルワイス」のところとか(※幸せの象徴の花エーデルワイスが崖の上に咲いているのを見つけ、崖にのぼってつかみ取ろうとする美香の空想シーン)、最初、スケジュールにロケが組まれてたよね! 「ええ!? 崖でロケ? うそでしょ!?」って思いましたもん。スタジオでよかった。
武田:スタジオに行って、厚いマットが敷いてあるところに落っこちました(笑)。あと「エーデルワイス」の歌をいっぱい歌いました。
佐久間:体張ってますよね(笑)。
――MEGUMIさん演じるお母さんもめちゃくちゃハンサムです。
木南:そうなんですよ。MEGUMIさん自身が本当にハンサムなんです。
佐久間&武田:ほんとハンサムです。
木南:お芝居だけじゃなくて、映像作品のプロデュースとか、飲食のお仕事もされてたり。ご自身がやりたいと思ったことをどんどん形にしていく、その行動力がすごくハンサムだなと。現場でもいろいろお話を伺ったんですけど、普段からすごくサバサバしていて、イメージのままです。
武田:「すごいですね」と伝えたら「好きなんだよね」とさらっとおっしゃっていて。「かっこいいな~」と思ってました。
佐久間:私自身が人生に目標や計画を立てて生きるタイプではないので、MEGUMIさんのように自分のやりたいことを実現させているのを拝見すると本当にすごいと思います。番組でお話されているのを見たのですが、年単位でやりたいことを自分で決めて実行していると。
木南&武田:えー! すごい。
佐久間:それを叶えるために何が必要かを考えてやってらっしゃって、本当にかっこいいなと思います。
■「見てる分には面白いけど……」、伊藤家の3姉妹とは友達になれる?
――人生といえば、映画のクライマックスでお父さんの語る演説がいつも以上にハンサムでした。改めて日常の大切さが伝わりましたが、みなさんが日々の生活で特に大切にしていることや、生活の軸、拠り所があれば教えてください。
木南:私は家族との時間です。忙しいと家族や子どもと過ごす時間が、どうしても削られます。そうすると「あ~! 足りてない! 家族と一緒の時間が足りてない!」って禁断症状になります。イライラするとか悲しくなるとかじゃなくて、ほんと単純に「足りてない!」ってなるんです。
武田:へえ。
木南:休みの日に家族と時間を過ごすとチャージされて、また仕事を頑張れます。休みの日までは、過去の家族動画とか写真を見て過ごしますね。
佐久間:料理を作れないとダメになっちゃう気がします。
木南&武田:そうなんだ。
佐久間:終日ロケだったりすると、お弁当とかを食べる機会が多いんですけど、やっぱり自分でスーパーに行って家でご飯を作って、それを食べるという時間が大事です。そこが自分の軸ですね。「最近、料理できてないなぁ」というときは、気分が落ち込んできます。決して上手というわけではないんですけど、好きなんです。料理をすると、ある種の達成感と満たされていく感じが一気にします。
武田:私は掃除かな。
木南&佐久間:あー!
武田:忙しさに部屋のキレイさが顕著に反映するし、部屋がキレイな状態だと自分の心も落ち着いてるなと感じます。家を出るときに、できるだけキレイな状態にしていたいんですよね。
佐久間:なるほど。
武田:キレイじゃない状態で家を出てしまうと、「早く掃除したい!」となっちゃいます。やっぱりキレイな状態の家に帰りたいですよね。だから休みの日はちゃんと掃除して。ただ、私、効率が悪いので、時間がかかっちゃうんですよね。棚の中の細かいところから始めちゃったりして。
木南:わかる。私も細かいところをやりたくなっちゃう。棚の中の整理とか、よく分かる。
――ちなみに伊藤家の3姉妹とは友達になりたいですか?
木南:え、無理じゃない?(苦笑)
佐久間:嫌ですよね、見てる分には面白いけど。
木南:美香が一番ちゃんとしてるキャラっぽいかな?
佐久間:なんだかんだ、そうかなと思います。
武田:流されやすいことは流されやすいですけどね。
木南:美香は末っ子感がちゃんとある。飲みに行くなら……。
佐久間:由香姉ちゃん!
木南:由香は面白いけど、すごくマイペースだからたまにイラっとすること言いそうだけど(苦笑)。
武田:たまに会う友達ならいいかも。
佐久間:たしかに。
木南:3人とも、たまに会うならいいかもね。
――では観客のみなさんにも劇場で3姉妹に会ってもらいましょう。最後に長女・由香の木南さんからひと言お願いします。
木南:3姉妹の恋愛模様がドラマからまた続いていますが、ドラマを見ていない人でも分かる内容になっています。「こんな人いないよ。でもやっぱりいるかも」くらいの不思議感の残る家族のお話です。みなさんにもきっと楽しんでもらえると思います。
(取材・文:望月ふみ 写真:高野広美)
映画『おいハンサム!!』は6月21日より全国公開。