日系企業勤務→外資系企業転職+副業所得で1億円達成&FIRE実行。これはFIRE実践者である寺澤伸洋氏の経歴です。1行でまとめると簡単なようですが、1億円達成に至るまでには夫婦で力を合わせ、家計の見直しなども含めて試行錯誤してきたといいます。本記事では、寺澤氏による著書『ぶっちゃけFIRE 手取り25万円で子育てしながら1億円ためる方法教えます』(主婦と生活社)より一部を抜粋し、1億円を達成するまでを2つのフェーズに分け、資産推移とともにご紹介していきます。
いかにして1億円を達成したのか、資産推移を公開
「日系企業勤務→外資系企業転職+副業所得」という変化を経て1億円に到達するまでの僕の資産推移を見ていきましょう。
資産推移
僕の資産推移を表した[図表1]のグラフをご覧ください。
[図表1]資産推移
僕たちは2002年に結婚しましたが、当時夫婦あわせて200万円からのスタートでした。それが2017年の転職時には4,800万円。すなわち15年間で資産を4,600万円増やしたことになります。
そして2020年12月、資産1億円に到達。その後2021年7月の退職時には資産が1億1,500万円。転職してからの4年3か月で6,700万円増えたのです。
ふたつの蓄財フェーズ
こうしてみると、僕の蓄財フェーズは大きく次のふたつに分けられます。
第1フェーズ:2002〜2017年の節約・節制フェーズ
第2フェーズ:2017〜2021年の転職・米株高・印税フェーズ
第1フェーズ(節約、節制フェーズ)
前半15年間の第1フェーズでは、僕たちは夫婦で共働きをしながら、しっかりとした家計管理をおこない、大小さまざまな支出を見直すことで貯蓄をしてきました。
このときの目標は「子どもたちの学費の準備をすること」。子どもが大学卒業するまでにはひとり2,000万円かかると言われていたので、ふたり分で4,000万円を貯金することを目指しました。
このときに僕がとった貯蓄法は、どのような家庭でも再現性が極めて高い手法です。正しいプロセスを踏めば、お金はきちんと貯まっていきます。
ただ1点だけこの時期に大きな後悔があります。それは、2012年後半からはじまったアベノミクスに乗れなかったことです。この当時、日本の株式市場はひどいものでした。
・2006:ライブドアショック
・2008:リーマンショック
・2009:ユーロ危機
・2010:民主党政権下の低迷
・2011:東日本大震災での低迷
こうして数多の暴落を経験したことで相場に対して手が縮んでしまっており、株式相場に嫌気がさしていて株に手を出せなかったのです。これが本当にもったいなかったと思います。
第2フェーズ(転職、米株高、印税フェーズ)
しかし、後半の第2フェーズでは、転職を機に少しスタイルが変わります。年収が上がり、少し気持ちに余裕が出て株式投資を再開。しかもちょっと上がるとすぐに売りたくなっていた性格の僕が、気持ちの余裕からか、打って変わって長期投資のスタイルをとるようになったのです。
このときに投資先として選んだのは、今まで散々痛い目を見てきた日本株ではなく、グーグル、アップル、アマゾンなどの米国株。そしてそれらがその後4年間で軒並み2~5倍くらい伸びてくれたことを受け、金融資産が大きく増加したのです。
あわせて僕が勤めていた外資系企業は給与体系の一部として株を付与する制度があり、2017年に付与された800万円分の株が4年後に4倍近くの3,000万円超になったことで、資産増に大きく寄与してくれました。
FIREした人の多くが投資で資産を大きく増やしていますが、アベノミクスの株高局面で下手を打った僕も、会社の株の付与のおかげでなんとかそこに滑り込めたのです。これとあわせて、このフェーズからはじめることとなった副業としての出版の印税も、資産増加に寄与してくれました。
第1フェーズとは異なり、第2フェーズのほうの再現性はあまり高くありません。これは、第1フェーズが「現在働いている職場で給与を得て、その範囲内でどのように資産を増やすか」という現在の延長線上に焦点が当たっている一方で、第2フェーズが「より給与の高い企業へ転職をしたり、自分の好きなことでお金を生み出したりする」という、現在とは違う行動が求められているからにほかなりません。
[図表2]第1フェーズと第2フェーズのイメージ(イラスト©ヤギワタル)
特に一人ひとり「好きで得意なこと」が違いますから、この第2フェーズは僕のやったとおりに再現しようとするのではなく、あなたが価値を生み出せるものは何なのかということを、人生をかけて探し出していく必要があるのです。
ですから、FIREをするためには、まずは第1フェーズでしっかり資産を構築しながら、余裕が出てきたら自分なりの第2フェーズの迎え方を考えておくことが大切なのです。
寺澤伸洋
作家/講演家
※本記事は『ぶっちゃけFIRE 手取り25万円で子育てしながら1億円ためる方法教えます』(主婦と生活社)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。