【レポート】FLOW主催アニソンロックフェス、ぴあアリーナMM 2DAYSにレアコラボも「すべての歌が俺たちの誇りです」

FLOW主催によるロックバンドが作るアニソンロックフェス<FLOW THE FESTIVAL 2024>が6月29日および30日の2日間、神奈川・ぴあアリーナMMで開催された。同フェスのオフィシャルレポートをお届けしたい。

FLOWが初主催するフェスであり、ロックバンドが主催するアニソンロックフェスというのも前代未聞。新たなことに常に挑戦を重ねるFLOWの真骨頂にして、横浜の街を熱くする屋内型アニソンロックフェス<FLOW THE FESTIVAL>がついに開催を迎えた。

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■ロックフェス1年生■真価を見せたDAY1

▼from ARGONAVIS

初開催アニソンロックフェスの最初の音を鳴らした“welcome act”は、アニメやコミックス、楽曲リリースにライブ活動などを行うメディアミックス作品『from ARGONAVIS』からARGONAVISとGYROAXIAの2バンドから混成された5人によるアコースティックセットのスペシャルバンドだ。

FLOWのTAKEがプロデュースした「BLACK&WHITE」などを響かせ、まだ開場したばかりのフロアを熱くしていく。特に「風ノ唄」のカバーではそのイントロからフロアの大合唱に迎えられ、「ゴールライン」まで全5曲でフェスのはじまりの瞬間を熱くした。

▼GRANRODEO

フェス本編の開幕として、観客のカウントダウンに続き、鬨の声をあげたのはGRANRODEO。ステージ後方の巨大ビジョンにアニメ『黒子のバスケ』の映像が流れる中、「オイ!オイ!」というオーディエンスの熱い声で「Can Do」が熱を帯びる。アニメ『最遊記RELOAD-ZEROLIN-』のOP「カミモホトケモ」、アニメ『文豪ストレイドッグス』のOP「TRASH CANDY」などで会場を席捲し、大歓声、大合唱、大きなジャンプで熱に応える観客とともにフロアを揺らす。

「“トップバッターだから”とFLOWのTAKEちゃんにプレッシャーをかけられました」というKISHOWに「なんだったらトリも俺らがやるよ?」というe-ZUKA。長年に渡り交流のある2バンドの絆を感じさせた場面だった。「The other self」までの全7曲を<FLOW THE FESTIVAL>に刻み付けた。

▼KEYTALK

KEYTALKはFLOWの「贈る言葉」響く中、ステージに登場。「MONSTER DANCE」などのライブユースな曲でフロアを熱くする。

「最初の開催に呼んでもらったので、ここからレギュラーを狙っていきたい」と話すと、「後半はKEYTALK初のアニソン祭り!」と煽り、アニメ『境界のRINNE』のED「セツナユメミシ」から子供の頃から好きだった作品に関われたことに喜びを感じたというアニメ『ドラゴンボール超』EDの「スターリングスター」、そして彼らにとって初アニメタイアップ曲である「桜花爛漫」と畳み掛ける。中でも「桜花爛漫」はアニメ『境界のRINNE』のOPを担った一曲。背後のビジョンに映る桜とりんねの物語と重なるドラマティックなギターリフに彩られた一曲は観客を笑顔にしていった。

▼SPYAIR

1曲目の「現状ディストラクション」からフロアを歓喜と興奮の坩堝へと誘ったSPYAIR。アニメ『ハイキュー!!セカンドシーズン』OPの「アイム・ア・ビリーバー」が響けば、待ってました!とばかりにオーディエンスも歓喜の歌声を上げる。アニメ『BLEACH』のED「Last Moment」に続いたのは新生ボーカルYOSUKEを迎えた「大切な一曲」であり、意思表明するように轟く「RE-BIRH」の力強い歌声が会場を席捲した。

アニメ『ハイキュー!!』の、烏野高校排球部の部員たちの映像に彩られた「イマジネーション」にオーディエンスの歓声が一層大きくなると、「これからも日本のアニメに誇りを持ってSPYAIRは活動していきます」とYOSUKE。ラストは『劇場版ハイキュー!!ゴミ捨て場の決戦』の主題歌「オレンジ」を放つ。全9曲の神セトリで<FLOW THE FESTIVAL>を彩った。

▼KANA-BOON

KANA-BOONが1曲目に放ったのアニメ『僕のヒーローアカデミア』OP「スターマーカー」から、怒涛のアニメタイアップ曲が響く。アニメ『ゾン100~ソンビになるまでにしたい100のこと~』の映像と共に歌う「ソングオブザデッド」でも会場を楽しませた。「バトンロード」に続くラストは「シルエット」。

「俺たちとFLOWは『NARUTO』で脈々と受け継がれている歌を受け取ってきて、俺たちは「シルエット」をやったんです。海外でもFLOWと対バンしたり、縁があるKANA-BOONとFLOWです」と話すと、FLOWのKEIGOとKOHSHIを呼び込み、「もちろんあなたも忍連合軍の一員です」と忍連合軍として歌う谷口鮪。会場一体での歌唱でNARUTOへの想いを奏でたのだった。

▼オーイシマサヨシ

歌うすべての曲がアニソンだったオーイシマサヨシ。自身が歌うアニソンから、アニメ『けものフレンズ』に提供した「ようこそジャパリパークへ」など、数ある楽曲から卓越した歌唱力を響かせると、オーディエンスもペンライトを振り乱す。アニメ『【推しの子】』の「サインはB」ではオーイシ自身がアイドルさながらキュートなパフォーマンスを見せ、会場の盛り上がりもアイドルのライブそのものに。

「アニソンシンガーが奏でるアニソンもよくなかった?」とオーイシ。最後はアニメ『グッリドマン ユニバース』の主題歌「uni-verse」はアニメ映像を背負って歌い、オーディエンスの歌声と重なり強大となった歌声は会場を震撼させる。全7曲を畳み掛け、アニソンの魅力をオーディエンスに刻み込んだ。

▼FLOW

この日のためのスペシャルSEをバックにステージに姿を現したフェス主催者FLOWのライブは、彼らの盟友ナルトの息子・ボルト主人公の『BORUTO-ボルト-NRUTO NEXT GENERATIONS』のOP「GOLD」からはじまった。「COLORS」ではアニメ映像が流れ、ルルーシュの軌跡を想い宿る一曲と共に辿るように歌が響く。

海外のアニメフェスでもオーディエンスを熱狂させている楽曲が続く中、次々とゲストも登場。「愛愛愛に撃たれてバイバイバイ」ではアニソンダンスパフォーマー集団・REAL AKIBA BOYZが登場し、「Hey!!!」では先ほどまでステージにいたオーイシマサヨシがKEIGOやKOHSHIと共に歌を奏でた。

▼FLOW×BACK-ON

さらにシークレットアーティストとしてBUCK-ONが登場。「アニソンじゃなく特撮ソングだけど!」とFLOW×BACK-ONで歌う『仮面ライダーガッチャード』の主題歌「CHEMI×STORY」、そしてレコーディングしたばかりの『劇場版 仮面ライダーガッチャード』のテーマソング「THE FUTURE DAYBREAK」を宇宙初披露した。

FLOWとアニメを繋げた「GO!!!」のあとにKEIGOが告げる。「みんなのおかげで出来たフェスです。みんなと繋がれたからできたフェスです。すべての歌が俺たちの誇りです!」。その声に歓声が応え、会場みんなで歌声を奏でた「Sign」を終えると、この日の出演者がステージに呼びこまれ、FLOW×GRANRODEOの「7~seven~」を会場のすべての人たちで歌えば、笑顔いっぱいでフェス初日の幕を閉じた。

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■DAY2はコラボ満載■FLOWならではのフェスが完成

▼ROOKiEZ is PUNK’D

DAY2はROOKiEZ is PUNK’Dがwelcome actとしてステージに登場、アコースティックセットで会場を温める。アニメ『青の祓魔師』のOP「IN MY WORLD」から、全4曲のすべてがアニメタイアップ曲で構成されたセットリストに、開演を待つフロアは総立ちでペンライトを揺らし、応えた。

「FLOW先輩たち、こんな素敵なステージに立たせていただいて、本当にありがとうございます!」とSHINNOSUKEも笑顔。ラストナンバーとなったアニメ『デュラララ!!』のOP「コンプリケイション」ではぴあアリーナMM全体での大合唱に、2日目が熱くなることが約束されたも同然のオープニングとなった。

▼BURNOUT SYNDROMES

そしてフェス2日目本編の開幕だ。その大役を任されたのはBURNOUT SYNDROMES。1日の幕開けを告げるように朝日昇る歌「GOOD MORNING WORLD!」からライブをスタートさせた。アニメ『Dr.STONE』のドラマティックなOP曲がアニメ映像と共に熱を帯びる。

FLOWとは「対バンツアーで出会い、海外でも共演している」という彼らは、BURNOUT SYNDROMES × FLOW名義で楽曲制作もしており、KEIGOとKOHSHIをステージに呼び込むと、コラボ曲「I Don’t Wanna Die in the Paradise」を披露した。ボーカルとラップの応酬でフロアを歓喜の熱を上昇させるグルーヴが熱い。オレンジの光に包まれた「PHOENIX」を歌い上げたあと、「素晴らしい共演者の方々と、あなたたちと、アニメへの感謝をまるっとこめて最後に1曲」とアニメ『ハイキュー!!』の「FLY HIGH!!」まで全7曲を披露。観客は高く跳び続けたのだった。

▼SCANDAL

真っ白な衣装で登場したSCANDALが、アニメ『BLEACH』のOP「HARUKAZE」、ED「少女S」を続けて披露すると、オーディエンスはその熱に応えるように赤のペンライトでフロア染める。「FLOWと国内で対バンするのは久しぶり」だというSCANDAL。「10年くらい前に大阪でFLOW、ORANGE RANGE、SCANDALで対バンしたことがある」そうだ。

2024年に結成18周年を迎え、その活動初期の楽曲を続けて聴かせた序盤はもちろん、「群青pleats」をはじめ最新アルバム『LUMINOUS』収録曲まで余すことなく響かせる。ラストはアニメ『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』のED「瞬間センチメンタル」だ。大歓声と赤い光が揺れる会場に、アニメ映像と共に骨太なロックンロールと伸びやかな歌声が響き、観客の歌声が重なる。観客が“聴きたい”と願うような楽曲が次々に飛び出し、大歓声と大合唱に包まれたステージはさすがの貫禄だった。

▼ORANGE RANGE

FLOWの20年来の盟友ORANGE RANGEは、「上海ハニー」からライブをスタート。灼熱のバンドサウンドが屋内開催のフェスを沖縄の夏の空気に変えてしまうと、ロックフェス常連の彼らならではのセットリストで会場を熱く侵食した。そんなフロアの熱をさらに上昇させたのは「*~アスタリスク~」だ。アニメ『BLEACH』の映像と共にぴあアリーナMMを席捲していく。

「FLOWとは長い付き合いですけれども、近年は一緒に楽曲制作したり、アニメ縛りフェスにも誘っていただけて、すごく密接な、濃密な癒着です」とHIROKI。終盤は「イケナイ太陽」から「FLOWへの感謝を込めて」と彼らのライブマストチューンの「キリキリマイ」で会場のテンションをブチあげ、次の出演者へとバトンをつないだ。

▼JAM Project

これぞレジェンド。アニソン界のゴッドオブゴッドJAM Projectは、アニメ『ワンパンマン』のOP「THE HERO!!~怒れる拳に火をつけろ~」で会場を赤く染め、影山ヒロノブ、遠藤正明、きただにひろし、奥井雅美、福山芳樹という5人のユニゾンで、第一声から格の違いをまざまざと見せつけた。セットリストは「The Brave」「牙狼~SAVOR IN THE DARK~」など人気曲だけで構成されるなど、客席の盛り上がりも最高だ。

「FLOWには心から感謝しています。こういうイベントって誰かがやろうって言わないとできないんですよね。そういう意味でもFLOWは最高です!」と影山。ド迫力のボーカルが轟くラウドミュージックが会場を灼熱に染めると、ラストチューン「SKILL」ではFLOWからKEIGOとKOHSHIを呼び込んでコラボ。もちろん観客も巻き込んだ巨大な歌声の塊は<FLOW THE FESTIVAL>に最初の伝説を刻み付けたようだ。

▼Creepy Nuts

KOHSHIのサングラスを、ラジオ企画で奪った男・DJ松永を擁するCreepy Nutsは「ビリケン」からライブをスタート。アニメ『よふかしのうた』のED「堕天」「よふかしのうた」をはじめとしたアニメタイアップ曲やドラマ主題歌などをふんだんに入れたセットリストに会場はダンスフロア化。オーディエンスはビートに乗ってジャンプし、ステージへと手を伸ばす。そのオーディエンスの反応にR-指定のラップも熱を帯びていく。

“世界一の指”を持つDJ松永のプレイで観客を圧倒すると、そのままアニメ『マッシュル-MASHLE-神覚者選抜試験編』OP「Bling-Bang-Bang-Born」へ。同曲での合唱とBBBBダンスするオーディエンスの姿は印象的なワンシーン。ラスト「二度寝」までの全9曲で、観客を興奮の坩堝へと誘った。

▼FLOW

2日間にわたって繰り広げられた<FLOW THE FESTIVAL 2024>の大トリは、フェス主催者のFLOW。1曲目の「風ノ唄」のイントロが流れると、オーディエンス「Wow~」といった強大なコーラスが響き、フロアが一斉に緑色のペンライトに染まる。

前日に続いて、この日もシークレットゲストが用意されていた。ステージにCHiCOが登場すると会場からは拍手と歓声が沸く。TAKE作曲、CHiCOとKOHSHIで作詞をしたコラボ楽曲「我物語」を初披露した。躍動感と力強さの宿る一曲のみならず「Steppin’ out」ではサブステージを盛り上げたダンサー集団・O-MENZと共にパフォーマンス、さらにORANGE RANGEを迎えてコラボ曲「デイドリーム ビリーヴァー」、きただにひろしと共にアニメ『ONE PIECE』の主題歌「ウィーアー!」、そして「GO!!!」ではCreepy Nutsと歌声を響かせ、フェスならではのスペシャルなステージを展開した。

▼FLOW×CHiCO

本編の最後は「GOLD」。ここまで6時間以上ライブを盛り上げてきた観客と一体となって、この日一番”ジャンプで締めくくった。そして出演者がステージに呼びこまれ、エクストラステージとして影山ヒロノブと出演者、観客、その全員で「CHA-LA HEAD-CHA-LA」を歌い、2日間に渡った<FLOW THE FESTIVAL>は幕を閉じた。

ライブ以外の時間も休む暇なく、エンターテイメントを浴びることが出来るのはフェスの醍醐味だ。<FLOW THE FESTIVAL>初日は開幕宣言のナレーションとアーティストのコールをルルーシュこと福山潤が担当。2日目はエウレカこと名塚佳織が務めてファンを喜ばせた。

また、ライブ転換のタイミングではサブステージが動き、クリエイターによるトークショーほか、アニソン好きを公言しているスピラ・スピカの幹葉とNON STYLE井上のトークコーナー、パフォーマーたちのステージやDJタイムなど、目を離す瞬間がない。

さらに、グッズ紹介では声優の増田俊樹がアニメ『サムライフラメンコ』の羽佐間正義としてナレーションを担当するなど、アニメ縛り公演やアニメ縛りフェスをこれまで成功させてきた自らの経験を活かし、FLOWにしかできないフェスの形を完成させた。<FLOW THE FESTIVAL>は来年の開催も発表された。生まれたばかりの1年生フェスながら、その未来が楽しみな2日間となった。

▼FLOW

撮影◎Taichi Nishimaki/MASANORI FUJIKAWA/SUGI (@Sugi_Yu7)

■アニソンロックフェス<FLOW THE FESTIVAL 2024>

6月29日(土) 神奈川・ぴあアリーナMM
6月30日(日) 神奈川・ぴあアリーナMM
open10:00 / start12:00
▼DAY1_6/29出演者
Welcome act:from ARGONAVIS
出演:FLOW / GRANRODEO / SPYAIR / KEYTALK / オーイシマサヨシ/ KANA-BOON
▼DAY2_6/30出演者
Welcome act:ROOKiEZ is PUNK'D
出演:FLOW/ SCANDAL / BURNOUT SYNDROMES / Creepy Nuts / ORANGE RANGE / JAM Project
【チケット】
▼2日通し券
VIP指定席 2日券 41,260円
アリーナ指定席 2日券 22,000円
スタンド指定席 2日券 17,000円
車椅子席2日券 17,000円
※2日通し券は両日同じ席番
▼1日券
VIP指定席 1日券 26,550円
アリーナ指定席 1日券 12,000円
スタンド指定席 1日券 9,900円
車椅子席1日券 9,900円

関連サイト

◆<FLOW THE FESTIVAL 2024>特設サイト
◆FLOW オフィシャルサイト
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