去就注目のジョージはマジックに興味?若き主砲バンケロを絶賛「彼は本物のスーパースター」<DUNKSHOOT>

現地時価6月29日(日本時間30日、日付は以下同)、NBAは2024-25シーズンのプレーヤーオプション(PO)、チームオプションの行使または破棄の期限を迎え、ロサンゼルス・クリッパーズのポール・ジョージがPOを破棄して完全FA(フリーエージェント)になったと、米スポーツ専門局『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー記者が報じた。

約4870万ドル(約77億9200万円)のオプションを破棄したジョージは、キャリア14年目を終えた34歳のオールラウンダー。203cm・100kgのサイズで攻守万能なベテランは、他チームとのFA交渉が解禁となる翌30日から直近5シーズン在籍したクリッパーズ、フィラデルフィア・セブンティシクサーズ、オーランド・マジックとミーティングをしていく計画だと同メディアが報道している。

ジョージは昨季74試合に出場して平均33.8分、22.6点、5.2リバウンド、3.5アシスト、1.5スティールに3ポイント成功率41.3%(平均3.3本成功)を記録し、オールスターにも選ばれた実力者だけに、このほかにも獲得に興味を示す球団は出てくるだろう。

ただ、『The Athletic』のシャムズ・シャラニア記者は30日の時点で、クリッパーズがジョージとの再契約を見送ること、そして現状ではシクサーズがジョージの移籍先の最有力候補になっていると自身のSNSに投稿。
その一方、注目を集めているのがジョージのポッドキャスト番組内での発言だ。5月1日に公開された自身の番組『Podcast P with Paul George』で、ジョージはマジックのパオロ・バンケロを絶賛していた。

「パオロは究極のスターになっている。とんでもない活躍をしていてセンセーショナルだし、本物のスーパースターなんだ。タフなチーム相手にプレーしているのにめちゃくちゃコンスタントに活躍していて、支配的なスコアラーだ。

俺は彼の頑強さが大好きでね。俺がこれまでに対戦してきた中で最も強靭な男の1人なんだ。あの若さ(21歳)で肉体面では大人だけど、内面はまだ子どもなのさ」

昨季マジックを4シーズンぶりにプレーオフへ導いた208cm・113kgの若き主砲は、ファーストラウンドでクリーブランド・キャバリアーズ相手に3勝4敗で敗れたとはいえ、シリーズ平均27.0点、8.6リバウンド、4.0アシスト、1.1スティールをマーク。攻守で躍動し、キャブズを大いに苦しめた。
バンケロはビッグマンながら器用にボールを捌き、プレーメーカーも務めてしまうスター選手。そんな若手について、ジョージはリーグ有数のスコアラーとして活躍したカーメロ・アンソニー(元デンバー・ナゲッツほか/201cm・108kg)を引き合いに出してこう評していた。

「フィジカルの強さで言うと、メロに似ている。メロと対戦したらわかると思うけど、彼はリムの周辺でプレッシャーをかけてくる。俺には彼(バンケロ)が初めてのプレーオフで見せたことが印象的だった。それにオーランド・マジックというチームが今後長い間いいチームであり続けるだろうと思ったね」
ジョージの移籍先候補に挙がるマジックは、リーグで最もキャップスペースに余裕があるチームのひとつ。しかもバンケロに加えてフランツ・ヴァグナー、ウェンデル・カーターJr.、ジェイレン・サッグス、コール・アンソニー、ジョナサン・アイザックが契約下にいるため、大物を獲得すれば若手のルーキースケール期間で一気に優勝も狙えるロスターと言っていい。

はたして、注目FAジョージは今季どのチームでプレーするのか。新進気鋭のマジックのユニフォームを身にまとう可能性も十分ありそうだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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