費用計3500万円以上 県議会議員の欧州視察、賛成多数で可決 広島 核兵器廃絶の訴えなど強調

欧州への議員22人の派遣を採決する広島県議会

 広島県議会(定数64)は2日の本会議で、議員22人の欧州派遣を賛成多数で可決した。視察する主要会派は核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第2回準備委員会があるスイス・ジュネーブで核兵器廃絶を訴える大切さを強調。一方で「費用対効果」を疑問視する一部の会派は反対した。

 中本隆志議長たち7人の訪問団は20~28日にスイスと英国へ渡る。残る15人は任期中に1人1回90万円を上限に使える制度でスイスとリトアニア、オランダを巡る。費用は計3500万円以上になる見込み。

 22人の会派別は最大会派の自民議連(34人)が15人、第2会派の民主県政会(14人)が7人。県主催のNPT関連イベントなどに参加する。

 採決では自民議連、民主県政会、公明党議員団(6人)ひとわ、ひろしま刷新、義友会(各1人)が賛成した。自民党広志会(4人)共産党議員団(2人)自民党議員会(1人)は反対した。

 採決後、自民党広志会の城戸常太会長は「県議がNPTの準備委そのものに出席できないのに視察する必要がない」と批判。自民党広志会と共産党議員団は反対討論を求めたが、主要会派でつくる議会運営委員会が認めなかった。

 自民議連に所属する中本議長は「航空運賃や宿泊費が高騰しているのは間違いない。22人になったのは、NPTへの思いが強いという意思の表れだ」と述べた。

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