損保協会長とサイバー警察局長の対談「サイバー警察局便り」新版公開

「サイバー警察局便り R6 Vol.4」

警察庁は6月25日、「サイバー警察局便り R6 Vol.4」を公開した。今号では、5月31日に行われた損保協会長とサイバー警察局長の対談の内容を伝えている。

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この対談は、サイバー事案に係る被害の潜在化防止の観点から、一般社団法人日本損害保険協会の新納会長と警察庁サイバー警察局の大橋局長により行われたもの。サイバー空間の安全・安心の確保に向けて、相互の連携の重要性について意見を交換した。

警察庁からは、サイバー空間をめぐる情勢や警察におけるランサムウェア被害への対応についての意見があった。警察庁はランサムウェア対策多国間会合(CRI)に参加しており、令和5年10月31日、11月1日に行われた第三回会合では、中央政府の権限下にある関連機関が「ランサムウェアによる金銭支払い要求に応じるべきではない」ことで意見が一致したことが伝えられた。

また、サイバー事案の被害については、警察への通報・相談がためらわれる「被害の潜在化」の傾向があることを把握しており、警察では被害者に配意した事件捜査を行うとともに、被害復旧への貢献等の活動を推進し、被害の通報・相談がおのずと行われる社会的な機運の醸成を図っているとした。

損保協会からは、サイバー保険の果たす役割や協会の取組について発言があった。サイバー保険は被害の補償のほか、被害の未然防止、損害の軽減、迅速な復旧等の機能を果たしているが、2023年度の調査では中小企業のサイバー保険加入率が5%程度と、欧米と比較するとまだ低い状況であるとした。

損保協会の各支部では、サイバーリスクやサイバー保険に関する啓発活動を関係機関と連携して実施している。また、協会のホームページにサイバー保険特設サイトを設置し、被害を受けた際には、警察署やサイバー犯罪相談窓口への通報・相談を推奨しているとした。

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