「メガソーラー」25年9月稼働 福島・ゴルフ場跡、欧州の企業

 福島市松川町水原の福島カントリークラブ跡地で建設が計画されている大規模太陽光発電所(メガソーラー)は、来年9月に稼働する見通しとなった。東京ドーム約12個分に当たる約60ヘクタールの土地に太陽光パネル約6万3000枚を設置する計画で、事業者は「(建設などに伴う)環境への影響を最小限に抑える」としている。

 ポルトガルに本拠を置くポルトガル電力公社(EDP)の子会社で、再生可能エネルギー事業を国際的に展開するEDPRが2日、発表した。EDPRは日本の再エネ市場への参入を本格化させる方針で、福島市での事業が手始めとなる。既に4月に着工、出力は4万4000キロワットで一般家庭約1万1800世帯分の年間消費電力に相当する。発電した電気は複数の電気関連事業者に売電する予定。

 EDPRによると、同市でのメガソーラー事業は当初、再エネ事業関連のノザワワールド(茨城県)が中心を担っていたが、EDPRが2021年に参画。現在は単独事業として開発を進めている。

 メガソーラーの建設を巡っては、災害発生や景観が損なわれる恐れがあるとして、福島市を含め全国の建設予定地の周辺などで反対の動きが出ている。日本市場での事業運営を統括するジミー・リー氏は東京都内で2日に行った記者会見で、県や同市など関係機関から環境影響評価や設置に関し「許可を得た」と説明した。

 アジア・太平洋地域のミゲル・フォンセカ最高経営責任者は「住民は土砂崩れの発生などに当然懸念を抱く。100%の安全な形で事業に取り組むと肝に銘じている」と強調、雇用創出などで地域振興に貢献する考えも示した。

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