韓国ゴルフ客の来県助成 宿泊や交通費 茨城県2万人目標

茨城県庁=水戸市笠原町

茨城県は韓国からのゴルフ観光客を増やそうと、茨城県での宿泊費や交通費を助成する。1泊当たり約5千円を割り引くほか、空港からの送迎バスやタクシー料金の一部を補助。来県を促すプロモーションを展開し、宿泊者数延べ2万人を目指す。韓国で茨城県ゴルフ場の評価は高く、県は「茨城のゴルフを定着させ、観光客を増やしたい」としている。

宿泊費を助成する「GoTo茨城旅行割」は、旅行会社のツアーやオンライン旅行サイトを通じて申し込むと、旅行費から割り引く仕組み。2万泊分を用意する。県観光誘客課によると、海外観光客を対象とした助成事業は初めて。

運行費の一部を補助する「GoTo茨城送迎支援」は、成田空港と茨城県とを結ぶ交通アクセスを確保し、ゴルフを含むインバウンド(訪日客)の来訪意欲の向上を狙う。旅行業者などが助成対象で、ゴルフ場と宿泊施設との移動も適用となる。

いずれも今秋の観光シーズンに実施する方針。併せてプロモーションを展開し、現地に二つの誘客促進策をアピールする。

観光庁の統計によると、2023年度に県内で宿泊した韓国客は速報値で延べ1万9480人。過去最多だった18年度の1万3500人を上回った。県が県内の宿泊業者や現地の旅行会社などから聞き取り調査を行った結果、このうち9割がゴルフ客だった。

状況を踏まえ、県は韓国を台湾に続く観光誘客の重点市場に位置付けた。全国のゴルフ場の中でも、茨城県を訪れたいと思わせる環境を整え、実際に魅力を体感してもらうことで韓国人客を取り込みたい考えだ。

ゴルフツーリズムは滞在日数が増える傾向にある。宿泊や飲食、周辺への観光など消費額の増大が期待される。ゴルフ目的の韓国人客は全国を訪れており、九州は移動時間やコスト面が評価されているほか、愛媛県は温泉との組み合わせが人気。三重県は戦略的に誘客に取り組んでいる。

茨城県はゴルフ場が全国5番目に多い114カ所あり、多様なコースでプレーを楽しめるのが利点だ。全国でも少ないという宿泊施設併設のゴルフ場もある。

県は全国に先駆け、ソウルで30日に「韓国ゴルフセミナー」を開催する予定。ゴルフツーリズムを企画する現地の旅行会社など30社に、茨城県のゴルフ環境の魅力を説明してツアー商品をアピールする。

県観光誘客課の神鳥明日子課長は「有望な市場の韓国に茨城県の強みを売り込み、リピーターとなってもらえるよう全力で取り組む」と話した。

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