20年ぶりの新紙幣 栃木県内の銀行では両替の列 「記念に取っておきたい」

とちぎテレビ

日本銀行は7月3日、およそ20年ぶりにデザインを刷新した紙幣を発行し、金融機関への引き渡しも始めました。栃木県内の金融機関では、利用者が新しい紙幣を求めて両替する窓口に列を作りました。

宇都宮市の足利銀行本店には3日朝、日銀から新しい紙幣が届き、報道関係者に特別に公開しました。新しい紙幣は、1万円札、5千円札、それに千円札の3種類で1万円札の肖像は、福沢諭吉から「日本の資本主義の父」と呼ばれる実業家の渋沢栄一に交代。5千円札は樋口一葉から女性教育の先駆けとなった津田梅子、千円札は、野口英世から近代医学の基礎を築いた北里柴三郎に変わりました。新しい紙幣は、偽造を防止するため、肖像の3D画像が回転するように見えるホログラム技術が世界で初めて使われています。

県内で最も早い午前10時半から新しい紙幣の取り扱いを事前に告知していた足利銀行の本店では午前9時のオープンとともに、両替を希望する人が続々と押し寄せました。銀行ではどれほどの人が来店するか見当がつかなかったといいますが案内の係を普段の倍以上に増やし対応にあたりました。

両替の用紙に記入を終えた人に受け付けの券を渡す窓口には列ができ、予定より5分早い午前10時25分に新しい紙幣への両替を開始。それまでに54人が受け付けを済ませたということで、次々に新しい紙幣が利用者の手に渡りました。

最初に新しい紙幣を受け取った群馬県みどり市の男性は、取り扱いが早い銀行を調べて朝6時半に自宅を出発して歴史的瞬間に立ち合いました。

新しい紙幣は、銀行の窓口やATMなどを通じて世の中に行き渡ることになりますが見慣れるまでは少し時間がかかりそうです。宇都宮市の飲食店では、会計時に出された新紙幣にとまどう様子が見られました。

これまでの紙幣も引き続き使うことができ日銀の植田和男総裁は、記念式典で現金は誰でも使える決済手段だとして「今後も大きな役割を果たしていく」と話しました。一方、全国で「旧紙幣が使えなくなります」などといった詐欺の被害が発生していることから警察は注意を呼びかけています。

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