「私はいつでも、君の心と財布にいるよ」野口英世“本人”からメッセージ 千円札の顔、師匠へバトンタッチ 福島

3日、20年ぶりに新しい紙幣が発行されました。

新紙幣には、偽造防止の最新技術3Dホログラムが使われていて、肖像が浮き上がって見えます。額面は、少しざらざらして、大きな数字が目立ちます。誰でも使いやすい、ユニバーサルデザインを意識したものになりました。

3日朝の日銀福島支店。台車に載せられ、運ばれているのは、新しい紙幣の束です。ものものしい雰囲気の中、新紙幣は県内の金融機関に引き渡されました。

金融機関では…。

県内で最初に入手した人は…

阿部真奈記者「きょうから交換が始まった新紙幣。県内で最も早く交換が始まった東邦銀行では、新紙幣を求めて多くの人が訪れています」

県内でいち早く交換が始まった福島市の東邦銀行の本店には、新紙幣を求める大勢の人で混雑しました。県内で最初に、新紙幣を手にした女性は…。

県内で最初に新紙幣を入手した福島市内の女性「20年ぶりですよね。やっぱり感慨深いです。ホログラムが、テレビで見ていたけどすごいきれいです」

手にした人の中には、こんな人も…。

福島市内の男性「いまのところ使う気はないかな。記念に大事にしまっておく」

東邦銀行 市場業務課・山田浩司課長「明るい話題の1つにはなると思うので、そういった部分も含めて県内景気が明るい方向に向かっていっていただければいいかなと考えている」

日銀によりますと3日、全国では1兆6000億円分の新紙幣が引き渡されました。これまでの紙幣も引き続き使うことが可能で、警察は新紙幣発行に便乗した詐欺などに、注意を呼びかけています。

一方、交代となったこの人は…。

「どうも、野口英世です」

「ウェルカム!どうも野口英世です」

猪苗代町の野口英世記念館では、いつもと変わらぬ姿で、来た人を迎えていました。新紙幣の発行に伴い、記念館では千円札の新たな顔、野口と北里柴三郎のつながりを紹介する展示が、3月から始まっています。師弟関係にあった2人。今回の刷新は、弟子から師匠へのバトンタッチにもなります。

思えば20年前。野口の千円札発行の際には、そっくりさんまで登場して、大いに沸いた猪苗代町。全国で野口の功績が知られるきっかけとなりました。

「君の心と財布にいるよ」

記念館では、交代を惜しむ声が聞かれました。

来館者「残してもらいたいっていうのが私の気持ち。野口さんというのは別格なんですよ、私らの年代からみると」 来館者「弟子から上司に変わるというのは、ちょっと違和感もあるような気がするけど、新しいお札も見せていただいて、心に残る一日ですね」 来館者「いま(展示を)見てきたけど、寂しいよね。なくなって。でも、まだまだなくならないだろうから…」

野口英世記念館・森田鉄平さん「野口博士は今度の北里柴三郎博士と大変ゆかりのある方でございますし、細菌学者としても大変功績のある方でございます。これからも野口博士の功績を皆さんに伝えていきたいと思います」

県民にとっては、寂しさも残る紙幣の刷新。そんな私たちに「本人」は、こう呼びかけました。

「私はいつでも、君の心と財布の中にいるよ」



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