節目の20勝は意識せず “激動”の3週終え石川遼「まだまだ成長しないと」

石川遼は優勝から1週のオープンウィークを挟んで国内メジャーへ(撮影/桂川洋一)

◇国内メジャー第2戦◇日本プロゴルフ選手権大会 事前情報(3日)◇富士カントリー可児C志野C(岐阜)◇7164yd(パー71)、7201yd(パー72)

プレーオフで敗れた「BMW日本ツアー選手権 森ビルカップ」、予選落ちに終わった「全米オープン」、帰国直後にシーズン初勝利を手にした「ジャパンプレーヤーズチャンピオンシップ by サトウ食品」の3連戦を石川遼は「結構“激動”というか、良い3週間だった」と振り返る。1週のオフは疲労を取り、トレーニングで身体をいじめてコンディションを整えた。

日本での2試合は、単なる好成績以上に得るものがあったという。日本ツアー選手権は苦手コースだった茨城・宍戸ヒルズを攻略。栃木・西那須野CCでのジャパンプレーヤーズでは連日スコアの伸ばし合いを牽引した。

「(西那須野のような)伸ばし合いのコースではあまり優勝に絡めていなかった。まったく別タイプのコースで良い結果が出せた」。ツアーで中堅世代に差し掛かり、若手特有の怖いもの知らずのロースコアでの争いには、最近は一歩引くような思いもあったのかもしれない。一転して、バーディ合戦をリードできたことがうれしい。

開幕前日はイン9ホールで練習ラウンド(撮影/桂川洋一)

目の前には通算20勝目がある。仮に今週勝てば、史上4番目の20勝到達年少記録(32歳294日)の節目となるが、冷静だ。「正直まだまだ成長しなくてはいけないところがある。今の状態であと何回勝てるか、と考えるよりは、自分の良くできるところを考えて、勝率をいかにして上げるかというところにモチベーションを感じている。勝ち切るゴルフはまたひとつ次元が上の話。まずは上位に行けるゴルフをもっと身に付けたい」と謙虚に自分を見つめている。

初めてプレーする今大会の会場はドッグレッグホールも多く、ティショットからあらゆる番手を使うことになりそう。「『このクラブでこのラインに打つ』ということを、いかに信じてやれるかが結構大事かなと。自分のゴルフができれば上位に行けるという経験をこの2試合でさせてもらった。また自分のゴルフを試される1週間になる」。再び新たな気持ちでティオフする。(岐阜県可児市/桂川洋一)

<日本男子ツアー 20勝到達年少記録>

中嶋常幸 30歳260日
尾崎将司 31歳117日
池田勇太 32歳275日
倉本昌弘 32歳298日
片山晋呉 33歳215日

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