「落とし物」も新型コロナ5類移行で変化!? ネットで届け出も可能 日用品からお土産まで…最近の傾向を探る

落とし物をしたり、拾ったりした経験はあるだろうか。2023年の1年間に秋田県内の警察に届けられた落とし物、いわゆる「拾得物」は11万件以上あった。人の動きに左右される傾向があるという落とし物。最近の傾向を探った。

落とし物をしたことありますか?

秋田市で道行く人に聞いてみると、「スマートフォンを落としたことがある。親の電話で警察署に電話したら届けられていて、親切にしてくれた人に感謝です(15歳)」「最近イヤホンを落とした。バイト先で落として、帰ってきた(16歳)」という声が聞かれた。

メキシコ人の男性は、「一番ひどかったのは財布。私は日本人じゃないですが、落とした次の日の朝、警察に行った。その2~3日後に家に連絡がきて財布が戻ってきた。とてもうれしかった。日本は安心な国」と実体験を話してくれた。

街ではやはり、「落とし物をしたことがある」という声が多く聞かれた。

実は、2023年の1年間に県内の警察に届けられた駅や商業施設、路上などでの落とし物、いわゆる「拾得物」は11万件以上に上る。

「ものをなくした」という届け出のデータを見ると、「証明書類やカード」が全体の半分以上を占め、「財布」が8.7%、スマートフォンなどの「携帯電話」は6.2%となっている。

ベビーカーやラジコンの落とし物も

拾得物は県内の警察署で保管されているが、そこには財布や携帯電話だけでなく、様々なものが届いていた。

訪れたのは、秋田市にある秋田中央警察署の拾得物保管室。中には、傘がずらり。その他、ベビーカーに、ラジコンと、日々様々な落し物が届けられている。

また、ティッシュペーパーやトイレットペーパーなどの日用品や生活雑貨なども所狭しと並んでいる。

県警察本部 会計課 柴田清和室長によると、運転免許証やカードはもちろん、商業施設で購入した生活用品などが多く届いているという。

拾得物の種類は、人の動きに左右される傾向がある。

例えば、駅や電車内に置き忘れられた土産品は、新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行されたことで人の往来が活発になり、増加している。

冬になると手袋やマフラーなど“寒さをしのぐもの”が多く届けられる。中には、大雨で流されてきたとみられる段差ブロックまである。

スマホから落とし物の届け出も

2023年に県内の警察に届けられた拾得物の件数は11万5886件。前の年より1万件以上増えた。

ところが、持ち主に返されたのは1万1879件で、わずか9.8%にとどまっている。

落し物をしてしまった場合、どうすればいいのだろうか。

柴田室長は、「警察署に届いている可能性があるので、『忘れ物したかな』と思ったら、遠慮なく最寄りの警察署に問い合わせてほしい」と語った。

拾得物の保管期間は3カ月。県内どこの警察署でも拾得物の検索が可能だ。今は自宅などからスマートフォンで「落とし物」の届け出をすることもできる。

諦める前に一度、警察署を訪れてみてはどうだろうか。大切なものが手元に戻るかもしれない。

(秋田テレビ)

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