森林の空間放射線量 無人測定の試験(福島)

GPSが届かない森林でも、正確に位置を把握して空間放射線量を調べられるロボットの試験が、浪江町で行われました。

JAEA福島廃炉安全工学研究所戦略推進部の真田幸尚次長は「地形、周辺を3D化して位置関係で現在の場所を推定できるカメラを採用している。」と説明しました。

3日は、福島第一原発で点検などの作業に使われている4足歩行ロボットの背中に、GPSが使えなくても位置が分かるようカメラを搭載。

ロボットの前の部分にはガンマ線を検出する機器があり、1時間あたりの空間放射線量を測りモニターに表示します。

測定結果の画面は、グラフや数値データがあるものロボットは遠隔で操作しますが、一度通ったルートなら、2回目から自動で走行できます。

山の斜面も走ることができるため、ドローンが飛べない場所や奥まった地形での測定に力を発揮するといいます。

政府は、全ての帰還困難区域で、2020年代のうちに希望する全員が帰還できるようにする方針を示していて、山林がある帰還困難区域で、今回の測定技術を生かしたいとしています。

真田次長は「帰還困難区域の林の線量率の可視化ですね。そういうな所に役に立てるんじゃないかなと思っています。」と話していました。

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