犬が熱中症になっているときの『初期症状』5選 判断する方法や予防策まで

夏は犬の熱中症に要注意

気温や湿度が高くなる夏は、『犬の熱中症』に注意しましょう。

犬は平熱が約38℃と人間よりも高く、体が毛で覆われているため暑さに弱いです。たとえ飼い主が我慢できる暑さであっても、犬が熱中症になってしまうことは充分にあり得ます。

熱中症になった犬は最悪の場合死んでしまうこともありますので、飼い主は愛犬が熱中症にならないように対策をしなくてはなりません。

少しでも犬の体調に変化があったら、水分を取らせたり、涼しい場所に移動して体を冷やすなど対処するようにしましょう。

犬が熱中症になっているときの「初期症状」

飼い主は、次のような犬の熱中症の「初期症状」を把握しておくようにしましょう。熱中症のサインにいち早く気づくことが出来れば、重症化を防ぐことができます。

1.呼吸が荒くなる

熱中症になっている犬は、舌を出して「ハアハア」と荒い呼吸をします。これは「パンティング」と呼ばれる、犬が体温を下げるために行う行動です。

運動した直後や興奮している時にも犬はパンティングを行いますが、これらの場合は数分経てば呼吸は落ち着きます。ずっと息が荒い場合は、熱中症の疑いがありますので体温が下がるように対処しましょう。

2.体が熱くなる

熱中症の犬には、普段よりも体が熱くなる症状が現れます。これは犬の体に熱がこもり、体温が急上昇しているサインです。

体温の異変にいち早く気づくためには、日頃から体を触って愛犬の平常時の体温がどのくらいか知っておく必要があります。少しでも「いつもより熱いな」と感じたら、犬の体を冷やすなどして対策を取りましょう。

3.よだれが大量に出る

熱中症になっている犬は、口からよだれが大量に出ることがあります。

パンティングをしながらよだれを大量に流している時は、熱中症になっている可能性が高いため、涼しい場所に移動して犬の体を冷やしましょう。

4.口や耳の中が赤くなる

健康な犬の口や耳の中はピンク色をしていますが、熱中症になって体温が上がるといつもより赤くなることがあります。

愛犬の口や耳の中がいつもより赤いと感じたら、熱中症の初期症状を疑いましょう。

5.座り込んで動かなくなる

いつも元気な愛犬が、荒い呼吸をしていたり、座り込んで動かなくなるのも熱中症のサインです。そのまま放置するとぐったりと倒れ、意識が朦朧とし始める危険な状態になります。

すぐに涼しい場所に連れて行き、水分を摂らせるなどして犬の体温を下げしましょう。必要な場合は速やかに動物病院へ連れて行ってください。

犬の熱中症の予防策

犬の熱中症の予防には、次のことを意識しましょう。

  • 温度管理を徹底する
  • 水分をこまめに摂らせる
  • 車の中に犬をひとりで留守番させない
  • 暑い時期の散歩は涼しい時間帯に行う
  • 異変を感じたら犬の体を冷やす

犬種や年齢などで個体差はありますが、夏期の犬の適温は24℃~26℃くらいが目安です。それ以上暑くなると熱中症になる可能性があります。電気代はかかりますが、犬を飼うなら夏はエアコンで室温管理を行うのがオススメです。

車の中で犬が熱中症になる事故もとても多いので、絶対に車で犬を留守番させないようにし、散歩もできるだけ涼しい時間帯を選びましょう。

水をこまめに飲ませること、異変を感じたらすぐに対処することも犬の熱中症対策にはとても大切です。

まとめ

熱中症は、犬の命にかかわる大変危険な病気です。そのため、重症化する前の「初期症状」に少しでも早く気付いて対処することが大切です。

もし初期症状が改善せず、犬の意識が朦朧とする、痙攣するなど症状が悪化する場合は、すぐに動物病院で治療を受けましょう。

まずは熱中症対策をしっかりと行い、愛犬と夏を楽しんでくださいね。

(獣医師監修:後藤マチ子)

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