King & Prince 永瀬廉、『庭ラジ』でさらけ出す“素の自分” 大事にしていることを思い出させる場に

King & Princeの永瀬廉がパーソナリティを務めるラジオ『King & Prince 永瀬廉のRadio GARDEN』(文化放送/以下、『庭ラジ』)が5周年を迎えた。同番組について、6月26日放送回で永瀬は「収録するたびにリフレッシュにもなるし、道しるべというかね。今後続けていく上でも。僕にとっては『庭ラジ』っていうのはそういう存在ですね」と語った。

■「アイドルをやっていく上で大事にしてることを思い出させてくれる」

永瀬が、アイドルとして活動するために大切にしていることは「なんとかなるっしょ!」という気負わない精神なのだという。そうしたスタンスを維持するためにも「気楽にファンの人と喋れる機会」「僕の好きなことを気楽に喋れる機会」である『庭ラジ』は、自分のモットーに立ち返り「僕が僕らしくあれる場所」なのだと明かした。

思い返してみれば、これまで同番組では永瀬の素を垣間見る場面がいくつもあった。この日の放送でも「ちょっとだけ庭ラジ5周年お祝いスペシャル」と題して、リスナーから印象に残っている放送についてのお便りがたくさん届く。なかには、正直すぎる発言で「クールなイメージが180度いいほうに変わった」というような声も。

加えて「イルカのオスは性欲が強すぎて交尾の練習をしてしまうために、イルカショーはメスしかいない」という“イルカの雑学”に食いついた結果、実際の放送ではピー音が連発してしまった伝説の回もあった。「廉ちゃんが楽しそうで聞いてる私たちはハッピーでした。“アホやなー”と思ったのは内緒です」とリスナーからツッコミとも言えるメールが多数寄せられていたことからも、たしかに「気軽にファンの人と喋れる機会」となっているようだ。

また、同番組には永瀬と仲の良いメンバーがゲスト出演し、大いに盛り上がったことも記憶に新しい。2022年9月22日放送回には永瀬と同期のなにわ男子・西畑大吾が登場。オンエア開始早々から噛んでしまった永瀬に、まだ紹介されていない西畑がツッコミを入れるという2人ならではの小気味よいやりとりが繰り広げられる。

さらに、共演したドラマ『新・信長公記~クラスメイトは戦国武将~』(日本テレビ系)の舞台裏話を披露して笑いを誘った一幕も。撮影の合間に共演者の濱田岳に挨拶をしようとじゃんけんをした2人。しかし、西畑が負けたはずなのになぜか永瀬が行くことになり、彼らのノリを察した濱田に車の窓を閉められる塩対応を受けたと訴える。カメラが回っていないところでも2人の仲睦まじい様子が伝わってくる放送内容に、ファンの頬も緩んだはずだ。

■「『庭ラジ』は、いい意味でも素に近い僕を出せるから」

一方で、そんな素に近い自分を出せる場所だからこそ避けては通れない話題もあった。2021年4月1日放送回では、岩橋玄樹のグループ脱退と事務所退所について言及。どんなに時間がかかったとしても必ず戻ってきてくれるはずと信じて待ち続けたファンの気持ちを汲み取って「申し訳ない気持ちでいっぱいです」とグループを代表して言葉を贈っていた。

また、2022年11月10日放送回には岸優太、平野紫耀、神宮寺勇太の脱退について赤裸々に語ったこともあった。「King & Princeっていうグループをどうしても残したかったし。コメントでは“守っていきたい”とは言っていたけど、そもそも大好きだった6人だったころのグループも、玄樹のこともそうだし、今回脱退していくじん、岸さん、紫耀のことも、言うたら守れんかったわけで。何が守ってくやねんとかさ、自分が判断したことやけどわからんくなったりとかしてさ」と涙をにじませた。

そんな永瀬のもとに寄せられたファンの温かな言葉に「半年間も辛くて、苦しかったやろうに……ダメですよ。こっち側に“ありがとう”って言うのは。“おい、感謝の気持ち足んねぇぞ!”ぐらいのスタンスでいて欲しいわ」と本音をさらけ出していたのも印象的だった。

とはいえ、しんみりとした空気で終わらせないところが、やはり『庭ラジ』の魅力であり、永瀬のアイドル力だ。2023年8月23日・30日放送回に髙橋海人と岸がゲスト出演。King & Princeが新体制で歩み始めてからの岸の登場に、ファンの多くは心が救われる思いだったに違いない。

岸がメイク中に永瀬と髙橋の2人体制でリリースされたKing & Princeの楽曲「なにもの」を口ずさんでいる話や、髙橋の誕生日プレゼントについて「岸くんも、廉も、紫耀も、ジンも、みんななんか連絡を取るたびに、“買わなきゃね”って言ってくれるんだけど、動かないね、君たちって。動かないグループだよね」と連絡を取り合っている話。そして、なかなか進まない5人でのご飯計画や過去に行った5人での飲み&カラオケ話など、涙が出るほど笑い合うそのワチャワチャっぷりは、別の道を歩み始めたことを忘れてしまいそうになるほどだった。

楽しいことも、そうではないことも……いろんなことがあったこの5年。そのたびに、この『庭ラジ』という場所で、笑ったり泣いたりしながら思いを共有してきた。きっとこれからも永瀬のアイドル活動に寄り添う形で、このラジオがファンと彼を繋いでいくことだろう。

それにしても大きな節目となった、いわばメモリアルな放送回にも関わらず、「おっぱいより◯◯が好き」というピー音発言が飛び出し、「真相は10周年で! あのとき何が好きと言ったのか10周年まで引っ張れたらな、と(笑)」という長期的なお楽しみを作ってくれる展開にも笑ってしまった。そんな『庭ラジ』らしさが、この先もずっと続くことを期待している。

(文=佐藤結衣)

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