延伸へ3車両購入 ひたちなか海浜鉄道 JR東から 茨城

キハ100形(JR東日本提供)

茨城県ひたちなか市の第三セクター、ひたちなか海浜鉄道は3日、運行する湊線が阿字ケ浦駅から国営ひたち海浜公園南口付近まで先行延伸する計画を見据え、車両3両を購入し、このうち1両を観光列車として運行すると発表した。JR東日本と同日までに車両の譲渡契約を締結した。整備終了後、本年度から順次運行を始める。2030年度の新駅開業を目指し、段階的に車両を増やしていく考えだ。

JR東から購入するのは「キハ100形気動車」3両。現在は大船渡線(岩手県一ノ関駅-宮城県気仙沼駅)、北上線(岩手県北上駅-秋田県横手駅)で利用されている。海浜鉄道は老朽化した車両の代替として2両を導入し、1両は観光列車とする。同社は「デザイン案は過去の事例を参考に今後検討していく」としている。

購入に当たっては国、県、市の補助制度を活用した。同社とJR東でそれぞれ整備するという。

海浜鉄道は現在、8両を所有。通勤通学などの混雑時を除いては1両で運行している。新たに導入する車両は段階的に投入し、年間約200万人が訪れる国営ひたち海浜公園の観光客の利便性を高めるほか、周辺住民や通勤客の利用増を見込む。

同社は国から事業許可を得て、現在終点の阿字ケ浦駅から3.1キロを延伸する計画を立てている。今年3月に海浜公園南口付近まで1.4キロを先行して延伸する工事施工認可を国に申請した。全体の事業費は126億円で、このうち先行区間は59億円。

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