長尺パタープチブーム!? 使用歴20年の市原弘大は 「ヤフオクでストック買ってます(笑)」

20年間愛用しているパターはもはや手放せない(撮影/服部謙二郎)

◇ツアー外競技◇メインステージ JOYXオープン2024◇JOYXゴルフ倶楽部・上月コース(兵庫県)◇7039yd(パー72)

長尺パターの使用者を、試合でチラホラと見かけるようになった。市原弘大、片山晋呉、宮里優作、ショーン・ノリス(南アフリカ)、西山大広など。シニア入りした久保谷健一も「一度手を出したら戻れない」と気づけば長尺パターの虜に。海の向こうでも流れは一緒。ルーカス・グローバーは長尺で復活を遂げ、ウィル・ザラトリスやアクシェイ・バティアなど若手ユーザーも目にする。

2016年からのアンカリング規制を機に減少した長尺愛用者が、ここ数年で再び増えてきている印象だ。

市原が長年愛用するナタリー(撮影/服部謙二郎)

長年使い続ける市原弘大は、長尺パターに興味のあるプロから打ち方を聞かれるケースも多いという。「右手の添え方とか力感、左ひじの使い方、左わきの空き具合などやっぱり長尺も打ち方が人それぞれなので」と市原。

右手は限りなく緩く握り、ほぼ添えているだけ。左腕と肩を連動させて、完全なるショルダーストロークで打っているという。

ロングパットはスタンスを狭くしているという(撮影/服部謙二郎)

エースパターはYes!製の「ナタリー」というセンターシャフト。「たまに年に1、2回違うモデルを使うこともありますが、でも結局コレに戻りますね。転がる感じがやっぱり体に染みついているので」。かれこれ20年も苦楽を共にしてきた。全英オープン出場時にヒースロー空港でバッグを無くした経験から(結局見つかったが)、「思いがけず無くしたり、破損したりすることがあるのでストックを買うことにしました」と、時おり中古で同じモデルのパターを購入しているという。

「Yahoo!で『長尺パター』って検索するんですよ。そうすると画像がバーッと出てきて、オークションサイトに飛ぶ。その中でいいものを探していきます」。時間があるときに携帯とにらめっこ。気になる相場は、「安くても2万円以上はしますね。今気になっているのは3万8千円のものです」と画面をみせてくれた。小まめにチェックを続けて良品を見つけてきたことで、ストックは5本に増えた。

商品欄の「市原プロ愛用」という文字に本人もクスっと笑う(撮影/服部謙二郎)

市原はエースパター以外にも“美品”があれば買い集めている。「アンカリング規制の前って、いろんなメーカーが長尺用のヘッドで作ったパターを出していたんです。その頃の長尺パターには結構いいヘッドがあるんですよね」。長尺用の大きなヘッドや重いヘッドが狙い目だ。

「スパイダーの長尺用のやつとかいいんですよね。キャメロンもいいのがある。ピンのヘッドも家にけっこうあるなぁ」。もはやマニアの域。「当時のパターは装着シャフトも長尺用のしっかりしたモノが多いですね。アンカリング規制になってから各メーカー作らなくなったので、シャフトとかもいいのが少なくなっちゃって…」と、真剣な嘆きも止まらない。

右手はグリップに添えているだけ(撮影/服部謙二郎)

ベテラン長尺ユーザーとしては、「また最近使う人が増えてきたからか、中古市場に長尺が出てきました。やっぱりちょっと一時期モノがなかったんでね。意外とゴルフパートナーとかでも長尺パターが売れるらしいですよ」とブームの再来を歓迎。「ゴルフ始めた若い子とかが、他の人と同じパターを使いたくないと言って長尺を使うケースがあるみたいですよ」。そんなエピソードを、自分事のようにうれしそうに話していた。(編集部/服部謙二郎)

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