パリ五輪でも「富岡魂」 大堀彩らバド5選手、壮行会で誓い

パリでの飛躍を誓う(左から)渡辺、東野、大堀、保木、小林=富岡町総合体育館

 パリ五輪のバドミントン日本代表で、女子シングルスの大堀彩(トナミ運輸、福島県会津若松市出身)ら富岡高卒の5選手を招いた壮行会が3日、富岡町総合体育館で開かれた。スタンドいっぱいに駆けつけた双葉郡の住民ら約600人を前に、大堀は「たくさんの人への感謝の思いをコートで最大限に表したい」と誓った。

 双葉郡内の教育長や商工会長、富岡高関係者らでつくる「双葉のオリンピック選手を支援する会」の主催。大堀のほか、男子ダブルスの保木卓朗、小林優吾(トナミ運輸)、混合ダブルスの渡辺勇大、東野有紗(BIPROGY)が参加した。

 元富岡高校長の青木淑子会長が「2006年に始まった双葉地区教育構想で全国から夢を持った子どもが集まった。震災・原発事故で全てが失われたように思えたが、あの日まかれた種は富岡を離れても生き続けていた。富岡魂を掲げ、世界に向かっていった皆さんがその証し」と語った。

 山本育男富岡町長、北村清士県スポーツ協会長が激励し、関係団体から選手たちに応援メッセージが入ったフラッグや、双葉町に工場を置く浅野撚糸(ねんし)の特製タオルなどが贈られた。

 同体育館は5人が富岡一中時代に練習した場所だ。東野は「きつい練習をした思い出が残っている。それがあって今、この舞台に立てている」と強調。渡辺は「東野と一番いい色のメダルを持ち帰り、またこの場所でスピーチをさせてほしい」と意気込んだ。保木と小林は同町を訪れたのは東日本大震災以来とし「気迫あふれる攻めのプレーで、男子ダブルス初のメダル獲得を目指す」と意気込んだ。

 バドミントン5選手は同日、母校・富岡高の流れを受け継ぐふたば未来学園中・高(広野町)も訪問した。

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