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学校を卒業して以来、ずっと歯を食いしばって頑張ってきたサラリーマン。定年でひと区切りがつきますが、なかには「老後は移住してのんびり過ごしたい」という人も多いのでは? しかし、そんな想いも、あっという間に崩れ去るケースが……みていきましょう。
定年後は移住したい!老後に住みたい移住先ランキング
サラリーマンになってから、毎日すし詰めの満員電車に乗り、仕事では楽しいことよりも苦しいことばかり……。
――定年退職したら田舎に移住をして、のんびりしたい
そんな夢をいだいている人も多いのではないでしょうか。株式会社AlbaLinkが行った『老後に移住してみたい都道府県に関するアンケート』によると、老後に住みたい移住先の条件として最多は「近隣に商業施設がある」で47.4%。「近隣に医療機関がある」「交通の便が良い」「自然を感じられる」「気候が温暖」と続きます。老後の移住先は自然環境はもちろんのこと、やはり暮らすなら生活利便性も必須のようです。
さらに「老後に住みたい移住先」を聞いたところ、1位は「沖縄県」で15%。「東京都」「北海道」「神奈川県」「福岡県」と続きます。
【老後に住みたい移住先ランキング】
1位「沖縄県」
2位「東京都」
3位「北海道」
4位「神奈川県」
5位「福岡県」
5位「兵庫県」
7位「長野県」
8位「千葉県」
8位「静岡県」
10位「大阪府」
沖縄や北海道を選ぶ人は、自然を感じて暮らしたいと思う人でしょうか。東京や神奈川など主要都市圏を選ぶ人は、生活利便性を重視。なかには「老後も仕事をするつもりだから、都会のほうがいい」という意見も。
60歳の定年退職を間近に控えた結婚35年の夫婦も、定年後は移住を考えているひと組。お互いに地方の出身で、就職と共に上京。30歳すぎにはマイホームを購入。生涯、東京で生きていくつもりだったといいます。しかし定年が近づくに従い、老後はゆっくりと田舎で暮らしたいという思いが強くなったといいます。
――海のキレイな田舎がいい
そう思い、定年を迎えたら本気で移住しようと、移住セミナーにも参加したり、具体的に物件を探したりしていたといいます。
長女の「突然の妊娠報告」に歓喜の夫婦だったが…
40年近く勤め上げたことで手にした退職金は2,000万円ほど。コツコツと進めてきた貯金は3,000万円ほどになるといいます。
――東京の家は処分すれば、田舎じゃ贅沢な暮らしができる
そんな皮算用も。しかし夢は長女夫婦の想定外の行動により、一気に破綻を迎えたといいます。
――お父さん、お母さん、子どもができたの
結婚4年目。待望の第1子に初孫。嬉しい報告に歓喜の声。さらに長女の報告は続きます。
――あそこの家、買うことにしたの
あそことは、夫婦の自宅のはす向かいで売りに出されている一戸建て。「えっ、そんな(実家の)近くに家を?」耳を疑ったといいます。
――これなら孫の面倒もみられるでしょ
長女は生まれてくる子どもを親にあずける気、満々。出産後もすぐに仕事復帰するつもりだという長女。そのために親(祖父母)のサポートは不可欠だといいます。また長女の実家近くに家を買おうと言い出したのは、意外にも長女の夫だといいます。
――お義父さん、お義母さんがいたら、心強いです
マイホーム実現のためには、夫婦共働きは絶対条件。そのため、子どもが生まれたらすぐに仕事復帰するというのは、夫の希望でもありました。さらに初めての子育てだから、経験者が近くにいたほうがいい……実家は関西の長女の夫。義親近くに住むことになんら抵抗感はなく、むしろ自分たちのこれからを考えたら、ベストな選択だと考えているといいます。
国立社会保障・人口問題研究所『第7回全国家庭動向調査』によると、いずれの親とも同居していない妻について、親がどの程度離れた距離に住んでいるのか尋ねたところ、妻の母親とは、「敷地内」が3.3%、15分以内が21.7%、15~30分以内が16.8%、30~60分が17.1%、60分以上が40.7%。また30代の妻は、自身の母親と「30分未満の距離に住んでいる」が37.6%でした。
長女のように、親のサポートを期待して親の近くに住むケースは決して珍しいことではないようです。ただ、実家のはす向かいに家を買うケースは珍しいかもしれません。
――海の近くでのんびり暮らす夢の老後が……
夫婦共働きが当たり前になるなか、祖父母も子育てに強制参加……そんなパターンは今後、増えていくかもしれません。そうなると、定年後は夫婦水入らずでのんびりと、といった老後は見直しを迫られるでしょう。
長女と娘婿の想定外の行動に、老後の移住計画が一気に破綻してしまった夫婦。最近は「仕方がないか」と、すでにおじいちゃん、おばあちゃんの顔になっているといいます。
[参照]