東京都知事「だけに」求められる視点とは?都政を最も深く知る記者が小池都政8年と都知事選の争点を紹介!選挙ドットコムちゃんねるまとめ

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2024年7月3日に公開された動画のテーマは「東京都知事選の争点 小池都政の評価は?」

東京都政をもっとも深く取材する都政専門紙の記者が見た都政の評価は?都政新報記者の後藤貴智氏をお迎えし、2期8年の小池都政を振り返ります。「東京一極集中の解消」政策に見られる、東京都知事ならではのポジショニングについても紹介します。

【このトピックのポイント】

  • 都政を知り尽くした記者、小池都政8年の評価は「大きな失政なし」
  • 「トップダウン」とパフォーマンス先行の傾向か
  • 都知事選、この人になったら都政はどう変わる?有力候補を比較

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小池都政8年は「大きな失政がなく、安定感」評価のポイントは?

毎日新聞の中盤情勢の調査結果では、小池百合子知事の8年間の都政への評価は「大いに評価する」と「ある程度評価する」の合計が55%となりました。

後藤氏は、この結果を「意外と厳しめ。もう少し高くてもよかったかなという気がしました」と語り、2点のポイントから「安定感がある都政運営が徐々にできてきている」と振り返ります。

  • 大きな失政がないこと
  • 前任(舛添要一・前知事、猪瀬直樹・元知事)が「お金の問題」で途中辞任が続いたあと、2期8年運営を続けてきたこと

MC鈴木邦和「有権者が小池都政を評価するのは、どんな部分がありますか?」

後藤氏は、以下の3点を挙げます。

  • 大きな失政がないところが大きい。お金の問題がでていない
  • コロナ禍の対応、賛否はあったけれどうまく乗り越えてきた印象
  • ばらまきという批判はあるが、子供・子育て支援の「018サポート」(18歳未満の子どもに年間6万円を支給する施策)や高校授業料無償化など、都民が恩恵を受けている

小池都政は政策決定過程が不透明?「7つのゼロ」と過去の知事との比較

小池氏が都知事に就任する際、「7つのゼロ」の公約を掲げました。一部報道では、こちらの現時点の達成状況を以下のよう評価しています。

後藤氏は、7つのゼロ公約については、「パフォーマンス先行のスローガン。たとえば多摩格差は何をもってゼロなのか、ビジョンが見えない」と評価します。

MC鈴木は、「政策の時間軸がバラバラなのが気になる」とコメント、都道の電柱ゼロのように、政策の実現可能性に疑問を抱くものが含まれていることを指摘します。

後藤貴智氏「多摩格差については、こういったものをやるといった政策を打ち出しながらならわかるが、そういったところが見えないですよね」

MC鈴木「交付金は増えていますけど、何をもってゼロとするか難しいところがあるいかもしれないですね」

これらを踏まえ、後藤氏から見て小池都政で評価できない点には、どのようなものがあるでしょうか。

後藤氏は、「政策決定過程が不透明なのが一番大きい」と答えます。

通常、行政の政策は現場の課題を拾い、現場目線で問題を埋めながらボトムアップで積み重ねていくアプローチが中心です。しかし、「018サポート」事業は、議論のない中、小池都知事のトップダウンで始まったという経緯があります。

後藤氏「去年の正月に岸田総理が『異次元の少子化対策』を打ち出したときに、標準を合わせたかのように子ども政策を打ち出した。パフォーマンス先行的な形で政策が打ち出されてしまう」

後藤氏は、行政のトップと政治家の側面を持つ知事という立場上「トップダウン自体が悪いことではない」とコメントしますが、過去の都知事と比較して、小池都知事に「トップダウンの傾向が出過ぎている」と指摘します。

後藤氏「1期目、自民党を敵視し、スローガン先行で出馬した。築地市場の移転問題も、具体的な積み重ねがない中で政策を打ち出してしまっている」

過去の知事と比較してもトップダウンの印象があるのでしょうか。

後藤氏「石原さんは興味のあることはトップダウン、興味のないことは関知せずのことが多かったので……そのあたりは意外と積み重ね。当時は職員も知事の発信力を生かしながら政策を知事に提案し、打ち出す形が一定程度できていたので、ボトムアップもかなり出来ていた。現在はそれがない」

MC鈴木は「小池さんのスタイルは365日働く人」と評します。その結果、小池都知事がいろんな分野でトップダウンを発揮しているのではないか、と疑問を提示します。

後藤氏「いろんな分野というか……ちょっと前に話題になった外苑再開発の問題では、民間の再開発とはいえ、都民の中で賛否が起こっている中でトップとしてどう発信するか見えなかったですよね。そういう点ではあらゆる面でトップダウンを発揮するわけでもないのかなという気がします」

都知事選、この人が当選したらどうなる?有力候補3名の場合を予想

ここまで、小池都政8年を振り返ってきましたが、小池都知事が再び当選されたら都政はどうなっていくのでしょうか。

まずは、小池氏が再選された場合ですが、後藤氏は「8年間を通じて徐々に安定してきた。その安定路線が3期目も続くのではないか」と分析します。

小池都知事の1期目に見られた改革に対する強い姿勢は、「自民党との対立姿勢が徐々になくなってきて、ほぼ同じ路線を歩んでいる。裏を返せば安定感だが、改革というところはしぼんできたように見える」とコメントします。

ほかの有力候補が当選した場合は?

蓮舫氏について後藤氏は、「政権交代になるので、はじめは大きな混乱があるだろう」と予想する一方、「政策に言うほど大きな違いが見られない。そういう意味では、あまり混乱せず進むのでは」と見立てます。

難しそうなのは議会運営になりそうですが……

後藤氏は、小池都知事がそうであったように「蓮舫さんも首長となれば、現実的に議会の了承を得るというところで、自民党・公明党の政策を無視できない」と指摘します。

現在、都議会では立憲・共産で34議席獲得しています。都議会の過半数は64議席で、最大会派の自民党が28議席です。このため、ひとつの会派を組み入れたところで与党は形成できません。

MC鈴木「自民+無所属会派をいくつか、都ファ+公明という形で与党を形成しないと予算が通らないという状況。そのあたりが大変そう」

自民党も予算反対の経験はあるとしながらも、後藤氏は、「自民党になってくると、予算反対はよしとしないところがある」と推察、歩み寄りを見せるとも予想します。

MC鈴木も「自民党にとっても、予算の受け手となる都民の皆さんがたくさんいらっしゃる中で、予算に反対するのは大変な行為ですからね」と相づちを打ちます。

一方、石丸伸二氏が当選した場合には「議会とバチバチじゃないですか(笑)」と予想する後藤氏。

当選したら民意を反映したと言えるため、議会も「反対のための反対はしないと思います」と言うものの……

後藤氏「石丸氏のキャラもあるので……石丸さん自身も政治改革を強く訴えているので、議会運営は激しくなると思うのかな」

石丸氏が政策に掲げる、東京の人口過密の解消については。

後藤氏「私も個人的にはそう思います。これだけ地方が疲弊している中で、東京一極集中といわれるにはそれだけの理由がある。『東京から変えていく』という石丸氏の主張は悪くないが、一方でその話が都民に理解を得られるか、受けるか。ピンとこないところが多いような気がする」

過密が解消されたときのイメージが想像しづらいという点があるのではないかと予想します。

また、後藤氏は石丸氏のネットでの発信力に着目します。

後藤氏「石丸氏はネットで人気を博して注目を浴びている。発信力や世論形成などネットが欠かせない中、ネットに主軸を置いているところは都政を変えていくという感覚がありますね」

最後に、都知事にはどのような能力や人間性が求められるでしょうか。

実務者として取材を続けてきた後藤氏は、「首長は自治体の有権者のために政策を打ち出すもの。言うなれば有権者が株主であり、株主のために働くのがあるべき姿」と前置きした上で、東京都知事ならではの役割に言及します。

後藤氏「東京都の場合はそこだけではなく、日本全体のことを見ないとならない。世界の中の東京。有権者目線だけではない、日本全体や世界を俯瞰した目線が明確に必要」

コロナ禍でも、東京都の対応が日本全体で注目され、影響力の強さを示しました。豊かな財政があるからこそできることではありますが、「ニッポンスタンダード、ワールドスタンダードにできるか」という視点での取り組みも必要となるのは、東京都知事ならではでしょう。

その東京を担う都知事は誰がふさわしいか。

東京都知事選は7月7日投開票。

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都政を最も知る現役記者が語る都知事選とは?小池都政8年を振り返る!

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