「頭をガシッと掴まれて」「まるでサンシャイン池崎さん」私の出産爆笑エピソード。出産を快楽に変える⁉ なぞのホルモン「エンドルフィン」に迫る

引用元:minianne/gettyimages

「たまひよ」アプリユーザーに、「思わず笑ってしまう出産エピソードを教えてください」と、募集したところたくさんのエピソードが届きました。また「陣痛が遠のくタイミングが好き」というエピソードに「それはすばらしいこと!」と、ベテラン助産師の濵脇先生。その真相を解説します。

「バファリンちょーうだーい!」「全員の給料払うから帰らないで!」と、叫ぶ。「医師の胸ぐらをつかむ」出産爆笑エピソード

助産師さんの“グッジョブ!” & くすっと笑えるエピソード

「いきむ瞬間、目をつぶるとおなかではなく顔に力が入るのでNGと知っていましたが、思わず目をつぶっていきんでいると、助産師さんに頭をガシッと掴まれて『目ぇ開けてー!私の目ぇーみてー!!』と、ものすごい勢いで叫ばれて、驚いて思わず目を見開きました(笑) おかげでいきんだ後すぐ出てきてくれました」(ちゃんぴ)

「9年前の初めての出産時、あまりの痛みに『もうむり!やめます‼』と、叫んだら、助産師さんの返答が冷静で『はーい、やめられませんよー、頭が出てるからもうひと息だよー』 今思えば、そりゃあ、そーだ(笑)」(こりん)

「エクササイズが趣味で腹筋を鍛えていた私(妊娠中は休んでいました)。出産でいきむ時に若い助産師さんがおなかを押してくれたのですが『腹筋がすご~い』と、ベテランのおばちゃん助産師さんとバトンタッチ。激痛のなか、ちょっと笑いそうになりました」(りん)

「もうすぐ生まれるという時、助産師さんがおなかを押し、私も言われた通り息を止めて『んー』と、いきんだら、我が子がスポーンって飛んで出てきました。飛んだのが本当にわかったんです。思わず笑ってしまいました!」(リリック)

「助産師さんに『赤ちゃんの頭が見えてきましたよ!』と、言われたので、もう結構出てきているのかと期待して『どのくらい(のサイズ)ですか?』と、聞いたら『ピーナッツくらい!』と、想定外の返事で、陣痛中だけど笑いました」(マーブル)

出産エピソードあるある。赤ちゃん? ウ〇チ? どっちなのエピソード

「分娩台に上がる前に『おしっこしときましょう』と、トイレに誘導されました。『おしっこは出ません!ウ〇チが出ます!』と、言ったら、『それは赤ちゃんだからダメ!』と、助産師さん。『いや、絶対ウ〇チ!自分の身体なんだからわかるもん!』と反論したら、本当にウ〇チが出ました!笑」(みるく)

というママは少数派。ウ〇チではなくて……が一般的なようです。

「出産予定日は10日後だったので、究極の固いウ〇チだと思っていました。踏ん張ればチョロチョロとウ〇チは出るけど、一番引っかかっている大きなウ〇チが出ない。自宅のトイレとお友だち状態が4時間程続き、最後の1時間は激痛となって動けなくなり、さすがにやばいと夫とともに病院へ。子宮口9センチのほぼMAX状態でしたが、分娩台に上がる直前まで『ウ〇チが、ウ〇チがでる』と、叫んでいました。助産師さんに『それは、赤ちゃん!』と言われ(笑) 引っかかっていたでっかいウ〇チの感覚は、息子の出産と同時になくなりました(笑)」(ピュアママ)

「破水したので急いで病院へ。病院へ着くとずっと便意でソワソワ。私は毎朝、規則的にトイレへ行きますが、その日の朝は出していないからウ〇チだと思い、待機室のトイレで踏ん張っていたら『それ、赤ちゃんの頭だから!』と、看護師さんに怒られました(笑) はじめてのお産でしたが、そこから15分のスピード分娩でした!」(ほったさん)

「分娩中、ウ〇チがモリモリでました!めちゃくちゃ忙しそうな夜で、助産師さんは真顔でササっと捨てていました(笑)」(つなまよ)

「分娩台にあがって、陣痛が辛くてたまらず『わぁ~!ウ〇チ出そう!』と、叫んでしまった。しかも何度も。助産師さんの『出していいよ~』という言葉に恥ずかしさがなくなり、その場で安心して出産できました。でも、後から考えたら、なんてことを叫んでしまったんだろうと思います」(あやチキ)

経産婦なら共感できる、こんなはずじゃないエピソード

「緊急帝王切開での出産でした。我が子を見てまず思ったことは『うわっ、血だらけ』でした。もうちょっと感動すると思ってたのに……(笑)」(まあ)

「長女は帝王切開でした。次の日から看護師さんと動き始めましたが、術創部と子宮復古の痛みが強く、点滴スタンドを押して歩くのが精いっぱい。腹部が痛くて身体を前屈みにして歩いたら、見舞いに来た母が病室の前で待っているのが見えました。目があったのに知らんぷり。近づくと『あら、あなただったの。どっかのおばあちゃんだと思った』と。産後のダメージが大きすぎました」(久しぶりに妊娠したママ)

「帝王切開でした。術後、足を動かすと尿カテ先が不快。身体の向きを変えるとおなかのドレーンの先が当たって不快。歩行・起き上がる・立ち上がるの動作は、腹筋を使うのでとにかく痛い。
それでも回復のため歩かなきゃいけないのはわかる。やる気もある。でも痛くて、ゆっくりしか動けない。『また午後からにしましょうか』と、看護師さんは言う。その気持ちもわかる。だって私も看護師だった頃、『おなか切ったから痛いよね、でも回復の為に歩きましょう』と、当たり前に言っていたから。患者さんの気持ちがよーーくわかりました」(ターまま)

「里帰り直後の健診でいきなり逆子と判明。翌週には急遽入院での帝王切開となりました。しかし!入院当日、エコーで逆子解消が判明し、大量の荷物とともに家に帰らされました…」(えるれねこ)

「分娩台にいるときに尿意があり、トイレに行きたいと伝えると『管で出しましょう』と言われました。痛いし恥ずかしいし…もう管をされたくない一心で、喉が渇いても水分補給をしませんでした。ところが数時間後『点滴の分でおしっこ溜まってるだろうから、管で出しときましょう』と。なら喉を潤せばよかった……」(なっちゃん)

やっちまった! 痛みで我を忘れたエピソード

「助産師さんに『目はつぶっちゃ駄目!しっかり目を開いて下を見るんだよ!』と、励まされながら出産。もうとにかく必死で、目の奥が内出血していることも、言われるまで気づかないほどでした。病室に戻り落ち着いた頃にふと『あの時 どんな顔していたんだろ』と、鏡の前でやってみたら、サンシャイン池崎さんの『イエーイ』の口を閉じたバージョン! ひとりで吹き出しました(笑) いざ出産!となると、女を捨てるもんなんですね(笑)」(あぽぅ)

「陣痛中はおなかも痛いが、とにかくお尻の穴が痛くて痛くて。『尻の穴を、尻の穴を押してください!全力で押してくださーい(泣) 尻の穴をー!!!!』と、こんなにも“尻の穴”を連呼する日が来るとは思いませんでした」(ちゃーん)

「第1子の出産では24時間かかっても出てこず、痛みで吐くなど、とにかく辛かった。途中、助産師さんがお昼や夜ご飯にと、おにぎりとお味噌汁を持ってきてくれたのに『食べられるかー‼』と、叫んでしまった。最後は帝王切開で無事に生まれました。産後、助産師さんに謝りました…笑」(こっちゃんママ)

「『痛いー!』『あー!』と、声を出していたら先生が『声を出してもいいよ、頑張れ』と、言ってくれたのですが、なかなか生まれなくて体力がなくなるなか『痛いー!! キャー‼ 誰か助けてー‼』と叫んでしまい、先生に『静かにしなさい!』と、怒られた(笑) “誰か助けてー!”ワードが駄目だったのかな。先生ごめんなさい、反省してます!」(お米)

そしてこんなエピソードもありました。

「陣痛が引くタイミングで助産師さんに『この感じが好きです!』と、意味が分からないことを言ってしまいました。助産師さんも『ほらほら、もうすぐ好きなとこだよ~』と、励ましてくれるようになり、恥ずかしくなりました。痛みで頭が正常にまわらず、変なこと言ってしまうのは、あるあるなんだろうな…(笑)」(たいちゃんのママ)

ところが「痛みが引くときの感じが好き」は、おかしいことでも何でもなく、逆に「お産が正常に進んでいる証拠」なんだそうです。数千人の母子と家族のケアを行い、多方面で活躍する助産師の濵脇文子先生に聞きました。

「陣痛の合間は、究極の癒しのホルモン“エンドルフィン”を感じて!」と、濵脇先生

「『この感じが好き』という体験は、お産が順調に進んでおり、脳内麻薬とも言われるホルモン『エンドルフィン』が効果的に作用したのでしょう。

お産=痛い・苦行、というイメージだと思いますが、実はそんなことはないのです。身体機能は本当によくできているのです。

お産ではたくさんのホルモンが分泌されますが、そのなかのひとつが『エンドルフィン』です。
モルヒネ以上の鎮痛効果がある、別名『脳内麻薬』とも呼ばれる究極の癒しのホルモンです。

マラソンなどのランナーズハイは、このエンドルフィンが作用していると言われています。

陣痛の痛みが強いと息を止めがちになり、筋肉を緊張させ、子宮口が開きにくくなるなど、お産の進行を妨げることがあります。
そこでエンドルフィンが分泌され、陣痛の合間に全身の緊張を和らげてリラックスさせる時間を作り、緊張と弛緩を繰り返すことで、お産を安心安全に進行させるのです。

お産経験者のなかには稀に『気持ちよかった』『まったく苦じゃない』という方がいたり、陣痛の合間にウトウトと寝てしまう方がいたりしますが、これはエンドルフィンの影響なのです。

話は少しヨコにソレますが、私は『お笑い』と『お産』のリズムは同じと思っています。

わかりやすいのはアキラ100%さんの芸です。全裸で局部をお盆で隠し、皆が緊張して見守るなか、お盆を素早く動かしてどっと笑いをとる。お笑いのリズムも『緊張』と『弛緩』の繰り返し。私は、人間がよりリラックスできるリズムなのではと思っています。

なのでぜひ、陣痛の合間の癒しの時間に注目してみてください。
つい『もうすぐ、くる、くる』と、身構えたくなりますが、エンドルフィンを感じつつ深く呼吸をして全身リラックスするよう心掛けましょう。

心が落ち着いて、お産に臨むことができるのではないでしょうか」

濵脇文子(はまわき ふみこ)

PROFILE)
助産師・保健師・看護師。大阪大学招聘准教授。星薬科大学非常勤講師。総合病院・クリニック・助産院など様々な場所に勤務。母と赤ちゃんの笑顔が大好きで、数千人の母子のケアに携わります。産前産後ケアセンターの立ち上げに参加したり、民間企業での事業開発など多方面で活躍。自治体の講演や各種メディア執筆では、ひとりひとりのペースにあわせた母に寄り添う姿勢と、明るく軽快な語り口で人気を博します。

文/和兎 尊美

※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※記事の内容は2024年3月の情報で、現在と異なる場合があります。

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