[バイク雑学] ヘルメットが入らないのに、なんで“ヘルメットバック”なの? 【米空軍発祥のミリタリーアイテム】

●文:モーサイ編集部(石橋寛)

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ヘルメットをどう持ち運ぶ? 購入時に付属の“保存袋”はお出かけ向きじゃないような…

「ヘルメットバッグ」と検索すると、ナゾのトートバッグが大量にヒット!?

トートバッグ風「ヘルメットバッグ」の誕生は、1950年代のアメリカ空軍

じつは、このトートバッグ風ヘルメットバッグはアメリカのミリタリーグッズに端を発しているもの。その来歴をちょっとだけご紹介しましょう。

1950年代、朝鮮戦争時にアメリカ空軍(US AIR FORCE)が正式に組織された際、パイロットがハードヘルメットを装着するようになりました。ハードヘルメットには強い日差しをカットしてくれるサンバイザーや、高高度向け酸素マスクといった装備があったため、空軍の装備課が「やっぱ、なんかバッグにいれたほうが良さげ」と考えたとしても妥当でしょう。

ちなみに、ハードヘルメット以前は、レザーでイヤーマッフルがついた“飛行帽”でしたから、バッグやケースの必要性はそれほど高くなかったのでしょう。

そして1970年代、現代に生き残るあのカタチに

で、トートバッグだったスタイルが、今度はちょっと大きめのきんちゃく袋に変わりました。現代のいわゆる「ヘルメット保存袋」とさして変わらないスタイルですが、当時は陸海空軍とも兵士向けバッグが充実していたらしく、このきんちゃく袋はバッグインバッグとして活用されていたようです。そして、カラーもいわゆるアーミーグリーン(セージグリーン)へと変更。ミリタリー感が上がってきました。

そして1970年代、ベトナム戦争が終わってからのヘルメットバッグこそ、検索するとたくさん出てくる“あのカタチ”へとモデルチェンジ。おおむねトートバッグに近いものですが、バッグの身頃には大きなポケットが装備され、支給される日用品がどっさり入る仕様です。また、容量も上がっているようで、朝鮮戦争後も進化を続けているパイロットヘルメットの大型化にも対応しているとのこと。それにしても、シンプルというか無骨なスタイルなのに、ファッションシーンでこれほどウケて、後にスタンダード化するとは、最初の備品課担当者は夢にも思わなかったことでしょうね……

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※本記事は2022年8月24日公開記事を再編集したものです。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。

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