元タカラジェンヌの音楽ユニット『Wild Pancake+』 退団後は「まったく違うこと」に挑戦

元タカラジェンヌの汐美真帆と北川加奈による音楽ユニット「Wild Pancake+」が、このたび、ラジオ番組に出演。宝塚歌劇団退団後の活動について語った。

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宝塚歌劇団の男役として活躍した汐美真帆は、退団後、ニューヨークへ語学留学。数々の舞台に出演しながら、メイクアップや料理、ヨガ、介護福祉や馬術などを学びさまざまな資格を取得した。現在は、宝塚のパンケーキ屋「cafe de Voila(カフェ・ド・ヴォアラ)」のマネージャーを務める。

一方、宝塚歌劇団の娘役として活躍した北川加奈。幼いころより国立音楽大学の附属校でピアノを学んでいたことから、退団後は宝塚歌劇オーケストラでシンセサイザーを演奏している。

【近藤夏子(以下:近藤)】 退団後に宝塚歌劇オーケストラで活躍する、という道もあるんですね。

【北川加奈(以下:北川)】 たぶん“初”だと思うんですよね。退団後にミュージシャンになっている人は少なくて、あまりないパターンなんじゃないかなと思っています。

【近藤】 皆さん、退団後は芸能活動を含めていろいろなシーンで活躍されていますが、そのまま宝塚のオーケストラに入るのは珍しいんですね!

【北川】 退団後そのまま入ったわけではなくて、音楽の勉強をして音楽事務所に入ったんです。その後、機会がありまして、現在はバンド活動なども行いながら、オーケストラに入らせていただいているという感じです。

【タケモトコウジ(以下:タケモト)】 オケピ(オーケストラピット)から、後輩たちを見ているわけですね!

【近藤】 (後輩に)いろいろ言いたくならないですか(笑)?

【北川】 まったくならないですね(笑)。

【タケモト】 汐美さんは、宝塚にあるパンケーキ屋さん「cafe de Voila(カフェ・ド・ヴォアラ)」でマネージャーをされているとのことですが、店頭に立ってパンケーキを売っているわけではないですよね?

【汐美真帆(以下:汐美)】 いえ、売っています!

【タケモト】 え? 2人ともですか?

【北川】 はい、そうです。

【近藤】 じゃあ、お店に行ったら会えるのですか?

【汐美】 そうですね。私はマネージャーとして、店頭に立つこともあれば、裏でパンケーキを焼いたりもしますし、経理もします。北川ちゃんはアルバイトで、裏でパンケーキを焼いてくれています。

【北川】 音楽の次に好きなことが料理なので、音楽活動をしていないときにキッチンでバイトさせていただいています。

【近藤】 (汐美さんが)誘ったんですか?

【汐美】 きっかけは、パンケーキ屋さんで2人でライブをしたことです。お店にグランドピアノがあるので、「北川さんにピアノを弾いてもらって、1~2曲くらいやろうか」みたいな。

【北川】 (ライブに)お誘いいただきました。

【汐美】 軽い感じでやっていたんです。それで、「ちょっと裏で(バイトも)やらない?」となった感じかな。

【北川】 そうだったかな。あいまいなんですけど、バイトをしたらずっと一緒にいられるかなと思って。一緒にいたいなって。

【近藤】 めっちゃかわいいじゃないですか!

【汐美】 そうですね。私のファンでいてくださって。

【北川】 いちファンとして、みんなと一緒です。大ファンです!

【近藤】 めっちゃ素敵な関係性! お2人(の在団期間)はかぶっていないんですか?

【汐美】 かぶっていないんです。私が現役のときに(北川さんが観客として)観てくれていたんです。

【近藤】 そうなんだ! じゃあ、もう本当に芸能人として見ていた“憧れの存在”ということですね。

【北川】 本当にそうです!

【近藤】 最初はパンケーキ屋さんでライブをしていて、現在は「Wild Pancake+」という音楽ユニットで活動されていらっしゃるんですね。

【タケモト】 4月には、ファーストミニアルバム『笑顔が花束となってあなたに届きますように』をリリース。これはライブ版ではなく、レコーディングをされたんですよね。

【汐美】 そうですね。打ち込みもアレンジも、ぜんぶ北川ちゃんがしてくれて。

【近藤】 え、すごいですね! 打ち込みができるということは、オケ(オーケストラ)をぜんぶ作れるということですよね?

【北川】 そうですね。

【近藤】 楽曲制作は、すべてお2人でされているのですか?

【北川】 歌詞を一緒に作ったり、私が作った曲を汐美さんに聴いていただいて、「もっとこうしよう」みたいな。本当に2人で作ってますね。

【汐美】 アルバムの写真も自分たちで撮っていますし、ぜんぶが自作ですね。

【近藤】 何でもできるって、めっちゃかっこいい。見習いたいです。在団時から音楽制作をされていたんですか?

【北川】 (在団中は)まったくやっていないです。退団してからですね。

【近藤】 すごいですね。宝塚に入るだけでもすごいのに、活躍して……。退団後にも、新たなことをしているんですもんね。

【北川】 でも、汐美さんも退団してから語学の勉強をされてますもんね。

【汐美】 30代の私が、10代の人たちと一緒に勉強しているという感じでした。

【近藤】 それでもやっぱり(海外に)行きたいと思ったんですか?

【汐美】 宝塚とはまったく違うことをやりたくて。それで、「もうニューヨークに飛んじゃおう」と思って。

【近藤】 素敵だな、そういう関係。

【汐美】 私たちは、学年で15年、年齢は13歳違うんです。これだけ年齢が離れていてもユニットを組めたり、パンケーキ屋で一緒に働けたりするのは、やはり宝塚の“ファミリー感”や“伝統”的なものもあるし、宝塚にいたことによって出会えたわけですから、常々「ありがたいな」と思っております。

【近藤】 そうですよね。学年が15も離れていると接点はなかなかないですけど、(宝塚という)大きなつながりがありますよね。お店にはファンの方々も来られるんですか?

【汐美】 そうですね。検索してくださって、海外からも宝塚ファンの人が来てくださいましたね。

【近藤】 甘いものが大好きなのでパンケーキにすごく興味があるんですが、どんなパンケーキなんですか?

【汐美】 うちのパンケーキは、スイーツにもフードにも合うようなパンケーキで、1番人気なのが「エッグベネディクト」です。3段重ねたパンケーキの上に、ベーコン、ポーチドエッグ、オランデーズソースがかかっていて。

【近藤】 おいしい!

【タケモト】 「おいしい」って言ってるやん! 脳内で食べてる(笑)?

【近藤】 まだ食べてないのにおいしいって言っちゃった(笑)。現在もパンケーキ屋さんにはグランドピアノが置かれていて、ライブもできるんですか?

【汐美】 ライブもできますし、いろいろなイベントも行っています。70人くらいは入りますので、ぜひ夏子さんも。

【近藤】 気づきました? いま頭の中で、「パンケーキを食べながらライブができる!」と思ってました。こういうつながりが大事ですからね! ファンクラブイベントやろっかな〜。

ユニットとしても、お店でライブをされることはあるんですか?

【汐美】 はい、ほぼ毎週。

【タケモト】 毎週ですか!? 毎週何曜日など、開催日は決まっているんですか?

【汐美】 土日にイベントがない週の平日に開催することが多いですね。土日を避けているのは、「平日にお客様に来ていただきたい」という(思いからです)。

【近藤】 素晴らしいです。さすがマネージャー!

【汐美】 日にちや曜日を固定していないのは、いろいろな日に実施することで、来れるタイミングが増えるかと思いまして。

【近藤】 ライブの予定は、どのようにして知ることができますか?

【汐美】 公式LINEや公式Instagramがございます。

【近藤】 それはチェックして行かないと! ライブを観て、パンケーキも食べて。

【汐美】 ライブの開催時は特別メニューを提供しているので、パンケーキは食べられないんです。そのかわり、お酒に合うメニューを提供しています。

私たちのライブは、むちゃくちゃラフで、飲みながら食べながらのライブなんです。私たちも飲みながらですし、乾杯しながらみなさまに音を楽しんでいただくという形。「音楽ってそういうとこだよね」という思いです。だから、最後のほうはちょっとベロベロになりながら(笑)。

【北川】 シラフでやったことない(笑)。

【タケモト】 それはいいですね。すごくレアな姿も見れる。

【北川】 まあ、あんまり変わらないんですけどね。

【汐美】 お酒が入っていても、ちゃんとしてます。

【近藤】 そりゃ、へべれけで呂律が回っていないような姿は見たくないですから! ちなみに、ほかの場所でライブされることもあるんですか?

【汐美】 今後はですね、なんと、海外に進出させていただくことになりまして。タイ・バンコクの「NIPPONHAKU BANGKOK2024」に出演します。

【タケモト】 海外進出早いですね! 海外発信などのアプローチをされていたんですか?

【汐美】 本当は日本から発信していきたかったんですけれども、海外から発信していき、そこから日本に逆輸入してもらおうと考えているというか。(宝塚の)装いを海外の人に楽しんでもらえればなと思って。

【近藤】 そういった装いもするんですね! 海外の人たちは好きかもしれないですね!

【汐美】 現在は、ホテルのイベントなどに呼んでいただくこともあります。北川ちゃんがドレスを着てピアノを弾いたり、2人でデュエットダンスを踊ったり。

【近藤】 汐美さんは、カチッと(した服装を)されるんですか?

【汐美】 はい。

【北川】 カチッとしたら、それがまたかっこいいんですよ!

【近藤】 またファンの部分が出てる! でも、この関係性が本当に素敵です!

※ラジオ関西『Clip月曜日』2024年6月24日放送回より

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