Snow Man、『FNS歌謡祭』で「BREAKOUT」初披露 ラウールを8人が守る、この日ならではのパフォーマンスに

Snow Manが、7月3日放送の音楽特番『2024FNS歌謡祭 夏』(フジテレビ系/以下『FNS歌謡祭』)21時台にNumber_i、TOMORROW X TOGETHERらボーイズグループと並んで出演。ラウール主演映画『赤羽骨子のボディガード』主題歌「BREAKOUT」を初披露した。グループの紹介パートでは、ラウールが直前に腰を痛めてしまったことを報告。そこに佐久間大介が「腰が“BREAKOUT”しちゃったみたいですみません!」とすかさずファンの不安を和らげるコメントを差し込む連携プレーを見せた。司会を務める相葉雅紀も肩を回しながら「大丈夫? 代わろうか? 無理無理ごめんごめん」とおどけながら和やかな雰囲気を作り出すと、ラウールは「自分のできる範囲でこの曲の魅力を存分にみなさんに届けられたらと思うので、ぜひ楽しんでください!」と意気込み。さらに相葉は「みんな(メンバーが)いるから!」と改めてエールを送った。

振り返れば、Snow Manは、およそ2年前のテレビパフォーマンスでもピンチを切り抜けていた。2022年7月11日、『CDTVライブ!ライブ!』(TBS系)出演時の7thシングル「オレンジkiss」テレビ初披露の時である。岩本照と佐久間が体調不良により出演ができず、急遽7人でパフォーマンスすることになった。メンバー不在の状況では、歌声を流したり、立ち位置を空けたままパフォーマンスをすることも多いなか、フォーメーションや歌割りを組み換え、7人編成でのこの日限りのスペシャルパフォーマンスとして成立させたのである。この臨機応変な対応からもグループとしてその時にできる最大限のパフォーマンスを見せようとする気概を感じることができた。

では、今回の『FNS歌謡祭』はどうだったのか。「BREAKOUT」は、リリース時に恒例となっているダンスプラクティス映像がまだ公開されておらず、今回の出演がフルパフォーマンス初披露のタイミングだった。目黒蓮、宮舘涼太、阿部亮平、向井康二、佐久間、渡辺翔太、深澤辰哉、岩本と、パフォーマンスモードにチェンジしたそれぞれの表情が映し出され、横一列の引きの画からセンターのラウールが抜かれるカメラワークからスタート。疾走感ある楽曲の雰囲気どおり、次から次へと切り替わっていくフォーメーション、歌唱パートを担当するメンバーを引き立たせる見せ方、歌をつないでいくポジションの変化がバリエーション豊富で楽しい。また、サビの力強いダンスの迫力は、テレビパフォーマンスでも際立っていた。

ラウールをセンターに据えたダンスブレイクも大きな見どころだ。体力的にも厳しいであろう楽曲の終盤にこうした激しいパートが設けられているのは、パフォーマンス集団としての意地が感じられる。今回は体をあまり大きく動かすことのできないラウールを8人が守るかのように、一層大きな動きで見せていたように映った。奇しくも「BREAKOUT」という楽曲の“大切なものを守り抜く決意”というメッセージとリンクするかのようなパフォーマンスだ。そして、再び9人が横一列になり背を向け、ラウールがラストをクールに締めた。

直前のアクシデントを感じさせない堂々たる姿を見せてくれたSnow Man。ラウールは冒頭で語っていたように、表情や歌声、手振りなど、できる範囲で気迫を伝えるパフォーマンスを見せた。また8人は、ラウールの分まで全力でエネルギーを注いでいた。今回もさまざまな場面を切り抜けてきたからこそ表現できた、この日ならではのパフォーマンスになっていたように思う。ラウールの回復後、どのような爆発力を持ってステージに臨むのか、今後のテレビ披露も楽しみにしたい。

(文=竹上尋子)

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