「昨年7月の大雨の教訓、忘れない」経験談など紹介 日田彦山線の旧大鶴駅舎でパネル展示【大分県】

昨年7月の大雨を振り返る展覧会が開かれている旧大鶴駅舎=日田市大肥
防災研修会であいさつする佐谷野大肥本町自治会長

 【日田】JR日田彦山線の停車駅だった旧大鶴駅舎(日田市大肥)で、昨年7月の大雨を振り返る展覧会が開かれている。大肥本町自治会(佐谷野利幸会長)の主催。大雨当日の経験談や、防災グッズを紹介するパネル11枚を展示している。7月末まで。

 昨年7月10日は県北部と西部を中心に未明から激しい雨が断続的に降り、日田市では小野、大鶴両地区で橋の損壊や土砂崩れなど大きな被害が出た。

 展覧会のパネルには、自宅が全壊した女性が近所同士の声かけで避難が遅れずに済んだというエピソードや、大鶴地区の土砂崩れ、倒木の写真などを掲載。防災啓発に取り組む佐賀県の団体から聞いた簡易トイレやエアマットなどお薦めのグッズ情報も載せている。

 佐谷野会長(69)は「災害を記憶し続けることが大切。高齢化する中、いざというときに助け合える関係性を地域で維持し続けたい」と話す。

 6月30日は旧大鶴駅舎で、同自治会と大鶴防災士会(石井徹会長)が防災研修会を開催。住民約20人が集まった。集落支援員の江田さつきさん(53)が防災用備品を紹介し、昨年の大雨で住民が取った避難行動などについて発表。石井会長(78)が「災害はいつ起こるか分からない。心にとどめて生活してほしい」と呼びかけた。

 大鶴駅は、2017年の福岡・大分豪雨の影響で日田彦山線の一部区間がバス高速輸送システム(BRT)「ひこぼしライン」に切り替わった後、旧駅舎から離れた場所にバス停が新設された。住民らは旧駅舎の活用法を模索しており、周辺に公園を整備する案などが出ている。

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