キャリア最高のシーズンを目指して全力を尽くすレイダースDEクロスビー

ラスベガス・レイダースのマックス・クロスビー【NFL】

キャリア5年目となる昨季に最高のシーズンを終えたラスベガス・レイダースのディフェンシブエンド(DE)マックス・クロスビーは、その素晴らしい成績をさらに向上させようと目指そうとしている。

パスラッシュの名手であるクロスビーは、2023年シーズンに自己最高記録となるサック14.5回、タックル90回、リーグトップのタックルフォーロス23回をマーク。しかも、これらの記録はすべて、シーズンのほとんどを負傷と闘いながら達成したものだった。

3年連続で17試合を戦い抜きつつも、プレーするのと同じくらいの時間で故障者レポートに名前が載っていた経験から、クロスビーは自身の準備方法を見直している。

『ESPN』のポール・グティエレスによると、クロスビーは「ほぼ毎日、シーズンを通して、練習ではずっと制限がかかっていた」と語り、こう続けたという。

「フィールドに出て、膝を酷使するわけにはいかなかったから、調整することを学ばなきゃならなかった。日曜日の試合に備えなくちゃいけなかったんだ」

「三歩進むために一歩下がっている感じだった。このオフシーズンで重要なのは、まさにそこなんだ。俺の目標は体格とは無関係で世界一になることで、毎日そのことを話して、考えて、実践しているし、行きたいところに行くためにどんな道を通らなきゃならないとしても、俺はそこを行くつもりだ。だから、キャリア最高のシーズンを迎えるために、使えるすべてのリソースを使い果たそうとしている」

クロスビーは昨シーズンの第2週に膝のケガを負い、残りのシーズンを通してそのケガに苦しむことになった。それでも、さらに10試合でチームのディフェンシブスナップの100%でプレーし続け、唯一80%を下回ったのは、レイダースがロサンゼルス・チャージャーズに63対21の大差をつけた試合で、控え選手を投入したときだけだった。

クロスビーがスナップの80%以上でプレーした試合には、シーズン第12週のカンザスシティ・チーフス戦も含まれるが、その週末、クロスビーの出場はダウトフルとされていた。それでも、チーフス戦で再びサックを記録したクロスビーは、その次の試合でさらにサック2回を決め、シーズン最多のタックル10回もマークしている。

レイダースがヘッドコーチ(HC)を解任し、11月までに3人の異なるクオーターバック(QB)を起用したシーズンにあって、クロスビーはチーム内で最も安定した選手であり続けた。

レイダースのシーズンは1月7日に終了。その後の3週間半の間に、クロスビーは膝と親指の手術を受けた。

そんなクロスビーは「2つの大きな手術を受けなきゃならなかったし、これまでとは違った経験だったけれど、結局のところ、自分の行きたいところに行く道は1本じゃなくて、複数ある。俺は周りの人々やチーム、関係者全員を信頼しているし、彼らが俺を100%の状態に戻すって信じている。そうやって、次のステップへ進むんだ」とコメント。

回復した今、クロスビーは健康を維持するためだけではなく、これからの1年でパフォーマンスをさらに向上させるべく、正しい道を模索している。

3年連続でプロボウルに選出された後でも、クロスビーにはまだ成長の余地がある。クロスビーはまだ年間最優秀守備選手の投票でトップ3に入ったことも、ファーストチームのオールプロに選出されたこともない。そうした飛躍は、クロスビー自身が強く起用を推した、ディフェンスに精通しているアントニオ・ピアースHCをチームに迎え、クロスビーの負担を取り除いてくれるスターディフェンシブタックル(DT)クリスチャン・ウィルキンスが加わったことで、より容易になるかもしれない。

ケガも依然として重要な要素だが、クロスビーは今のところ、それらを克服できたと期待しており、こう話した。

「大変なオフシーズンだ。だから、復帰までの道のりも大変さ」

【KO】

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