「被害者は性犯罪者」と語る 紀州のドン・ファン元妻に懲役4年6カ月求刑 別の男性から現金搾取の裁判

■資産家の夫とは『別の男性』から約3000万円をだまし取った罪

「紀州のドン・ファン」と呼ばれた資産家を殺害した罪に問われている元妻が、別の男性から現金をだまし取った罪に問われている裁判で、検察は懲役4年6カ月を求刑しました。

須藤早貴被告(28)は、別の男性(当時61歳)から、2015年から3回にわたり、現金あわせて約2980万円をだまし取った罪に問われていて、初公判で起訴内容を否認しています。

■須藤被告は「紀州のドン・ファン」と呼ばれた資産家の殺人事件でも起訴 裁判は始まらず

須藤被告(28)をめぐっては、この事件の2年後に和歌山県田辺市で起きた殺人事件でも逮捕、起訴されています。

死亡したのは被告の元夫で「紀州のドン・ファン」と呼ばれた資産家・野崎幸助さん(当時77)。

死因は急性覚醒剤中毒でした。

須藤被告は逮捕されてから容疑を否認した後、事件への関与について供述しておらず、いまだ裁判の見通しも立っていません。

■「私が詐欺師なら被害者は性犯罪者」と被告

そんな中始まった、詐欺罪の裁判。

須藤被告はこれまでの裁判でうそをついていたことを認めた上で、被害者もうそと分かって金を払っていたと主張。

そのうえで金を受け取るたびに体を触られたり、キスをされてたりしていたと訴え、「私が詐欺師なら被害者は性犯罪者だと思う」と述べました。

■「信じていた人に裏切られる男性の精神的負担重大」懲役4年6カ月求刑

5日の裁判で、検察側は「被害金額が大きく、信じていた人に裏切られる男性の精神的負担も重大で様々なウソでだました巧妙な犯行」となどと主張し、懲役4年6カ月を求刑しました。

一方弁護側は、「性的な接触の対価として被告の嘘に乗っかって高額の金を渡していた、犯行当時、被告は19歳で、罪に問うのではなく守るのが社会の責任ではないか」などと主張しました。

須藤被告は裁判官に最後に何か言うことはありますかと尋ねられると、「被害者男性は明らかに一部ウソをついていました。そこを見落とすなく裁判官には判決を下していただきたいと思います」と話し、裁判は結審しました。

判決は9月2日に言い渡される予定です。

須藤被告は野崎さんとは別の男性から金をだまし取った詐欺事件の当時19歳でしたが、社会的関心の高い殺人事件の被告人として、すでに実名報道されていることなどから、実名で報道します。

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