鳥取県有数の海水浴場が無念の開設断念…施設老朽化と高齢化の「波」に抗えず 朝ドラ効果期待も霧散

いよいよ夏本番へ本格的な海水浴シーズンに入ります。白兎海水浴場は5年ぶりの海開きにこぎつけましたが、一方で海開きできない海水浴場もあります。施設の老朽化、そして管理者の高齢化の波が押し寄せていました。

鳥取県琴浦町にある八橋海水浴場は、新型コロナの影響で2021年から休業しています。2023年のコロナ5類移行後は多くの海水浴場が再開する中、2024年も開設が見送られました。その理由が…。

やばせ振興会・清水さん:
(休憩所に設置する)パネルも傷んできましたし、一から色んな事を整備しないといけないということで予算的にも…。

休憩所で使う備品や看板などの老朽化。砂浜の近くにある備品などを保管する小屋も扉は釘で打ち付けられ、4年間閉じられたままです。
さらに高齢化などで振興会のメンバーが不足し、監視などの対応が難しくなったことも開設できない理由の一つです。

やばせ振興会・清水さん:
監視体制も責任をどうとるかということを問われると、やっぱり難しい。

広く遠浅の海岸が続く八橋海水浴場は、県内有数の人気を誇る海水浴場でした。

清水さん:
子どもや大人がいっぱいで、飛び込み台もあったり本当に賑やかで。海水浴専用列車が来るほどすごい海水浴場だった。

さらに時を遡れば、明治時代に松江ゆかりの文豪・小泉八雲が、妻のセツと新婚旅行で訪れました。2人を題材にした連続ドラマの放送も決まり、注目のスポットになることも期待されますが…。

清水さん:
もったいなといえばもったいないと思う。

地元を盛り上げる絶好の機会だけに、海水浴場として開設できない口惜しさを滲ませます。

清水さん:
ほんとうはやっぱり海で楽しんでもらいたいなって想いがありますね。時代の流れといいますか、昔を取り戻そうと思っても無理がありますね。

鳥取県内では、5日の白兎海水浴場を皮切りに、2024年の夏は8カ所の海水浴場で海開きされる一方、八橋を含め3つの海水浴場が開設を断念しています。

県は、海水浴場として開設されていない場所では水難事故の危険性が高いため、遊泳しないよう呼びかけています。

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