【インタビュー】清水美依紗、新曲「Wave」に込めた感情の波と挫折と躍進を語る「小さな幸せは一輪の花からでも受け取れる」

ディズニー『アルティメット・プリンセス・セレブレーション』テーマソングの日本版「Starting Now 〜新しい私へ」の歌唱で一躍注目を集めたシンガーが、清水美依紗だ。2022年にメジャーデビューを果たし、現在はアーティスト活動のほか、『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』などミュージカルの場でもその歌唱力を発揮している。

7月2日に配信リリースされる新曲「Wave」は、TVアニメ『僕の妻は感情がない』のエンディングテーマであり、自身初のアニメタイアップソングとして届けられる。自身の感情をかたちにすべく作詞作曲に深く関わり、丁寧に作り上げられたサウンドは心地良い。それらサウンドとビートの中で柔らかに響く歌声は、これまでのシングルとは異なる新鮮な質感も持つ。アニメ『僕の妻は感情がない』の世界はもちろん、多くの人の心に優しく寄り添うはずだ。

歌手を目指したきっかけから、ニューヨーク留学とコロナ禍での挫折を経ての躍進、「Wave」に込めた想いまで、じっくり語ってもらった。まっすぐのびやかな歌声に秘められた、繊細な心と熱い信念を感じてほしい。

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■私は音楽にすごく救われてきたので■絶対に楽しむことを忘れない

──まず、音楽や歌と出会いから教えてください。

清水:もともとヴァイオリンとピアノをやっていて、歌より楽器が最初なんです。母がクラシック好きで、家ではクラシック音楽か、'80~'90年代の洋楽とか、ディズニー音楽がよく流れていたので、それが入口になりました。歌を始めたのは、中学で合唱部に入ったのがきっかけです。合唱コンクールにたくさん出るような学校だったので、そこでソロパートをもらったりして、人前で歌を披露するようになりました。

──合唱部で歌う楽しさに目覚めたと?

清水:それは、また違うタイミングがあって。歌とダンスとお芝居のワークショップに参加した時に、一人でソロを任されてミュージカル『レ・ミゼラブル』の「On my own」を歌ったんですけど、その体験が歌手になりたいと思ったきっかけです。そこから自分が好きな音楽や歌のジャンルをたくさん聴いて、歌を練習するようになりました。高校で声楽を学びつつ、学校外でアマチュアの大会に出たり、カラオケで歌ったり、動画チャンネルにアップしたりして、基本的には独学でやっていました。多ジャンルの歌を歌えたらカッコいいだろうなと思って、ジャンルに縛られずに練習していましたね。好きなアーティストさんの真似をしたり、曲を聴いてどうやって声を出しているのか研究しながら毎日歌っていました。

──歌を歌うのが好きというのもありつつ、歌の研究も楽しめるタイプ?

清水:そうなんです、歌オタクでした(笑)。“どうやったらこういう高音が出るんだろう”とか、“どうしたらこんなふうにリズム良く歌えるんだろう。グルーヴを出せるんだろう”って研究するのが好きで。もし、ちゃんとしたボーカルコーチについて学んでいたら、自分の音楽性も変わっていたかもしれない。独学である程度まで追求できたのはいい財産になっています。

▲「Wave」ジャケット画像
──ちなみに、その頃に憧れてたアーティストというと?

清水:一番はアリアナ・グランデですね。キャラクター性も好きだし、もともとミュージカルをやっていたというキャリアにも共感できるし。彼女は今もずっと憧れの存在です。

──声楽を学んだ高校卒業後は、ニューヨーク留学(ニューヨーク・フィルム・アカデミー・ミュージカル・シアター)に行ったんですよね。

清水:はい。今言ったように音楽の技術的なものを追究しすぎて、表現力が足りないんじゃないかと感じていて。『レ・ミゼラブル』の「On My Own」をきっかけに歌手を目指したのであれば、原点であるミュージカルの本場で学んでみたらどうだろうと思って挑戦しました。いわば歌手になるための過程のつもりだったんですけど、実際にニューヨークでミュージカルを勉強してみると楽しくかったんですよ。自分の技術や表現力を使って役を演じる楽しさに気づいて、ミュージカルもやりたい!と思うようになりました。

──ニューヨークは、世界中からいろんな人が集まってくる厳しい世界というイメージもありますが。

清水:もちろん何度も心が砕けましたし、打ちのめされました(笑)。やっぱり歌もお芝居もできて当たり前な人が集まっているので、その中で“あなたにどんな個性があるの?” “あなたは何がスペシャルなの?”という部分が審査基準になるんですよね。個性をすごく大切にしていて、そこは日本との大きな違いを感じました。

──価値観が大きく変わる経験だったんですね。

清水:本当にそうですね。あと、ミュージカルを学んだことによって、歌詞がいかに大事なものなのかを知りました。ニューヨークに行くまでの自分は、あまり歌詞のことを考えず、歌の技術だけで歌っていたんですよ。歌詞を喋るように意識すると、表現力が全然変わってくるのがわかって。今、自分がオリジナル曲の歌詞を書く時にも役立っています。

──ニューヨークから帰ってきたあと、ディズニーの『アルティメット・プリンセス・セレブレーション』テーマソングの日本版「Starting Now 〜新しい私へ」が大きな話題になりました。どういういきさつで抜擢されたんですか?

清水:ニューヨークから帰ってきたのが2020年で、ちょうど世界中がコロナ禍に入ったタイミングだったんです。自分が学んだことの意味や未来がまったく見えなかったし、ニューヨークで打ちのめされた経験もあって、気持ちが完全に落ちてしまって。もう歌はやめようとまで思っていました。でも、お母さんが「先のことはわからないけど、自分が楽しいと思うことは続けてもいいんじゃない?」と言ってくれて、「歌を届けられる手段ならSNSがある」ってTikTokを勧めてくれたんです。それで、TikTokにアリアナや自分の好きな曲のカバー、それこそディズニーソングを歌っていたら、ディズニージャパンの方がその動画を見てくれたみたいで。「テーマソングに」と声をかけていただいたんです。

──すごく運命的ですね。コロナ禍は音楽を目指す人にとって大きな衝撃でしたけど、逆にSNSでの活動に注目が集まって、才能が世に出た印象があります。

清水:夢がありますよね。今まで、歌手になるにはまずオーディションを受けたり、事務所やレコード会社と契約してから、みたいな壁がありましたけど。SNSの時代になったからこそ、その時代を生きている人たちが素直に求めている音楽を聴くようになったんだと思います。SNSを勧めてくれた母に感謝していますし、歌を楽しむことを忘れなくて本当によかったです。もう諦めかけて、ホテルの清掃員のバイトをしてましたからね(笑)。一度、歌とはまったく違うことをしようと思って。

──そうだったんですね。SNSにアップした歌に反響が返ってきた時の喜びは大きかったですか。

清水:とてもうれしかったです。初めてバズった時、見たことのない再生回数になっていて。もともと高校生の時からミックスチャンネルなどのSNSはやっていたんですけど、はるかにすごい数字で驚きました。TikTokは一度動画が回り始めたらどんどん拡散されていくじゃないですか。いろんな人から「動画見たよ」「オススメに上がってたよ」って連絡がきました。

──まさかそれがディズニーにも届くとは!?っていう。

清水:そう、まさかですよね! お話を伺って、「もう、やるしかない!」って。絶対無理だと思いつつも、大丈夫だ!と信じて飛び込みました。

──「Starting Now 〜新しい私へ」はディズニー音楽や歌の力を感じる曲ですが、どんな気持ちで向き合ったんですか。

清水:私自身、ずっとディズニーが大好きで、いろんなプリンセスたちから勇気や夢をもらってきたので。それまで自分がもらっていた希望を今度は与える側になるわけですから、すごく責任感を感じました。しかも、「Starting Now 〜新しい私へ」を歌うことが決まった時、まだ日本語訳ができていない状態だったので、縁があって歌詞を訳させていただいたんです。13人のプリンセスたちのイメージや想いを日本語でどう入れ込むか考えて訳したんですが、本当に貴重な経験でした。どんなプリンセスも目的や信念がはっきりしているんですよね。歌うのは私でありつつ、プリンセスたちがみんなの背中を押してあげているというふうにもしたかったので、そういうところはこだわりました。

──実際、YouTubeのコメント欄などには“元気や勇気をもらえた”というコメントがたくさん書かれていて。しっかり届けられたという実感はありますか?

清水:リリースされてどんな反応がくるか、まったく想像できなかったので。いろんな番組などで歌わせていただく時、とにかくリアルタイムで今聴いている人たちがどう感じてくれるのかを意識して、音源以上に一つ一つのパフォーマンスを大切に歌ったんです。それをきっかけに、たくさんの人が音源にアクセスしてくれて、聴いてくれて…。ディズニーのファンの方以外でも、スポーツ選手の方が「Starting Now 〜新しい私へ」を応援ソングとして試合を流してくださったりして、幅広くこの楽曲に救われている方がいるんだと思うとうれしいです。

──メジャーデビュー以降のご自身の音源でも、美依紗さんの歌声は人に元気を与える声という印象があります。歌の力を信じて、楽しみながら歌っている感じが伝わってきて。美依紗さんご自身にとっても歌は元気をもらえる存在ですか?

清水:そうですね。今は職業として歌を歌って届けていますけど、何よりも、歌だけに限らず私は音楽にすごく救われてきたので。同時に、音楽を届ける側も楽しんでいるほうが、よりたくさんの人に届くんじゃないかなと思います。直前までプレッシャーを感じていてもいいから、ステージ上では絶対に楽しむということを忘れないようにパフォーマンスしています。

■私の表現のエゴは一切ナシにして■歌詞を話すことに集中して歌っています

──メジャーデビューから2年経って、何か変化を感じますか?

清水:「変わったね」って結構言っていただけるんですけど、自分ではあんまりわからないです(笑)。目の前のことに一つずつ向き合ってきたら、ありがたいことにたくさんリリースができて、ミュージカルも出させてもらえていて…。自分がやりたいと思っていた夢が着実に実現しているという実感はあるんですが、とにかく楽しみながら目の前のことをやっていたら時が経っていました。常に新しいことが舞い込んでくるとどうしてもアウトプットが多くなってしまうので。自分でちょっとトレンドとは違う新しい音楽を探して聴いたり、学ぶ楽しさを忘れないように心がけています。

──根本的に音楽オタク、歌オタクという部分が今も根っこにあるんですね。

清水:そうですね(笑)。でも、パフォーマンスする時はあまり頭で考えすぎずに臨みたいから、インプットしつつも意識しすぎないようにしています。

──そして、新曲「Wave」は、アニメ『僕の妻は感情がない』(僕妻)のエンディングテーマということで。サラリーマンとロボットの恋物語という独特の作品ですが、どういうふうにイメージを掴んでいったんですか。

清水:もともとエンディングテーマに起用されることが決まる前から「Wave」の原曲はあったんです。というのも…父が2年前に亡くなって、その出来事をきっかけに3rdシングル「Home」の歌詞を書いたんですけど。本当に苦しい気持ちで歌詞を書きながら、自分の感情との向き合い方に葛藤する中で、「Home」とは別に「Wave」が生まれたんです。感情の起伏を“波”に見立てて作った「Wave」が、感情にフォーカスを置いているアニメにぴったりということでエンディングテーマに決まって。原作漫画を読んで、ちょっと歌詞を書き変えたりしました。『僕妻』は家事ロボットと結婚して新しい家族のかたちを作っていくストーリーですけど、私も家族のことを考えて「Wave」を作っていたので、何かつながっている縁があったんだなと思います。

──確かに『僕妻』はロボットを題材にしつつ、描かれているのは家族愛や人とのつながりですもんね。

清水:そうですね。パンチの効いたタイトルですけど、読むと温かい気持ちになれる作品だなと思いました。「Wave」も、自分の感情を表しつつ、メロディはちょっと明るく作ってほっこりするイメージだったので。そういうところもぴったりだなって。

──歌詞を読んで特にグッと来たのが、後半の“見えない感情が押し寄せるたびに 幸せになっていいのだろうかと 普通に笑って 優しさに抱かれて”という部分で。つらいことも起きる世の中で、素直に幸せを感じていいのかという感覚は、今、共感できる人が多いんじゃないかなと思います。

清水:その歌詞が出てきたのは、それこそ父のお葬式の時でしたね。自分の中に見えない感情が押し寄せてきて…。でも、お葬式では一度も泣かず、普通に笑って見送ったんです。そのあと外を散歩していたら、本当に素敵なお花に出会って、優しさに抱かれた感じがしたんですよ。見えない感情が押し寄せた時、まわりの優しさを感じ取れなくなってしまうかもしれないけれど、小さな幸せというものは一輪の花からでも受け取れるんだよ、という想いを込めました。その時のお花がシングルのジャケットにもなっているので、まさにその部分の歌詞とジャケット画像がつながっているんです。

──素敵ですね。歌う時も、癒やしたいとか、優しい気持ちを込めたんですか?

清水:いや、レコーディングではむしろ状況や感情を説明しているセリフのような感じで歌いました。この歌詞を書いたのは自分ですけど、やっぱり曲を聴いた人たち、私のパフォーマンスを観た人たちそれぞれの捉え方をしてほしいので。私の表現のエゴは一切ナシにして、とにかく歌詞を話すことに集中して歌っています。歌詞を置いていくようなイメージかな。メロディも同じような旋律が淡々と繰り返されるようにして、全部同じように歌うことでより歌詞を引き出すことができるんじゃないかなと思ったんです。

──なるほど。そういう歌い方は新鮮だったのでは?

清水:たしかに新鮮でしたね。たとえばミュージカルで演じる時はもっと熱っぽく歌いますし。そういう表現をあえてなくしたら、またオーディエンスが新しい受け取り方をしてくれるんじゃないかなと思ってチャレンジしました。わりと喋り声に近い音域でメロディをつけているので、ささやいているような息が多く含まれているのも新しいと思います。

▲「Wave」MV撮影@タイ
──作曲クレジットはMitsu.Jさんと清水美依紗さんの連名ですが、どういうふうに作っていったんですか?

清水:Mitsu.Jさんは、メジャーデビュー曲の「High Five」や「Suger」「Message」も作っていただいた方で、私のパーソナルな部分も知ってくださっているんです。今回は、私がメロディを歌って、そこにMitsu.Jさんが音を付け足して…というふうに作っていきました。

──曲の始まりはラジカセの再生ボタンを押すような音とラジオボイスで。美依紗さんの歌に寄り添うAメロのオケは、アコースティックギターのアルペジオをミュートすることで、バイオリンのピチカートのような効果を生んでいます。とても繊細なアレンジですね。

清水:Mitsu.Jさんと対面で一つずつ作っていったんです。「ここはギターにしたほうがいいかな」「ここにラジカセの音入れよう」とか、全部話し合いながら。

──だから歌とオケのバランスに優れているんですね。全体を通して音数はそんなに多くないですが、コーラス部分に厚みがあって、サビの盛り上がりも美しい。

清水:そうですね。コーラスはMitsu.Jさんがつけてくださったんですけど、音数が少ないぶん、コーラスがいいふうに前に出ているなと思います。自分が作曲と作詞に参加したことも含めて、今まで出してきた楽曲とは違う繊細な楽曲ができたと思っていますね。作詞作曲はこれからもやっていきたいので、普段から、日々感じたことをちゃんとメモするようにしているんです。すぐ忘れちゃうので(笑)。

▲「Wave」MV撮影@タイ
──「Wave」のミュージックビデオはタイで撮影されたとのことで、こちらも開放感あふれる気持ちのいい映像になっています。撮影はいかがでしたか?

清水:海外で撮影してみたいという気持ちがずっとあって。「Wave」はアコースティックなムードだし、「波を連想させる場所で撮影したい」ということをチームで話し合ったら、「タイのプーケットはどう?」とご提案いただいて実現しました。すごく楽しかったですね! めちゃくちゃ暑かったですけど(笑)。タイの街並みや風景で華やかな映像にしつつ、歌と同じように、わりと担々とした表情で歌詞を喋るように意識して撮影しました。開放感のあるタイの鮮やかな風景と私の表情のギャップを感じてほしいです。

──最後の夕陽がとても綺麗で見入ってしまいました。

清水:めちゃくちゃ綺麗でした! もう泣きそうになっていたくらい。こんなに美しいものが世界にあるのに、なんで私はいろんなことに悩んだりするんだろう、自分はちっぽけだな…って。自然って偉大ですよね。

──わかります。撮影の日にたまたまあれだけ綺麗な夕陽が見られたんですか?

清水:そうなんです。雨季だったので、いつ雨が降るかわからなかったんですけど、撮影した2日間とも綺麗に晴れて、天気に恵まれてました。本当に綺麗で、心が洗われました。

■今はライヴができていることに■心から幸せを感じています

──もう一つのトピックとしてお伺いしたいのが、ミュージカルについてです。2022年の『フィスト・オブ・ノーススター〜北斗の拳〜』でデビューして以降、『ビートルジュース』に『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』と話題作に重要な役で出演されていますが、ミュージカルも美依紗さんの表現にとって大切な場所ですか?

清水:そうですね。役を演じることは決してラクではないんですけど、自分とは違う存在でいられるので気持ちがラクになる部分もあるんです。自分でいることがキツい時には、自分の技術や持てるすべてを使って役に向き合って、役を通して表現することでラクになれる。特に『ビートルジュース』は父が亡くなったあとに出演が決まった作品なんですけど、私が演じたヒロインのリディアもお母さんが亡くなったところから物語が始まるんです。ストーリー自体は面白いコメディですけど、リディアというティーンエイジャーの女の子が生と死の境目に立って、お母さんの死を受け入れていったり、家族となんとか繋がろうとしている等身大の部分が、本当に自分自身と重なって。演じるのが大変であると同時に、父が亡くなってから感じていたものをリディアを通して発散できた部分がありました。すごく思い入れがあるので、また演じたい役ですね。

──ミュージカルで歌うのと、アーティストとして歌うのとでは、全くスイッチが違いますか?

清水:全然違いますね。歌手だと1曲が物語ですけど、ミュージカルでは前後のシーンに何があるのかで歌の表現の仕方が変わってきますし。あと、舞台は幅広い分野で活躍している人たちが集まるので、いろいろな刺激を受けます。一番感じたのはミュージカル『ジョジョ』で。多彩なキャストだったので、“みんなの力が混ざった時に新しいものが生まれる”ってこういうことなんだ!と実感しました。引き続き、ミュージカルも頑張っていきたいです。

──今後の活動としては、「Wave」をひっさげて秋のソロツアー<清⽔美依紗 Solo Tour「Roots」>が東阪開催されます。自分のワンマンライヴは、ホームと呼べる場所になっていますか?

清水:そうですね。“この場所こそホームじゃん”って、まさにそういう感覚に出会ったのが、初めてのソロツアー<清水美依紗 Solo Tour「Cherish」>でした。「Home」という曲の歌詞は、先ほどお話ししたように父に向けた歌詞なんですけど、ライヴで歌うたびに歌詞の意味がどんどんどん変わっていって、新しい感覚に出会ったんです。最終的にすごく温かい気持ちで「Home」を歌えていることが、自分の中で大きな変化でした。それまで「Home」を歌う時は“泣かないようにしなきゃ”とか、心のどこかに感じたくない感情があって…とにかくこの歌詞を届けるんだっていうふうに少し力が入ってしまっていたんですよね。父の日に<清水美依紗 Solo Tour「Cherish」>から「Home」のライヴ映像を公開したんですけど、あれがまさに正しい「Home」を歌えている瞬間だと思いました。

──ライヴで、目の前のお客さんに向かって歌うことによって気持ちに変化があったんですね。

清水:ディズニーの「Starting Now 〜新しい私へ」の時も、メジャーデビュー後も、コロナ禍だったので、なかなか人前で歌を披露する機会がなかったんですよね。ミュージカルの舞台はどうしてもステージと客席がわかれているし。ちゃんと自分を応援してくれている人たちの目を見て届けられる機会が少なかったので、今はライヴができていることに心から幸せを感じています。次のツアーでは、前回ツアーからまた更新して、さらに新しいライヴができるようにいろいろ考えているところです。ぜひ期待してほしいし、楽しみにしていただきたいです!…と、自分でハードルを上げてみます(笑)。

取材・文◎後藤寛子

■8thデジタルシングル「Wave」

2024年7月2日(火)配信開始
配信リンク:https://shimizu-miisha.lnk.to/wavePR
※TVアニメ『僕の妻は感情がない』エンディングテーマ

■TVアニメ『僕の妻は感情がない』
▼放送情報
TOKYO MX:7月2日より 毎週火曜日23:00〜
MBS:7月2日より 毎週火曜日27:00〜
BS朝日:7月3日より 毎週水曜日23:30〜
AT-X:7月4日より毎週木曜日23:00~ ※リピート放送:毎週月曜日11:00~/毎週水曜日17:00~

原作:杉浦次郎『僕の妻は感情がない』(MFコミックス フラッパーシリーズ/KADOKAWA刊)
監督:吉村文宏
シリーズ構成:広田光毅 キャラクターデザイン:ウクレレ善似郎 色彩設計:古谷 恵 美術監督:河野次郎
撮影監督:伊藤佳恵 編集:田村ゆり 3Dディレクター:バイブリーアニメーションCG、北京写楽美術芸術品有限公司
音響監督:伊藤 巧 音響制作:HALF H・P STUDIO 音楽:佐久間 奏、中村巴奈重、田渕夏海、櫻井美希 音楽制作:日音
アニメーション制作:手塚プロダクション
製作・著作:製作委員会は感情がない
▼CAST
小杉タクマ:豊永利行 ミーナ:稲垣 好
小杉あかり:青山吉能 スーパーミーナ:芹澤 優 西園寺リヒト:松田利冴 マモル:若井友希
▼ストーリー
社畜サラリーマンの小杉タクマは、家事をする暇がないため、家事ロボット「ミーナ」をリサイクルショップで購入する。タクマが「お嫁さんになってくれない?」と軽い気持ちで求婚したことをきっかけに、ミーナはプログラムにないはずの行動をとるようになる。自らの機能を駆使し、出来る限り「お嫁さん」であろうとするミーナ。タクマにもまた、夫としての自覚が芽生えていく。ミーナには本当に「感情がない」のか。人間とロボット、「夫婦未満の2人が夫婦の絆を築くまで」のハートフルストーリー。
公式サイト:bokutsuma-anime.com
公式X:@bokutsuma_anime
©2024 杉浦次郎/KADOKAWA/製作委員会は感情がない

■<清⽔美依紗 Solo Tour「Roots」>

9月24日(火) 大阪・なんばHatch
10月3日(木) 東京・ヒューリックホール東京
opne18:00 / start18:30
▼チケット
全席指定 7,700円(税込)

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