クマの捕獲頭数、上限を800頭台に設定の方針 被害防止と保護両立し捕獲を 秋田

秋田県内では2024年に入ってから、7月4日までにクマの目撃情報が531件寄せられていて、前年を大幅に上回るペースとなっている。こうした中、2024年度のクマの捕獲数の上限を800頭台とする方針が示された。

県内では2023年度、約2300頭のクマが捕獲された。目撃や人身被害の件数が「異常」とも言える状況の中で、県が推定する生息数4400頭の半分以上に上った。

こうした中、学識経験者などで組織する検討委員会が5日、秋田県庁で開かれ、2024年度のクマの捕獲数の上限について協議した。

その結果、検討委員会は推定される生存率や繁殖率などを基に、上限を800頭台とする方針を示した。捕獲数が上限を超えた場合でも、「有害駆除」による捕獲は制限しない。

今回の方針を踏まえ、県は7月中にも具体的な捕獲上限数を示したいとしている。

一方、東北森林管理局は4日、クマの好物とされるブナの実が、今秋、県内では「並作」となる予想を発表した。

これについて、検討委員会の星崎和彦会長は「ことしはクマたちは山でブナの実にありつけるだろうと、そこは楽観視していいのでは、というのが委員の一致した見方」と話した。

会議でも、「クマが山で食料を調達できるため、人里に現れることが比較的少なくなるのでは」という意見が上がったという。

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