一覧表で比較!私立中学と公立中学で「親の年収」はどれほど変わるか
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私立の学校は、公立の学校で比べて、教育の質が高かったり、高校や大学への進学がスムーズとなったりするなどメリットが多いものです。
子どもの将来を考え「中学校から私立に通った方がよいのでは?」と思う親御さんは多いのではないでしょうか。
しかし、中学校から私立に通うとなれば「かかる学費も多くなり負担が重くなる…」というデメリットもあるでしょう。
これから本格的にかかる塾の夏期講習代なども必要となるので、慎重に計画する必要があります。
今回は、実際に私立中学校に通う子どもの親の年収についてご紹介します。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
私立中学校に通う子どもの親の平均年収は?
文部科学省の「2021(令和3)年度 子供の学習費調査」では、私立中学校と公立中学校に子どもが通う世帯の平均年収の割合を知ることができます。
以下で結果をみてみましょう。
私立中学校に子どもが通う世帯の平均年収分布
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- 400万円未満:3.8%
- 400~599万円:6.2%
- 600~799万円:15.4%
- 800~999万円:16.8%
- 1000~1199万円:17.7%
- 1200万円以上:40.1%
これにより、私立中学校子どもが通う世帯の年収の割合で最も多いのは「1200万円以上」(40.1%)、次いで「1000~1199万円」(17.7%)です。
つまり、私立中学校に通う子どもを持つ世帯の約6割が年収1000万円以上であることが分かります。
次は、公立中学校に子どもが通う世帯の年収分布をみてみましょう。
公立中学校に子どもが通う世帯の平均年収分布
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- 400万円未満:10.2%
- 400~599万円:21.2%
- 600~799万円:26.6%
- 800~999万円:20.5%
- 1000~1199万円:11.3%
- 1200万円以上:10.3%
公立中学校では、「600~799万円」(26.6%)の世帯が最も多く、次いで「400~599万円」(21.2%)が続きます。
年収1000万円以上の家庭は約2割にとどまります。
このデータから、私立中学校に通う子どもの親は、公立中学校に通う子どもの親に比べて平均年収が高いことが明らかです。
次は、子どもを私立中学校に通わせる場合にかかる教育費についてみていきましょう。
私立中学校にかかる1年あたりの教育費は公立中学校と比べ約2.7倍の「143万円」
私立中学校に進学した際に係る教育費を文部科学省の「令和3年度子供の学習費調査」でみてみましょう。
私立中学校と公立中学校の1年あたりの教育費の平均と内訳をそれぞれ確認すると、次のとおりになります。
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私立中学校の1年あたりの教育費の平均
- 学習費総額:143万円
- うち学校教育費:106万円
- うち学校給食費:1万円
- うち学校外活動費:36万円
公立中学校の1年あたりの教育費の平均
- 学習費総額:54万円
- うち学校教育費:13万円
- うち学校給食費:4万円
- うち学校外活動費:37万円
私立中学校は公立中学校と比べると、かかる教育費は約2.7倍にも上ることがわかります。
私立中学校に子どもが通うことになると、3年間で約430万円かかります。
一方、公立中学校は約162万円。
3年間の差額は268万円にもなります。
子どもを私立中学校へ進学させたいと考える家庭にとっては、約268万円をどう賄うかが大きな課題となります。
このことから、年収が1000万円以上ある世帯の方が、子どもを私立中学校に通わせやすいといえるでしょう。
とはいえ、年収600万円未満の世帯は約1割あることを考えたなら、たとえ世帯収入が低くても私立中学校に子どもを進学させることは可能な場合があるといえるのではないでしょうか。
どのようなケースがあるか以下で考えてみましょう。
平均年収600万円未満の世帯の子どもが私立中学校に通うのはどんなとき?
平均年収600万円未満の世帯の子どもが私立中学校に通うには、以下のような理由が考えられます。
奨学金などを利用する
私立学校が設けている奨学金や、地方自治体が提供する助成金などを利用するケースが考えられます。
東京都内にお住まいの方であれば、私立中学校等に通う生徒の保護者等の経済的負担を軽減するために、授業料の一部を助成する「私立中学校等授業料軽減助成金事業」があります。
詳しい情報はホームページで確認できます。
祖父母に援助をしてもらう
祖父母にとってはかわいい孫です。
孫の未来に学費を援助するケースは十分あるでしょう。
両親が工夫して教育資金を捻出する
両親が子どもの進学に向けてまとまった資金を準備している場合や、収入を増やすために副業をはじめることもあるでしょう。
妻が主婦の場合、パートやアルバイトで働きに行き収入を増やすという場合も考えられます。
学校からの特別推薦がある
私立学校では、学業やスポーツ、音楽など特定の分野で優れた成績を収めている場合に、小学校から特待生として推薦され、学費の全額または一部が免除されるケースがあります。
これらのケースを検討すれば、平均年収600万円未満の世帯だったとしても、子どもを私立中学校に通わせることが可能となる場合があります。
まとめにかえて
私立中学校に子どもを通わせる場合、世帯の平均年収が1000万円以上というケースは5割を占めています。
かかる教育費が公立中学校と比べて2.7倍にもなるため、平均年収が高い方が有利といえます。
しかし、そうでなくとも私立中学校に子どもを進学させることは可能な場合もあります。
子どもの希望をよく確認して、祖母に援助を頼んだり、奨学金・助成金制度などを利用したりしましょう。
どんな場合も無理のない適切な選択をするようにしましょう。
参考資料
- 文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」
- 東京都私学財団「私立中学校等授業料軽減助成金事業」
- 文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」